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なぜ昔は、陛下・殿下・閣下・お殿様・お屋形様・お部屋様・御所様など貴人を建物などの名称で呼んだのでしょうか?

A 回答 (2件)

 世界中の大半の民族にある習慣のようですが、名前というのは聖性を帯びるものであるために、軽々しく人に教えたり、また他人が呼んだりしてはいけない、と古代においてはされていたようです。

万葉集などに見られる風俗ですが、「名を訊く」ということがそのまま求婚の意で用いられたこともあります。名前を教えあうような親しい仲というのは夫婦のような間柄でしかありえない、ということなのでしょう。今でも「のろいをかけられてしまうから」という理由で名前を教えるのを嫌う民族はたくさんありますし、日本でも「人を(苗字でなく)名前で呼ぶのは失礼(子供や親しい人、目下の人にのみゆるされる)」という風習にかたちをかえて残っています。
 貴人を場所や建物の名で呼ぶのはこのためです。名前を使わずに、しかしある人物を特定するには住所か地位で呼ぶのがもっとも適しています。前者が「淀君」式の言いかた、後者は地位を建物が象徴的にあらわすことが多いので(建築物は権威の象徴)、「御所さん」式になるわけです。
 こういった婉曲語法は貴人に限りません。小さい子供が何人もいるおじさんを呼び分けるのに「太郎おじさん」とせずに「神戸のおじさん」とするのは、こういう文化的な伝統が知らず知らずのうちに無意識に作用するからでしょう。役者を住所で呼ぶことも同様。亡くなった松緑を紀尾井町というのがその例です。現代では直接肩書きを呼んで(「首相!」)正確を期すようにはなってきていますが、まだまだ廃れていない風習です。
 ちなみに苗字もこうした生まれてきたものです。たとえば藤原氏の一族の者が「中村」という村に住んでいる。それを「藤原ナニガシ」と呼ぶのは失礼に当たるが、しかし同族の間で名前を呼ばないのは不便である。そこで住所を屋号がわりに使うようになったのが固定化して、武士の苗字というものができたわけです。ナントカ家のもとをたどると源氏、なんていう家系伝説はこうした苗字の発生を前提にしています。
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この回答へのお礼

御回答ありがとうございました。
丁寧に解説して頂きありがとうございました。

お礼日時:2004/12/14 16:11

 こんにちは。



 理由があります。例えば、

・昔は貴人(特に女性)は本名を人に知らせなかったんですね。特に平安時代はそうですね(清少納言、紫式部など、全て位や役職で呼んでますね)
 ですから当時は、一般の人は、例えば「ねね」さんが「ねね」さんと言う名前であると言う事を知らなかったんですね。

・天皇の場合ですと、生前は名前がありませんでした(今でも天皇としての名前はありません)。存命中は「今上天皇」と言います。崩御されてから「○○天皇」と言う名前が贈られるんですね。

・昔は、貴人の名前を呼ぶことは、一般の方にとってはタブーでしたから、貴人のお世話係の人は、その仕えている人の住んでいる建物で呼んだんですね。

・昔は、側室がいましたが、名前が呼べないため、住んでいる建物の名前などで区別していたんですね。 (「お茶々」→「淀君」。この場合は、地名で呼んでいる例ですが)

 多分、他にもあるでしょう。
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この回答へのお礼

早速の御回答ありがとうございます。
よく分かりました。

お礼日時:2004/12/14 16:10

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