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第一審裁判所において弁論主義違背に相当する判決があった場合、控訴審裁判所において異議を申し立てするにはどのような手続が必要ですか?

例えば、第一審で労働者が解雇を無効として元雇用主を提訴したとして、元雇用主が普通解雇しか主張していないのに、裁判所が懲戒解雇を認定したら、これは弁論主義違背だと思うのですが、この場合、控訴人は控訴理由書で原審裁判所において弁論主義違背があったことを主張するだけでよいのでしょうか。それとも何か特別な手続が必要になりますか?

A 回答 (9件)

>例の件をともかくまとめるとすると、弁論主義違背をまず先に出して、「仮に弁論主義(当事者主義)のみをもって事案の解決をはかるのは無理があるとしても、原審裁判所はその修正のための職権として認められた釈明義務、職権探知義務さえ果たさず、争点整理時に主要事実を明らかにしないまま証拠調べに入り、当事者の主張しなかった解雇理由を基礎として判決を出したのだから、少なくとも審理不尽の違法を犯したものというほかなく、この違法が判決に影響を及ぼすことは明らかであるから、原判決は破棄されるべきである」、といった感じなんでしょうか・・・?



 それでよろしいかと思います。
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この回答へのお礼

有用でご親切なアドバイスをいただき感謝いたします。無知な私にとっては大変参考になり、また自分の頭の整理もできました。ありがとうございました。

お礼日時:2004/12/09 20:24

>そもそも、被告原告裁判所すべてがきっちり事件の争点と法律問題をわかっていれば、訴訟開始後、かなりたって出てきた証拠や論点が主要事実になったり、それが争点整理前に整理されてなかったりするなんてことは起こるはずがないわけで。



 裁判所が適切に訴訟指揮をしていれば、そのような事態は防げるはずです。訴訟指揮というと、何か命令的な語感ですが、審理のマネージメントという意味が捉えるのが適切だと思います。審理が充実したものになるかどうかは、当事者の意識、協力も必要ですが、やはり裁判所(裁判官)のマネージメント能力によるところが大きいと思います。
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この回答へのお礼

再々にわたりコメントいただきありがとうございます。
労働裁判なんかで労働者のマネージメント能力欠如で解雇有効とのたまわれる判事殿ご自身のマネージメント能力が一番欠けてたりするとまあとにかく全然説得力がないんですよね(笑)
それはともかく、例の件をともかくまとめるとすると、弁論主義違背をまず先に出して、「仮に弁論主義(当事者主義)のみをもって事案の解決をはかるのは無理があるとしても、原審裁判所はその修正のための職権として認められた釈明義務、職権探知義務さえ果たさず、争点整理時に主要事実を明らかにしないまま証拠調べに入り、当事者の主張しなかった解雇理由を基礎として判決を出したのだから、少なくとも審理不尽の違法を犯したものというほかなく、この違法が判決に影響を及ぼすことは明らかであるから、原判決は破棄されるべきである」、といった感じなんでしょうかね・・・?

お礼日時:2004/12/08 00:09

>通常の釈明権の不行使の問題は、仮に会社(被告)側が法律知識が欠落していたと仮定した場合に、会社側が普通解雇事由を主張しないことによりもし敗訴した場合、裁判所が普通解雇事由があることを指摘しなかった義務違反を主張するという意味かと私は思っていたのですが



 確かにおっしゃるとおりです。
 私の書き方が悪かったのですが、裁判所が普通解雇事由に該当すると判断した場合、それに気づかない原告に対して、必要な反証をするかどうかの確認、あるいはするように促す義務があるという意味で、原告に対して釈明権を行使すべきであると考えます。ただ、被告の主張が、あくまで懲戒解雇としての主張なのか、それとも普通解雇も予備的に主張しているのか、あるいは、それに変更するのかについて、被告に対しても釈明権を行使する必要はあると思います。
 ご相談者の例は、私も結構悩みました。弁論主義と釈明義務の関係、さらに法的観点指摘義務(法律上の主張に対する釈明義務と考えるのか、釈明義務とは別の義務と考えるのかという問題もあると思いますが。)に関わる非常に難しい問題だと思います。実際の訴訟では、悩まないで弁論主義違反、釈明義務違反等と考えられるものを全部主張すればいいのでしょうけど。(笑)
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この回答へのお礼

>実際の訴訟では、悩まないで弁論主義違反、釈明義務違反等と考えられるものを全部主張すればいいのでしょうけど。(笑)

