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ミサイル防衛とは?ABM条約とは?それぞれの内容を知りたいです。アメリカの一国主義が問題になっていますが、この二つはよくセットで取り上げられますよね。最近になって(この年齢になってようやく)新聞をわりとちゃんと読むようになった主婦です。今回のは、毎日読んでいるのにちっともわからないことのうちのひとつです。おしえてgooには初めて質問します。こんな便利なものができたんだー!どなたかよろしくお願いします。

A 回答 (2件)

>ミサイル防衛は、アメリカの決めたアメリカのためだけのシステム、なわけですね?


「ミサイル防衛はアメリカだけのシステムではない。」とアメリカは、とりあえず言っています。民主主義を守るためのものだから、欧州やアジアの諸国家(特に日本)も協力して欲しいと主張するのですが、欧州、特にドイツとフランスは、そのようなアメリカの主張に同意していません。むしろ反対しています。その理由は色々あるのですが、まずミサイル防衛によって核の開発競争が激化する恐れがあること、またアメリカに主導をとらせたくないこと、などが考えられます。

>そうするとABMは、....1箇所だけね」、と両国が結んだ条約の事、と考えていいのでしょうか?
はい、そう思って結構です。

>弾道弾って、ミサイルの通り道は海中?空中?いずれかひとつだけだったわけですよね、ABM条約の上では。
弾道ミサイルの通り道は、大気圏(宇宙に近いところ)です。「海中」や「空中」というのはミサイルを発射するところ(つまり発射基地)という意味です。

>それを、海上だろうが宇宙だろうが....アメリカの目論見は?
すみません。こちらの質問の意味が良くわかりません。

>ABM条約には、どちらかが一方的に破棄できる条項があるなんて、ほとんど意味ない条約(はりぼての虎みたいなもの、かな?)だったわけですよね?
ABM条約に限らず、条約というものには、必ず破棄条項が含まれています。ですから、その条項に従えば、アメリカが一方的に「一抜けたっ!」と言っても、非難されるのは、理不尽なことです。(法律上はそうなります。国際関係では道徳的なことが通じず、冷徹です。まず国益を優先する。)

>なぜ、ABM条約をグレードアップしないのか、じゃなければ「ミサイル防衛」を米ソ両国の条約に変えてしまえば、これで対等になるんじゃないか。
ABM条約を改正するのか、あるいはいったん破棄して、新たなミサイル防衛に関する条約を締結するのかは、これからの米露の交渉次第です。あなたのおっしゃる通りです。なおもう少し踏み込んだ見方を述べると、ミサイル防衛に関する技術は圧倒的にアメリカの技術が優勢ですから、ロシアはどうしても交渉は不利です。そのために中国や北朝鮮と仲良くなって、アメリカに圧力をかける外交手段をますます取っていくことでしょう。あるいはロシアが現在持っている弾道ミサイルを改良して、アメリカのミサイル防衛に打ち落とされないようにするかもしれません。こうなったら冷戦時代の再現です。(でも私の見方は、ロシアの経済情勢を考えると、ミサイルを改良するお金もないので、その再現の可能性は低いと考えています。)
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この回答へのお礼

colonelさん、どうもありがとうございます。(お返事遅くなりました!週末パソコン見られなかったので)
「中国や北朝鮮と仲良くなって、アメリカに圧力をかける外交手段をますます取っていくことでしょう。」ロシアが今北朝鮮と仲良くしようといろいろ働きかけてますね、まさしくcolonelさんのおっしゃるとおり!勉強になりました。新聞を読んでいてその事件の背景とかがわからないと、その記事自体、何度読んでも理解できないのですが、この便利なツールを知り、これからもときどき利用させていただこうと思っています。ありがとうございました!!

お礼日時:2001/08/06 20:55

この質問に正確に答えるように試みると、すごく複雑で、本1冊を書くくらいの分量になります。

そこで、敢えて不正確を承知で、ご説明しますと、
「ミサイル防衛」とは、アメリカ本土、外国に駐留する米軍およびアメリカの同盟国を守るために、敵対国から発射されたミサイルを打ち落とすためのミサイル・システムです。これまでTMDとNMDに区分して議論されていましたが、ブッシュ政権になってからは、特に区分せずに、MD(ミサイル防衛)と呼称しています。
「ABM条約」は冷戦時代にアメリカとソ連が結んだ条約です。ABMはanti-balistic missileの略で、「弾道弾迎撃ミサイル」とも訳します。その内容は、先ほど説明したものとほぼ同じで、敵対国から発射されたミサイルを打ち落とすもので、現在のミサイル防衛構想と違うのは、守る対象がアメリカ本土だけでした。(ですから同盟国などの防衛は考えていなかった。)このABMは当時(約20年前)の技術では不可能でしたが、条約だけは先行して締結されました。
ミサイル防衛とABM条約がリンクして、現在論議されるのは、ABM条約では、ABMのための基地は1箇所に限定され、かつ海上および宇宙での基地は禁止されていたためです。ミサイル防衛では、アメリカ本土に最低6箇所以上、かつ国外、海上の艦艇、および宇宙の衛星からのミサイルの打ち落としも考えられていますから、明らかにABM条約に違反するわけです。
なおこのABM条約には、中ソどちらかが一方的に破棄できる条項があるために、もしアメリカがこの条約を「破棄する」と宣言すれば、ABM条約は失効します。ロシアから見れば、アメリカのこのような態度は一方的すぎますので、周り(つまり世界、地球全体)のことを考えない「一国主義」と批判しているわけです。

この回答への補足

ご回答下さり、ありがとうございます。専門家の方からお答えいただけるなんて、すっごくうれしくて感激しています、ホントです!

もうちょっと教えていただけますか?

ミサイル防衛は、アメリカの決めたアメリカのためだけのシステム、なわけですね?
そうするとABMは、米ソが冷戦時代にらみあっていた頃に、お互いに手を出さないために、話し合って、「じゃあ両国ともそれぞれミサイル防衛の基地を作っていいことに決めよう、ただしお互い1箇所だけね」、と両国が結んだ条約の事、と考えていいのでしょうか?弾道弾って、ミサイルの通り道は海中?空中?いずれかひとつだけだったわけですよね、ABM条約の上では。それを、海上だろうが宇宙だろうが基地を作れる、だから、空中からも海上からも海中でもミサイルを発射できる、発射方向は他方向で制限無しにする、というわけですね、アメリカの目論見は?

しかもABM条約には、どちらかが一方的に破棄できる条項があるなんて、ほとんど意味ない条約(はりぼての虎みたいなもの、かな?)だったわけですよね?それをソ連(ロシア)は忠実に守ってきたのに(?)、アメリカから一方的に「一抜けたっ!」は「ずるい!」と非難するのはわかる。だったらなぜ、ABM条約をグレードアップしないのか、じゃなければ「ミサイル防衛」を米ソ両国の条約に変えてしまえば、これで対等になるんじゃないか、などと世間知らずの私は思ってしまうのですが、どうなのでしょうか・・・?

補足日時:2001/08/01 21:13
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