No.4ベストアンサー
- 回答日時:
魔というのは、サンスクリット語のマーラの音写のために作られた漢字です。
当然、仏教にも悪魔という概念があり、煩悩と捉えることもあります。
魔の定義ですが、『大智度論』では四魔というものをたてます。
煩悩魔、陰魔、死魔、天子魔です。
(細かい説明は省略します)
このうち天子魔がいわゆる「欲界の天の頂点にいる王」と呼ばれている魔です。
欲界の第六天である他化自在天の主である魔王(波旬)は、釈尊成道の時に、釈尊の妨げをしました。
しかし、仏はこの魔王を降伏して成道を得たということです。
この波旬は「世の中の救済のために解脱、救済しょうとする修行者、解脱者に対して、妨害をする」存在です。(以上補足)
以下回答
さて、まず大きな問題は、他化自在天は欲界であるということです。欲界は三界のうち最下層にあたります。
ここにいる者は、セックスもするし子供もいます。精液の変わりに風がでるらしいですが。)
あくまでも欲望の世界から離れられない存在なのです。
釈尊が成道したことによって得られた境地は三界を離れたところです。
つまり、三界にいるものが(それも一番下)、三界を離れようとしたものを妨害したということです。
神だと言っても、欲望にまみれた存在であり、釈尊が成道によって得られた境地からは、だいぶ離れているのです。
「知性的にも人間以上で天界の頂点にいる??神々」
とありますが、人間よりはレベルが高いかも知れませんが、所詮、欲界の住人ですから、残念。
回答ありがとうございます。
たしかに、天界の神々も欲の世界に存在していると・・本などでは書いてありましたね。
参考になりました。
No.8
- 回答日時:
参考程度に
地球世界というのは大きく分けて、天国世界、地上世界、地獄世界の3つに分けられます。人間の魂は仏が作られた分身であり本来的に天国の住人ですが、修行のために一時期地上世界に肉体(色)を持ちます。地上世界に肉体を持った魂の一部が、地上こそ全て、肉体快楽こそ全てと考え、死後天国に戻れなくなり地上世界に近い一部のところに集まってできたのが地獄というものです。仏は天国の最上段にいる方ですが、地獄の解消および人々に世界の真実を語るために、数千年に一度、地上に人の子として生まれて、悟りを開き(本来の自分を取り戻し)法(世界の真実)を説いているわけです。仏が本来の自分になり、本当のことを語ると地獄へいく人はなくなりますので、困るのは地獄の親分たちですね。地獄霊は、地上の人間の悪想念を食事に生きてますので、みんなが本来の天国的考えを持てば、地獄自体がなくなってしまうのですね。そこで、釈尊が悟りを開こうとする時に、総攻撃をかけたのですね。これがマーラとの霊的な戦いです。結果はおのずから明白で、地獄の大王でさえ仏にはかてません。地球大世界の大王と小さな島の村長程度の差なのですね。あるいは月とすっぽんぐらいかな。後世、イエスも荒れ野でベルゼベフ、地獄のナンバー2とやってますね。仏の教えは、簡単ですのでそのまま信じればよいのですね。八正道で心を正すという修行は、魔の惑わしを退けるということでもあるのですね。仏の教えは簡単ですから、余計な解釈なしで信じて行ってみるとよいですね。
回答ありがとうございました。
また、今回の質問に回答された方々に重ねてお礼を申し上げます。大切なご意見、参考にさせていただきます。
No.7
- 回答日時:
お釈迦さまは、菩提樹の下で瞑想を始めるまでに、それまでしてきた苦行には意味が無いと知って放棄したり、スジャータからもらった乳粥を食べたり、沐浴したりして、御付の人達にも見捨てられ、まったく行き先の見えない、孤独、孤立した状態にまで追い込まれてしまうんです。
6年間、いろいろな人の指導を受けてきて、絶食状態にまで身体を追い込んだにも関わらず、納得のいく成果が得られないし、「苦の消滅」なんて、普通、思いもつかないような壮大な課題に取り組んでいる自分への不安もあったと思います。
そんな状況の中での瞑想ですから、雑念、眠気、怠惰、・・・・のオンパレードだったと思います。
それらを「マーラ」と読んでいるんでしょう。
漢訳すると「悪魔」となりますから、また、いろいろな解釈に広がってしまうんでしょうけど、現実的に考えて、これは「煩悩」だと思って良いと思います。
実際に坐禅、瞑想(ヴィパッサナー瞑想)をしますと、「マーラ」を体感できると思います。
心とは、木から木へ飛び回る猿のようなものだとか、禅の世界にも「十牛図」というのがあります。
No.6
- 回答日時:
no4訂正です。
三十三天は挿入はするけど、風がでる。
夜摩天は抱き合うだけ。
覩史多天は手を握り合うだけ。
楽変化天は見つめ合い、笑いあうだけ。
他化自在天はみつめるだけ。