それはそうなんですけれど、それが逆効果になるだけなのが、実際の訴訟実務でもあるような気がするんですよね。。。
論点や争点が増えるだけで、法的にきっちりとした構成ができてないと、結論だけ裁判所に決められて、細かな論点は全部スルーされると。
そもそも、被告原告裁判所すべてがきっちり事件の争点と法律問題をわかっていれば、訴訟開始後、かなりたって出てきた証拠や論点が主要事実になったり、それが争点整理前に整理されてなかったりするなんてことは起こるはずがないわけで。
お互いがぐちゃぐちゃと言いたいことを準備書面で書くだけのぐちゃぐちゃとした訴訟を最後の最後でえいやっと結論決めてそれに合わせて事実認定までいじられると、特に敗訴する側にとっては「やってられない」ですよね

お礼日時:2004/12/07 00:51

 ご相談者の指摘は、非常に鋭いと思います。

確かに当事者の主張の仕方、内容によっては弁論主義違反になりえますが、すべてを弁論主義でカバーするには限界があります。
 被告は、雇用契約が懲戒解雇により終了したことを主張(法律上の主張)するため、懲戒解雇事由に該当する事実として、あるいは、懲戒解雇事由に該当する事実を推認させる事実として「労働者は普段から勤務態度も成績も悪かった」と主張したとします。
 ところが、裁判所の視点からすると、被告は意識していないが、一生懸命、通常解雇の事由に該当する事実を主張していると判断するに至ったとします。そうすると、被告の法律上の主張は誤っているからといって、雇用契約を終了させるという法律効果を発生させる事実を主張していないことになるのか問題です。
 そうはいっても、原告にとって不意打ちになる可能性は否定できません。そこで、弁論主義違反を主張するよりも、裁判所の釈明義務違反、あるいは、法的観点指摘義務違反を主張した方が、より適切だと思います。
 本件では、裁判所は被告に対して釈明権を行使して、あくまで、懲戒解雇を主張するのか、それとも通常解雇の主張に変更、あるいは予備的に主張するか釈明を求め、それに応じて原告に十分な防御の機会を与えるべきだったと考えます。

>審理不尽というのは、控訴よりもむしろ上告理由として使われることが多いと思うのですが

 上告事由(上告受理事由)が限定されていますので、審理不尽の主張が良くされます。控訴の場合は、事実誤認を理由にすることもできますので、審理不尽という法令違反を理由にする必要性が上告に比べて低くなりますが、審理不尽や釈明義務違反の場合、審級の利益の観点から、第一審判決を破棄して、事件を第一審に差し戻しすることがありますので、主張しておく意味はあります。
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この回答へのお礼

ご丁寧なご解説をありがとうございます。

通常の釈明権の不行使の問題は、仮に会社(被告)側が法律知識が欠落していたと仮定した場合に、会社側が普通解雇事由を主張しないことによりもし敗訴した場合、裁判所が普通解雇事由があることを指摘しなかった義務違反を主張するという意味かと私は思っていたのですが(但し通説では積極的釈明については裁判所は必ずしも釈明義務を負うとはされていないと聞きました)、この場合、原告側が釈明権の不行使を上訴理由にできるのですか?

要するに、通常、釈明義務は裁判所から釈明を求められる人(この場合会社)に対する義務であり、この場合は原告(労働者)は釈明を求められる人ではないので、自分ではなく相手方に対する釈明権の不行使を、自分の上訴理由にできるのかということなのですが・・・。

お礼日時:2004/12/06 21:46

>弁論主義がどこまでをカバーする概念であるのかについて、法規や判例上の根拠は存在するのでしょうか。



 弁論主義の中身は、3つありますが、ここでは弁論主義の第一テーゼが問題になります。民事訴訟法で、弁論主義の第一テーゼを直接的に規定した条文はありませんが、民事訴訟法の特別法である人事訴訟法第20条で当事者が主張していない事実を裁判所が斟酌できると規定していることから(職権探知主義)、一般法である民事訴訟法では弁論主義の第一テーゼが採用されていると解されています。
 「当事者で主張されていない事実は、裁判所は裁判の基礎としてはならない」とする第一テーゼの中身から分かると思いますが、弁論主義の対象は「事実」です。(主要事実に限られるのかか、それとも間接事実や補助事実も含まれるかは、争いがありますが。)
 一方、「汝、事実を語れ、さらば、我、法を語らん。」という法格言があるように、法規の解釈及び適用は裁判所の職責ですから、当事者の法律上の主張は、法の適用や解釈の当事者の意見であって、(主要)事実の主張ではありませんので、弁論主義の対象にはなりません。
 例のケースでいえば、「会社や上司に対する反抗」という事実が主張されている以上、それを認定しても、弁論主義違反にはなりません。しかし、次のような理由で、一審判決を批判することは可能でしょう。

