No.6ベストアンサー
- 回答日時:
No5さんが最後に書かれていることは、量子力学を学ぶ人は常に肝に銘じておかなければなりません。
不確定性原理だけを使って現象を理解しようとすると、見当違いの方向に行ってしまう危険性があります。まずはしっかりと基礎を勉強しましょう。実際にシュレーディンガー方程式を解いて、量子力学の使い方を学んでください。その上で、トンネル効果はなぜ起こるのか、を考えてみて下さい。そうすると、多分、量子力学は、トンネル効果そのものの原因については言及していないことが分かるはずです。そして、原因など分からなくても、そういう効果があるという前提に立てば、いろんな現象を説明できることが分かります。つまり、トンネル効果の原因が解明されなくても、実用上の問題はない、ということです。そうなるとあとは趣味の問題です。自分が思うように解釈してみてください。ただし、その解釈を実用に持ち込もうとすると間違った解釈に陥る危険性があります。ですから、初めに基礎をしっかり学ぶ必要があるのです。No.5
- 回答日時:
No.1のお礼に対して
多忙のため反応が遅れています。m(__)m
さて、トンネル効果がなぜ起こるかというのは、結局のところ、「なぜポテンシャルエネルギーが全エネルギーよりも大きいにもかかわらず波動関数がゼロでないのか」ということだと思います。これは古典論ではありえないですよね。
これを私なりに説明しますと、シュレーディンガー方程式は
全エネルギー=運動エネルギー+ポテンシャルエネルギー
という形をしていますね。これは古典論では問題ないですね。ところがポテンシャルエネルギーが全エネルギーよりも大きい場合には、運動エネルギーが負になります。これは古典論ではありえないですが、シュレーディンガー方程式ではありえます。例えば、波動関数がexp(-x)に比例している場合です。つまり、量子力学では古典論ではありえないことが起こっているわけです。この原因は結局のところ波動関数で考えている、あるいはシュレーディンガー方程式がこうだから、というわけです。
私がもう一つ言いたいのは、不確定性原理とかを使って、どちらかというと無理やり理解しようとするのは、量子力学を学んでいない人のやり方のように思いますがいい過ぎでしょうか。
No.4
- 回答日時:
「人間の測定がない自然な場合は共役な量はそれぞれある程度の幅をとって落ち着いている、という事でいいんでしょうか?」について、そういうことではありません。
全ての情報は波動関数の中にあります。ある特定の運動量の固有状態にある系では、粒子の位置はまったく特定できません(どこにでも存在し得るということです)。波動関数が狭い範囲に局在するような形ならば、多くの運動量状態の重ね合わせになっています。どういう波動関数になるかは、その体系がどのような条件になっているかで決まります。ありがとうございます。確かにそうですね、考えが浅はかでした。なかなか測定と実在の間に区別の線を引けないですね。そこの境界線のところの理解がまだあやふやです。
No.3
- 回答日時:
そういう瞬間もあるかもしれない、ということです。
しかし、この解釈も正しいかどうかは分かりません。実際のところ、不確定性原理の解釈もよく分かっていないのです。時間とエネルギーの不確定性原理よりは、位置と運動量の不確定性原理の方が比較的理解しやすいようですが、それでもその解釈には釈然としないものがあります。位置と運動量の不確定性原理で、Δxは位置を測定した場合の誤差、Δpは運動量を測定した場合の誤差とも解釈されますが、別の解釈では、Δxは粒子自身の存在の広がり、Δpは重ね合わされた運動量の広がりとも解釈されます。ただし、どちらの解釈も正解とは言えません。通常、Δxよりも広い範囲で波動関数は値を持ちます。したがって、Δxの範囲に100%粒子が存在することはありませんから、Δx内に全ての粒子が存在するという解釈は正しくない訳です。ちなみに、ΔxとΔpの積の最小値を求める計算では、Δx、Δpは、標準偏差として定義されます。
時間とエネルギーの不確定性原理については、私が先に示した解釈のように、短い時間では大きなエネルギーを持ち得る、という解釈もありますが、別の解釈として(こちらの方が正統かもしれません)、エネルギーを測定する時の測定時間と測定したエネルギーの精度との間の関係と見ることもできます。すなわち、測定時間が短くなると、エネルギーの測定精度が悪くなる、というものです。ただし、この解釈は測定という行為に限定した解釈となります。
自分で述べた解釈に反するのですが、量子力学の解釈では、エネルギーの固有状態にある系でエネルギーを測定すると、必ず同じ値が得られますから、瞬間的にでも大きいエネルギーを持つというのはおかしな話です。はてさて、そうすると、トンネル効果とは何なのでしょう。
ありがとうございました!理解が深まりました。エネルギーや運動量を人間が測定するときに正準共役な量の幅を小さく取ったら、その量は必要以上に大きな幅をとってしまうが、人間の測定がない自然な場合は共役な量はそれぞれある程度の幅をとって落ち着いている、という事でいいんでしょうか?
No.2
- 回答日時:
量子力学は、ミクロの世界を記述する有効な手段ですが、全ての現象の理由を説明できるものではありません。
実際にシュレーディンガー方程式を解くと、ポテンシャル障壁を透過して壁の反対側にも波動関数が存在することは分かりますが、なぜ自然界がそのようにできているのかは分かりません。といっても回答になっていないので、こんな解釈はいかがでしょうか(証明はできませんが)。不確定性原理によりますと、非常に短い時間の間では、大きいエネルギーを持つことも可能です。瞬間的にポテンシャル障壁よりも高いエネルギーを持ち、かつ、障壁を越えられる時間があれば、壁を乗り越えることは可能ではないでしょうか。この解釈では、透過するのではなく乗り越えるのですが、結果としては、壁の反対側に行けることになります。
回答ありがとうございます。とても理解しやすかったです!不確定性原理について質問なんですが、「非常に短い時間の間」というのは任意に自分が選べるんでしょうか?それともいつになるかはわからないがそういう瞬間がありえるというだけなんでしょうか?
No.1
- 回答日時:
「量子力学的ゆらぎで起こるなんていう話」に頼る前にシュレーディンガー方程式を解いてみましょう。
そしてその式をよく見て古典論と比較しましょう。やや不親切なアドバイスですが、それが一番と思います。
回答ありがとうございます。
任意の運動量をもつ波動関数を入射させたときについての波動関数の連続条件を満たすためには反射波が必要だという話のことでしょうか?確かに式では反射波の存在を仮定しないと波数kがとびとびの値をとるようになってしまいますが、「シュレーディンガー方程式がこうだから」という理由では納得できないような気がします(汗)
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