だそうです。情欲は人間に比べるとだいぶ浄化されてますが、
いずれにせよ欲望にまみれた存在です。
でも本当は1、2、4の人が言うようなことを、具体的にイメージしただけなんでしょうね。
ちなみにこの悪魔のことを中村元先生は、
「旧来の社会的基盤に依存する旧い伝統的なイデオロギーと新しい社会的基盤から生まれ出た萌え出る思惟との対立抗争の反映に他ならない」
としています。社会的な修行の妨げが多々あったということでしょう。これが、釈尊の神格化によっておっしゃるところの悪魔へと変わっていったとしています。
ちなみに仏像みると左手で衣を持って、右手で地面を指さしているのが、降魔印です。(阿しゅく等)
参考文献(手に入りやすいもの)
定方晟著『仏教にみる世界観』 第三文明社レグルス文庫(絶版かも)
同著『須弥山と極楽』講談社現代新書
中村元著『釈尊の生涯』平凡社ライブラリー
No.5
- 回答日時:
なぜ、よいひとを苦しめたり、よいことをしようとするのに、妨害するかということですね。
この問題の本質は、大変難しいものです。たとえば、旧約聖書の「ヨブ記」もよく似た側面があり、義人ヨブが、神様からたまたまいじめられる姿が書かれています。
このような「不条理」は、根源的な問いであって、なかなか、回答の見つからないものです。
しかし、そういう妨害に多々あって、なお、それを克服できたから、ある種のカリスマ性が持てたのです。人間の深みというのは、そのような責め苦から逃れようとするのでなく、それと対決していくことによってもたらされます。
何でも、すいすいとうまくトップに登った人が、ちょっと、寄ったバーの女に入れ込んでしまって一生を台無しにする人もいるでしょう。魔王は、非常に魅力的な姿で現れたりします。だから、怖いのです。
直接的な回答ではありませんが、また、調べ、考えておきたいと思います。
参考URL:http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0487.html
No.3
- 回答日時:
多分、魔はくだらない世の中、不幸な世の中を見るのが好きなんだと思います。
下劣で、だらしなく、向上心もなく、卑しい、金に執着し、物に執着し、女に執着し・・・・といった人間として苦労もなく、簡単に生きていける世の中の方が、魔にとっては住みやすいのだと思います。
物、金、女、名誉、などなど人間にとって、楽しいように思えても、それがなくなれば、すぐに不幸になってしまいます。
魔はそういった人間の不幸を見るのが好きで、安心して、世の中のそんなことを楽しんでいるのだと思います。
そんなものに振り回されている人間は簡単に制御できる、思い通りに支配できるからだと思います。
たとえば、
悟りを得ようとしている人がいれば、「あいつは女に弱いから、ひとつ、美人を送り込んで骨抜きにしてやろう」とか。
そんな企みをしてまんまとだまされれば、天から見ながら、「してやったり」と喜んでいるのだと思います。
しかし、それにも惑わされず、しかも、そういう人が増えてくれば、魔の楽しみは減ってくることになります。それは大変だと、悟りを得た人、得ようとしている人に対しては容赦ない攻撃をするのだと思います。
悟りを得た人が増えてくれば、その分、魔の楽しみが少なくなる、領地が少なくなることになります。
魔の領地を守ろうとしての働きではないでしょうか。
こんな考え方をしてみました。
No.2
- 回答日時:
私が知っている限りでは、禅宗では悪魔という言葉より煩悩という言葉がふさわしいですね。
宗教系の学校を出たのですが、仏教には悪魔という言葉はあまり使いませんね。煩悩、苦悩など自分の中の欲望を例えた言葉を使いますね。むしろ、悪魔という言葉を使うと仏教は分かり難いですよ。何故なら、己の生きることで生じる苦しみ(四苦八苦)から救うことが仏教の神髄というのか、形です。まあ、宗派によって違いますし、解釈というのは人それぞれでしょうけどね。悪魔はどちらかというと、西洋の宗教で使われるもので、いわゆるエクソシストのようなキリスト教などに多い。(一応私は、こっちも多少の知識があるのです。)
形としては、敵と味方がいる悪魔と天使がいるという考え方、これは煩悩と己の戦いを別のもので例えた物です。
仏教ではそれが、直接的な傾向にあります。
それは、釈迦(シッダールタ)の成道にあります。
シッダールタ(釈尊)の成道(悟りの瞬間)は、6年の苦行により、心身疲れた時に、スジャータと呼ばれる娘に乳粥の供養を受けその8日後だと言われます。
その間には、心の迷い葛藤があり誘惑や欲望がわいては消え、沸いては消えの連続だったと言われ、ようやくその8日目にしてよろこびを感じたとされます。