1、被告が主張するそのような事実は証明されていないのに、裁判所がその事実を認定したのは事実誤認である。
2、就業規則の懲戒解雇事由に関する裁判所の解釈に誤りがある。あるいは、「会社や上司に対する反抗という事実」が、就業規則の懲戒解雇事由に該当するというのは、法規の適用を誤っている。

>例のケースでは原告側の反論や反証が不十分になってしまい、不意打ち的な判決が出されることになってしまうような気がします。

 民事訴訟法学で言う、法的観点指摘義務の問題になるでしょう。前述のように、法律上の主張は、裁判所にとっては参考意見に過ぎません。しかし、当事者がある法的観点から、ある法規の適用を前提として争っているのに、裁判所が同一の事実関係から別の法的構成をする場合、裁判所は、その法的観点を示して、当事者にそれについての攻撃防御の機会を保証して、審理を充実させる責務があるのではないかという問題です。裁判所の釈明義務の問題とも言えます。
 裁判所の釈明義務は、当事者の責任とされる事実上の主張について、裁判所がどの程度関与すべきかという弁論主義の修正にかかわる問題でしたが、法律上の主張に関しても、一定の場合、裁判所に釈明義務があるのではないかというのが、法的観点指摘義務の問題です。
 例のケースで法的観点指摘義務の問題になるかどうかは別としても、争点となっていない懲戒解雇事由について、当事者に十分に攻撃防御の機会が与えられていないとすれば、前述の控訴理由に加えて、審理不尽(必要な審理を尽くしていないこと。)を理由にすることもできるでしょう。 

この回答への補足

(続き)
このような場合にも裁判所の弁論主義違背が問えないとすると、当事者(この場合は原告)の受けた不利益はどのようにして救済される余地があるのでしょうか?

補足日時:2004/12/05 17:01
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この回答へのお礼

再度の補足ありがとうございます。
審理不尽というのは、控訴よりもむしろ上告理由として使われることが多いと思うのですが(控訴審では審理不尽の違法というより、むしろ新たな争点に対する反論が中心になるのではないでしょうか)、この場合、私はむしろ、かかる不意打ち的な判示をした第一審判決自体が棄却されるべきだと思うのです。

例を少し変えて、例えば雇用主が労働者を会社に対して損害を与えたという理由で懲戒解雇し、労働者が解雇無効で提訴したとします。提訴後かなりの期間が経過してから、雇用主が労働者の勤務評定記録をその労働者の普段の勤務態度を示す間接証拠として提出し、労働者は普段から勤務態度も成績も悪かったと主張し、労働者は証拠の提出経緯やその内容などからその真正を争ったものの、あくまで主要事実の争点ではないし内容評価もできないという観点から、それ以上の無理はせず、勤務評定記録については直接の争点とはされないまま証拠調べに入ったとします。
判決に至り、裁判官が、懲戒解雇事由は存在しないと認定したものの、訴訟の途中で提出された勤務評定記録を証拠として雇用主が主張していなかった勤務成績不良を解雇事由と認定し、普通解雇事由があるから解雇は有効という結論を導いたとします。
そうすると、原告側にとっては以下の不利益が発生します。
(1)雇用主が勤務評定資料を提出すると同時に成績不良を解雇事由と主張していれば、時機に遅れた攻撃防御方法の提出として却下の申し立てをしていたのにその機会を逸したこと。
(2)勤務評定資料が主要事実の基礎となる証拠だとわかっていれば反証のための活動をもっと積極的に展開していたであろうに、時間の経過とともに関係者の記憶が薄れるからその機会を逸したこと。
(3)その勤務評定の内容が成績不良を示すものとはいえないという法律論を充分に展開する機会を第一審にて奪われたこと。
上記のうち、(1)と(2)については、たとえ控訴審で審理が継続されたとしても、労働者側にとっては回復できない不利益になってしまいます。
そもそも、控訴審で審理継続が可能といっても、不意打ち的な敗訴判決を受けたということ自体が控訴人側にとって不利ですし、訴訟の長期化に関する不利益も生じています。(続く)

お礼日時:2004/12/05 17:01

 たとえば、甲事実が無断欠勤・遅刻だとして、何ら主張されていない乙事実(例えば、会社の金員を横領したという)を認定したということでしたら、弁論主義に反します。


 しかし、無断欠勤、遅刻といっても頻度や期間等によっては、懲戒解雇の事由に該当する場合もあるでしょう。
 無断欠勤という事実の有無や程度に関する主張は事実上の主張ですから、弁論主義の適用があるのに対して、その無断欠勤の事由が普通解雇事由に該当するか、懲戒解雇の事由に該当するかは、法律上の主張ですから、弁論主義の適用はありません。
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この回答へのお礼

