明治 版籍奉還と廃藩置県 版籍奉還と廃藩置県が何故スムーズに行ったのかできるだけ詳しく教えてください

明治 版籍奉還と廃藩置県

版籍奉還と廃藩置県が何故スムーズに行ったのかできるだけ詳しく教えてください！

No.3 回答者： phj 回答日時： 2017/11/07 11:54

原理原則から言えば、日本の土地はすべて「天皇のモノ」でありました。

これは6世紀に律令制で規定されてから、廃止はされていなかった日本の原理原則です。幕府はあくまでも「天皇の勅許により開かれた軍事政権であり、天皇の権能を制限していない」のです。これが天皇を戴いての明治政府＝朝廷の復活の根源的な正当性になります。

つまり、天皇は日本国の支配者であり、幕府が大政奉還した以上「藩主は明治天皇の命令に背くことはできない」という前提になっていたこと、また幕府が無くなったので「幕府から知行地をもらった藩」も法的な存在意義を失っていました。

ここがポイントのひとつ

とはいえ、藩主なども自分たちの生活などが立ち行かなくなるなら廃藩を受け入れることはできません。ですからまず版籍奉還で「藩主はひきつづき明治天皇より知行地を納めるよう命じる」ということにしました。版籍奉還は主に「藩の領地を明治政府に返せ」ということがクローズアップされますが、明治政府に所属を返した（天皇に支配権を返した)上で、藩主を藩知事という役職に任命して引き続き所領地の監督権を与えました。
このため、混乱がほとんど起きなかったと言われています。

これがポイントの２

しかし、実際のところ幕末の殆どの藩は財政的に破たんしていました。藩主（藩知事）もこのまま藩経営をしていくのは苦痛だったという経済的な事情もありました。

そこで明治政府が行ったのが廃藩置県です。これは藩知事たちを東京の御所に全員呼び出し、藩を廃止し県にすること、藩知事は東京に移り、その生活費は政府が責任を持つこと、そしてなによりも藩知事たちが喜んだのは「藩の借金を政府がもつこと（藩札を政府の紙幣に変えることなど）」でした。

これにより「借金まみれでお荷物だった藩運営」から解放され、自分たちの生活は保障された藩主たちは大きな混乱もなく廃藩置県を受け入れた、と言われています。

これがポイントの３です。

まとめると
・日本の政治体制の根本は朝廷による律令制にあり、それは明治期でも有効だった（大日本帝国憲法発布まで実質的には有効だった）ため、明治政府の命令は有効であるとされたこと。

・幕府がなくなったため知行地としての有効性がなくなり藩主は苦労していたところに藩知事の命令をうけたこと

・藩財政は江戸中期からどこも悪化しており、借金が莫大だったところに明治政府が肩代わりした

・藩知事は政府から生活費を支給され、爵位が与えられて地位も保全された

以上のことから、法律的な問題もほとんど起きず、藩主も反対しなかったのでスムーズに進んだ、ということです。

No.2 回答者： tanzou2 回答日時： 2017/11/06 17:40

１８６９年１月、新政府は薩摩・長州・土佐・肥前４藩の藩主に

「版籍奉還の建白書」を出させます。
「すべての土地・人民は天皇のものであり、私有すべきではない」
として、版と籍、つまり領地と領民を朝廷に返上させたのです。

４藩が版籍奉還に同意した理由は、「与えるべきものは之を与える」
という一文にありました。

実は、徳川幕府では将軍が交代するたびに支配権を幕府に返上させ
、改めて幕府から公布するという手続きが取られていました。

そこで藩主たちは、今度は天皇を中心とする新政府が、
幕府に代わって支配権を与えると思っていました。
有力藩にならい、およそ２６０の藩がなだれを打って
版籍奉還を申し出ました。
これによって藩主は「知藩事」という新政府から
任命された地方行政官になります。

しかし、知藩事たちが当然与えられると信じていた
支配権は再交付されませんでした。
土地と人民は天皇の元に置かれたままとなり、
新政府が実質的な支配権を持つことになります。



しかし、この段階では、税の徴収権や軍事力は
各藩が保持したままでした。

そこで新政府が次に行ったのが、すべての藩を廃止する、廃藩置県です。

１８７１年７月、天皇が知藩事を東京に呼び、
藩の廃止と知藩事の罷免を一方的に宣言しました。

残されていた藩は県になり、政府から新たに知事や県令が派遣されます。
明治政府は全国を直接統治下に置き、軍事・租税の権限を一手に
握ることとなりました。

No.1 回答者： kiyokato001 回答日時： 2017/11/06 09:39

明治新政府内の要職は､薩長土肥で埋められています。

徳川幕府要職が徳川家と譜代大名で埋められていたのと同じ構図です。
明治政府＝薩長土肥と言う構図です。
政府要人は藩主の下におりましたので、藩主から全権を入手すべく、
薩長土から領地を明治帝に献上させる事を思いつきます。
真っ先に薩長土肥がこれを行いましたので、諸藩をあの手この手で騙したこともあり、
諸藩もこぞって献上しました。