No.1ベストアンサー
- 回答日時:
>スピンとは何者なんでしょうか
粒子の自転というイメージで良いと思いますよ。
>スピンにプラスとマイナスがあるのはどういうことか?
右回りと左回りがあるのでそれらをプラス、マイナスで表しています。
どちらの回転をプラスと呼ぶかは慣習ですから特に意味はありません。
>電子のような上も下も区別できないもので、
>何を基準に方向を決めているのですか?
電子1個を持ってきてスピンは上向きか下向きかということではないです。
仰るように方向は決められないですよね。
2個以上あったときに各々の電子がどちら向きに回っているかが問題になってくるわけです。
このような回答では、まだ教科書と同じことしか言えてませんか?
私が読んだ本にもguiterさんと同じようなことが書いてありましたが
> 右回りと左回りがあるのでそれらをプラス、マイナスで表しています。
という部分以外のところが抜けていたのです
> 2個以上あったときに
という部分が私が最も求めていた回答だと思います
本当にありがとうございました
No.5
- 回答日時:
いやあ,いい質問ですね~.
> 学校の先生に聞いても教科書と同じことしか言ってくれないんですよぉ
というのはちょっと残念ですね.
物理化学担当の化学の先生はともかくとして(専門じゃないという意味です),
量子力学や統計力学を担当する先生なら frank さんの疑問に
熱心に応えてくれるべきと思いますがね.
なら喜んでいくらでも話しちゃいますが...
さて,nikorin さんの言われるとおり,スピンは内部自由度です.
○ ウーレンベックとハウトスミットがスピンの力学的意味として,
自転による角運動量で提唱したという歴史的理由.
○ 内部自由度という考えはなかなか難しいので,
わかりやすいアナロジー(ただし,間違っている!)として電子の自転を持ち出す.
などの理由により,スピンを電子の自転と結びつけて説明する本,あるいは講義は
確かに多いようです.
電子スピンを実空間での自転と考えると,スピン (1/2)×(h/2π) が説明できませんし,
なにより角運動量と共役な正準変数が作れません.
また,磁気回転比のあたりもうまくいきません.
きちんと物理をやろうと思ったら,自転の描像はやめて内部自由度の立場に
立つべきでしょう.
ランダウ・リフシッツのテキストには,自転描像などまったく意味がない,
というようなことが書いてあります.
なんだかよく分からないけど(つまり,自然がそうなっていて),
電子には内部自由度があり,2つの状態がある.
それぞれの状態は角運動量と磁気モーメントで区別できるが,
この2つの量のの比例係数は普通の軌道角運動量のときとは因子が2だけ
違っている(本当はもうちょっと補正があるけど).
電子1個を持ってきて,磁気モーメントがどちらを向いているかを論じるのは
意味がありません.
もう一つの電子を持ってくれば相対的関係はわかりますが,
2つの合成磁気モーメントがどちらを向いているかは,
また別の磁気モーメントを持ってくる必要があります.
blue_monkey さんご推薦の
朝永振一郎先生の「スピンはめぐる 成熟期の量子力学」
は私もすばらしい本だと思います.
blue_monkey さんは「教科書を推薦してしまいました」
と書かれていますが,普通の教科書とはずいぶん感じが違いますよね.
整理し尽くされたテキストで舗装道路を走るように
(ただし,本来のでこぼこは舗装の下で見えなくなっている)勉強した者とは違って,
草創期に近い量子力学のでこぼこ道を自分の足で歩いた朝永先生ならではの
記述が満ちあふれています.
一応専門家である私も,何度読んでも得るところがあります.
理解度の深さは遠く私の及ぶところではありません(あたりまえでしょうが!).
No.3
- 回答日時:
スピンというのは「内部自由度」です。
回転とのアナロジーで上向きとか下向きとか言いますが、これは直感的にわかりやすいからです。
実際に上を向いたり下を向いたりするような空間的な量ではありません。
電子を特徴付ける数学的な空間(だから「内部」自由度なんです)での量であると解釈すれば
よいのではないでしょうか。
No.2
- 回答日時:
素粒子に関しては学生時代の知識のみですのでちょっといいかげんな表現で。
イメージをどうしても浮かべたいということであれば
上向き、下向きの回転、でよいと思いますが
実際には「電子のような上も下も区別できないもので」という
あなたの感じ方は正しいと思います。
電子の動きをモデルとして考えた際
電子が2つで一対として動くことが多く
これを「プラスとマイナスという 2つの値をとりうる変数があり これをバランスよくとるように理論を組み立てる」と非常に説明がしやすい、ので スピンという考え方がある。
というように考え方を変えたらいかがでしょうか。
実際に量子力学をもっと勉強していくと クオークという素粒子の存在に行き当たります。
クオークでは 「プラスとマイナス」 という2つの変数をもつスピンなる概念に似たもので カラーというものが出てきます。
これは3つの値をとりうる変数なのですが
実際に素粒子に色がついているわけはありませんね。
理解しやすいように考えられた一つの概念であって
そういう風にイメージすると 説明がしやすいので
便宜的に定着した表現方法と考えればいかがでしょうか。
> 理解しやすいように考えられた一つの概念
いやぁ、そうだったんですか
スピンを理解できない自分は劣っているのかと思うほどだった悩みが消し飛びました
「概念」それだけなんですね
とてもわかりやすい説明をありがとうございました
教科書にもこうやって書いてあればいいのに・・・ブツブツ・・・
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