ご説明ありがとうございます。
しかし、勤務態度不良が、例えば「会社や上司に対する反抗」といった遅刻欠勤などより漠然としたものであった場合、原告側は、事実に関する認否と反論を加えるとともに、法律面においても解雇事由とはなりえないことに反論を加えようとするでしょう。

もし、法律面の主張について、弁論主義の適用がないとすると、通常、証拠調べ前の争点整理は原告と被告の主張にそって行われますから、例のケースでは原告側の反論や反証が不十分になってしまい、不意打ち的な判決が出されることになってしまうような気がします。

弁論主義がどこまでをカバーする概念であるのかについて、法規や判例上の根拠は存在するのでしょうか。もしありましたらご教授いただけましたら幸いです。

お礼日時:2004/12/04 23:20

>原審において控訴人は懲戒解雇事由が「ない」ことを主張していたとすると、これは原審において「主要事実について控訴人からは主張されていない」と理解してよいのでしょうか?



 その通りです。
 甲という主要事実は当事者から主張されているが、裁判所が当事者から主張されていない乙という主要事実を認定して、乙事実があることを理由に懲戒解雇を認定すれば弁論主義違反になります。
 しかし、被告が普通解雇該当する事由として甲という主要事実をしたが、裁判所が甲を懲戒解雇に該当する事由として認定することは弁論主義違反にはなりません。被告の甲事実が普通解雇事由に該当するという主張は法律上の主張なので、裁判所はそれに拘束されません。
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この回答へのお礼

すみません、まだ、事実の認定と主張の関係がいまいち理解できていないようです。

上記の例の前提のままで、以下の補足前提をおきます。
(1)争いのない事実として、被告の就業規則の第1項に普通解雇事由が、第2項に懲戒解雇事由が列挙されていた。
(2)被告は、陳述書A(証拠)を提出し、陳述書Aの記述が真実であることを主張し、これによって甲という事実(勤務態度不良)を主張しこれが就業規則第1項の普通解雇事由に該当すると主張した。
(3)裁判所は、被告の主張のまま争点整理を行い、被告はそれを追認した。
(4)判決に至り、裁判所は陳述書Aにより乙という事実(会社に重大な損害を与える背任行為)を認定し、就業規則第2項の懲戒解雇が相当であると判示した。

これは弁論主義違背にはならないということでしょうか?

お礼日時:2004/12/03 23:47

>それに合わせて主張を変えてきた場合、控訴審裁判所ではどのように扱われるのでしょう?



 ご質問の内容は、「当事者が口頭弁論において主張していない事実は、裁判所は判決の基礎としてはならない。」という弁論主義(第一テーゼ)の問題ですが、弁論主義の適用が事実とは、主要事実を指すと解されています。また、当事者が主張すれば良いですから、原告又は被告のいずれか一方から主張されればよいわけです。
 第一審で、原告及び被告が主張していないある主要事実を、控訴審の口頭弁論で、被控訴人が陳述すれば、当事者からその主要事実の主張があったことになるますから、弁論主義違反を理由に原審の判決を破棄することはできません。あとは、その主要事実について争いがあれば、証明があったかどうかの問題になります。
 もっとも、被控訴人のその陳述が、時機に後れた攻撃(防御)方法として却下された場合(第157条第1項)、主要事実が主張されていないことになりますので(もちろん、控訴人からも主張されていないことが前提です。)、原審の判決は、弁論主義違反として、破棄は免れません。
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この回答へのお礼

ご回答いただきありがとうございます。

>主要事実が主張されていないことになりますので(もちろん、控訴人からも主張されていないことが前提です。)
これを、質問の例に戻って具体的に考えると、
「原審」
・雇用主(被告):普通解雇を主張
・労働者(原告):普通解雇事由はないことを主張(予備的に懲戒解雇事由もないことを主張)し、解雇の無効を主張
・判決:懲戒解雇事由があることを認定し、解雇有効と判示
「控訴審」
・雇用主(被控訴人):懲戒解雇を主張

この場合、原審において控訴人は懲戒解雇事由が「ない」ことを主張していたとすると、これは原審において「主要事実について控訴人からは主張されていない」と理解してよいのでしょうか?

お礼日時:2004/12/02 21:58

ご指摘の通り、弁論主義(処分権主義)違背を理由として控訴すればよいと思います。


民事控訴審は続審ですから控訴審で容易に是正されます。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
ちなみに、もし相手方が第一審の裁判官の違背行為に便乗して、それに合わせて主張を変えてきた場合、控訴審裁判所ではどのように扱われるのでしょう?

お礼日時:2004/12/01 22:30

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