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夏になると、『菊次郎の夏』を思い出します。

日本人の子どもの頃に感じた「夏の思い出」をうまく表現していると思います。

言葉は少ない映画なのに、あの映像から伝わってくる想い・・・

北野マジックでしょうか。

少し語ってみませんか?

A 回答 (1件)

buno_bunoさん、こんにちは。



北野たけしさんの作品は私も大好きです。
ただ、「菊次郎の夏」は正直なところイマイチでした。子供の夢のシーンはさすがだと思うのですが、子供の母親の再婚を知った後の展開は北野たけし監督にしては冗長だと思いました。1シーンで全てを解らせてくれるようなキレ味の鋭さがないように思います。グレート義太夫と井手らっきょを使ったシーンはバラエティ番組と変わりなく、長く続くお遊びのシーンは映画の味を損ねているのではないでしょうか。
映像には細かいところまで気が配られていて素晴らしいと思います。ただ、セリフの味は他の作品に及ばないように感じました。
いつも思うのは、北野監督は音の使い方がとてもうまいなあ、という事です。音楽の配置や音量もこれしかないというピンポイントで的を射ていると思うし、音の無い時間や効果音がとても高い演出効果を出していると思います。音で語る(理解させる)というのもよく使われてますが、味わい深くて好きです。

「菊次郎の夏」は、タイトルから言えば子供が主役では無く、あくまでも「菊次郎の」夏の話なのですね。子供の境遇と自分を重ね合わせ、一人で老人ホームを訪ねたシーンで何かを感じるべきなのだと思います。残念ながら、私にはあまり迫りくるものがなく、ラストもなんだか物足りなく感じました。旅を終えて普通の生活に戻った菊次郎や少年の姿のワンシーンが欲しかったと思います。たけし監督なら、そのシーンで何かを語る事ができたと思うのですが。「すこし泣ける」と映画の宣伝コピーにあったのですが、うる、ともこなかったのは残念でした。

「HANABI」と「ソナチネ」は作風が良く似ていて出演者も共通してる事もあって同じような味わいがありますね。とても完成度が高いと思います。これらは切れ味の鋭い傑作だと思います。一番好きです。
「キッズリターン」や「3×4X10月」も独特の味わいがあって好きです。演技者としては「教祖誕生」をみてシビレました。先入観に反して、たけしは本物の役者だ、と感じた思い出深い映画です。でもまあ、なんでもこなす器用で上手い役者というわけでもないように思います。暴力のエッセンスを持つキャラクターを演じる時には独壇場の感がありますが、それ以外だとかなり魅力が薄れてしまうように思います。
この映画で、不器用な優しさを演じたのは、半分成功、半分失敗、というところではないでしょうか。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。

お礼日時:2001/07/28 14:31

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