釈迦が、成道を目指した理由は、そもそも自らが王子
という立場でありながら、一歩町へ出たときに、4方の門の前でよろよろの老人や病人、死人を送る姿(葬儀)などを目の当たりにし、最後の門の前で修行僧を見たということから始まると言われます。
要は、人が病気をし、老い、死んでいく様というのを悲しみ、苦しむことについて考え、現実のはかなさを実感したのです。そして、子供も産まれ、出家することになった。そして、自ら欲望を放棄し、心のよりどころを探すことになったのです。
重要なのは、自らの欲望という点。これが、おっしゃる悪魔の部分であり苦しみでもあります。欲望は時に、人を惑わせ人を陥れることもあります。人生は、欲望と苦しみの連続であり、それらを受け入れ自ら行いを正すことで苦しみから解放されようというのが仏教の精神です。
4つの苦しみは生老病死、8つの苦しみは人と別れる苦しみ、嫌いな相手と会う苦しみ、欲しい物を手に入れられる苦しみ、そして肉体的精神的な苦しみ(いわゆる生きるというだけの苦しみ)
これは常に生じます。何をしていようが常に存在するのです。いくら、どんなに修行を積んだ人間でも、惑わされる危険があり、此岸にいる間は何かしらの煩悩が存在します。妨害ではなく、この世の摂理なのです。
そして、大事なのは世の中の救済のために、解脱、救済しようとする物というのは、その煩悩から離れるには、自ら謙虚にならなければいけません。貪る事なかれということになる。
例えば、今お金を出して人に尽くしてあげたら、明日○○があるということを求めたりすれば、それはまた見返りを求めるという煩悩(貪り)になり、苦しみの元になるのです。
釈迦は、ある国の王にこう答えたことがあります。
王が「私は、これだけ仏像を作り、お供えをしているのだから、何か良いことがあるだろうかと聞いたのです」
しかし、釈迦は「何もない」と答えたそうです。
何故そう答えたのかは、言うまでもないでしょう。
いかがでしょう。
これが、私の知る限りの仏教の教えです。
見返りを求めず、謙虚に自然の流れに身を置き、自分を見て生きればきっと幸せであろうというのが釈迦の教えです。特に重要なのは全ての人がこう考えれば、人の上に人が立たなくなるということでしょう。自分がそう考えても、人をねたんだり、嫌うことは減るでしょう。
回答ありがとうございます。
>禅宗では悪魔という言葉より煩悩という言葉が・・
確かに、そのとうりだと思います。
ちなみに、釈迦の解脱のプロセスは書籍で少しは知識として理解しているつもりなので、あしからず。
私が知りたいのはTVやアニメ?にあるように?悪魔は”地獄?”の住人ではなく意識、知性的にも人間以上で天界の頂点にいる??神々なのに・・どうして解脱、悟り、衆生の救済の妨害をするのか・・ということです。ごめんなさい(__)
No.1
- 回答日時:
釈迦が修行したのは、世の中を救済するためでなく、自分の悩みを克服するために、苦行を続けたのですが、体も弱ってきて、もうあかんと思ったとき、村の娘さんからミルクがゆをもらって飲んで、こういう修行はダメやと思ったわけです。
そこで、菩提樹の下で瞑想をしたら悟りに達したのです。しかし、このことは、絶対ひとに語っても分からない思って、説法もしなかったのです。
さて、悪魔とか魔王の本質は何かというと、精神医学的にいえば、強迫観念や不安発作などを含め、もっと広い意味では、麻原彰晃が陥ったような「魔」というものです。
悟りに向かう道は、大変多くの魔があって、たとえば、天台摩訶止観では、このような魔を避けるコツなどが書かれています。要は、悪魔も魔王も、修行者のこころの中にいるのです。
それを、宗教の本にする過程で、わかりやすく表現しようと、悪魔というものが外界にあるように見立てて説明したので、あたかも、悪魔が実在していたような錯覚に陥ってしまうのだと思います。まあ、説明のための方便です。
参考URL:http://butsuzo.cside.com/buddha/html/bsyaka.html
早速の回答、ありがとうございます。
>村の娘さんからミルクがゆ・・を修行はダメや・・
これはある本の一説?を読むと『いままでに私以上の苦行を経験したものがいるだろうか』とこれ以上の苦行の意味のないことを理解し、中道に入る瞬間?、スジャータの供物乳粥を食べたものと思われます。
ごめんなさい。私が知りたいのは、この後の出来事。
この後で、悟った釈迦が瞑想に入った瞬間、魔王?の大地に地震がおき(詳細省略)そのあとで悪魔の手先?化身をいかせて解脱、悟りを妨害しようとした意味です。
よろしくお願いします。
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