No.5ベストアンサー
- 回答日時:
まず問題のポイントがどこにあるかを考えます。
「火災を発見した時は、( )消防署へ連絡すること。」という例文で問われているのは、(1)火災を発見したとき(瞬間)
(2)消防署へ連絡するとき(瞬間)
という二つのことがらが、時間的にどのような関係にあるべきなのかを適切な語で示す、ということです。(1)が起こってから(2)が起こるまでのあいだに多少の時間が流れるわけですが、その「多少の時間」がどれくらいの長さであるのがもっとも適切か、ということです。
もちろん答えは「すぐさま、できるだけ早く、可能な限り(1)と(2)の間に時間をおかずに」です。後はこれにふさわしい副詞を候補のなかから選んであげればいい。
まず仲間はずれがひとつあります。「まさに」は時間がどれだけたったかを示す副詞ではなくて、「今、ここで、目の前に」といった内容を特に強調するために使うのが本義です。「これこそまさにハムだ」というときの「まさに」ですから、これはふさわしくない。野菜炒めの材料にいちごが混ざっているようなものです。
ですからこの問題は実際は四択です。「ただちに、いまにも、たちまち、じき」。このなかにもうひとつ仲間はずれがある。「今にも」です。これはたしかにひとつのものごとが起こってから次のものごとがおこるまでどれぐらいの時間が経過するかを示す副詞ですが、通常は最初のできごとがおきた時点から次のできごとがおきるであろう(おきそうな)未来の時点をながめるときに使う言葉です。火事がおこっているのに、消防署へ知らせるのが「おきるであろう」「おきそうな」ことであるというのは心ぼそい。加えて「火災を発見した時は、( )消防署へ連絡すること。」は規則や命令の文体ですから、不確かな未来を示す語法を用いることはふさわしくありません。通常規則や命令は「こうせよ」「こうするべきだ」「こうなるよう努力せよ」というふうに未来形を排除するものだからです。
残りの三つを比べてみますと「たちまち」は「たちまち火は消えた」というふうに自然におこる物事について使うことが多く、消防署への通報という意思的な動作にはややそぐわない。「その言葉を聞いて、先生はたちまち怒りくるった」と使えないこともありませんが、こういうときはふつう「その言葉を聞く」ことが自然に怒りを呼びさますというニュアンスを秘めています。いっぽう「じき」は元来「間にものをはさまず、直接」という意味でそこから「ただちに」と同じような意味で用いられていたのですが、現在では「ただちに」よりもやや間のある表現として捉えられています。両方とも漢字をあてれば「直」で同根の表現なのですが、歴史の古い「じき」が言葉のイメージのつよさを失ってしまったためではないかと考えられます。ですから現代語として「じき」はやや不適当。加えて、「じきに」とニが入っていなければこの場合すわりが悪い(しゃべりことばふうのカジュアルな表現に聞こえる)という事情もあるので、「ただちに」がふさわしいと思われます。
お礼が遅れて申し訳ありませんでした。とても、親切な説明に恐縮いたしております。特に、答えを導く手順はとても参考になりました。私は答えはなんとなく分かる程度で、その理由は説明できませんでした。今回の答えを参考に勉強していきたいと思います。また何かありましたら宜しくお願い致します。
No.6
- 回答日時:
「ただちに~する」:ある状況に遭遇したときに、優先して~をするべきである、という意。
(例:火災を発見したときは直ちに消防署に連絡すること)「まさに~する」:現在もしくは近い将来に高確率で発生しそうな事由に対して、今を基準にして直近の未来に~を行なう、という意。(例:猟犬は漁師が撃った熊に、まさにとどめを刺すために襲いかかった)
「いまにも~する」:現在もしくは近い将来に高確率で~という事象が発生するだろう、という意。(例:大地震によって傾斜したその家屋は、いまにも倒壊する危険があった)
「たちまち~する」:仮定としてある現象が発生した際、~という行動が誘発される、という意。(例:蜂の巣を不用意に突っつけば、たちまち蜂は集団で攻撃者への反撃を開始するだろう)
「じき(に)~する」:現在を基点として、さほど遠くない未来に~をする、の意。(例:じき信号は青に変わるので、それから横断する)
こういった違いがあると思います。
ご回答くださり、ありがとうございました。お礼のほうが遅くなり申し訳ありません。たいへん詳しい説明をしていただきました。もし何か、参考になるような辞書等を教えていただけたら幸いです。また何かありましたらお願いします。
No.4
- 回答日時:
「ただちに」=正解
「まさに」=時系列を表す言葉ではない。
「いまにも」=目前に何かが起こりそうなさまを表す言葉であり、現実に起こった事象に対して使う言葉ではない。
「たちまち」=非常に短い時間のうちに動作が行われるさまを表す受動的な言葉です。
能動的な行動に対しては使いません。
「じき」=時間的、距離的に近いさまを表す言葉ですが、一般的には少し間を空ける状況を指すます。
ですので、この場合は適切ではありません。
No.3
- 回答日時:
これらは文法では説明できないでしょうね。
こういうのは「語法」とか「用法」の問題です。「まさに」:現象を客観的に表現する傾向がある。「~する」と対になりやすい。
時間的な意味合いより、現在起こりつつある状況下での表現。
「いまにも」:「~しそう」と対になりやすい。時間的な意味ではなく、
現象が起こる直前である状況を描写。
「たちまち」:ある行為や現象が契機となって「たちまち」以下の事柄が
起こった/ることを表現。「~すると、たちまち~」という文型を
用いるケースが多い。
「じき」:時間的な副詞表現で比較的遠くない未来に起こる/する意味合いをこめる。
「ただちに」:比較的短い時間経過のうちに行為を行うこと、現象が起こることを
表現する修飾語(副詞)。
ご回答くださり、ありがとうございました。的を得た説明をしていただき理解する上でとても役に立ちました。お礼のほうが遅くなり申し訳ありません。また何かありましたらお願いします。
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