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東源正久の包丁を使っています。今までこの包丁しか使った事がないのですが、最近、柔らかい気がするのです。
正本や有次、杉本の包丁と比べて硬さはどうなんでしょうか?今度、本焼きを買おうと思っているので、それぞれの特徴などがわかりましたら教えてください。

A 回答 (5件)

こんばんは。

#1ですが、お困りですね。
経験者・・・金属材料の分野のものです。
○本焼きとは、刃体全てが鋼ですが、付刃(霞焼き)に比べ硬度が高いと言うことはありません。同じ鋼で鍛接したのと全鋼では、焼入れしても差はありません。
○付刃(霞焼き)の場合、磨耗しやすい無炭素鋼(地鉄)が鍛接されています。それゆえ研ぎでは地鉄がはやく研磨され、鋼はゆっくり研磨されていきます。地鉄が減った分角度が付くので、刃角が小さく(鋭く)なりやすい、刃がつきやすいんです。
○本刃でも付刃でも刃角がよければ、切れ味は同じです。東源がおっしゃるのは正しいのです。刃角を保ちシノギをきちんと出せば問題がありません。
質問者さんはシノギをきちんと出してますか?
○本焼き(全鋼)の場合は、研磨する刃体全てが硬度が高いため、軟らかい部分がない分研ぎにくいのです。
○本焼きが高いのは、全体が鋼だと言う理由がです。利用する鋼材卸では、(業務卸)で青紙1号で約白紙の3倍です。

>知人や親方は正本や有次は硬いと言ってました
※親方がおっしゃる、「何処の刃物が固い」というのは、おそらく「同じ鋼でも硬さが違う」ことが原因だと思います。
つまり、全く同じ鋼(青鋼でも白鋼)でも、鍛え、熱処理で鋼の硬さが違ってきます。越後鍛冶は固め、安芸鍛冶は粘りが強い等、各地域で違いがあります。鍛冶の鍛え、熱処理で「味」が違うと言う事だと思います。鋼材の種類による硬さはあてにならない事が多々あります。

※白紙にするか、青紙にするか・・・、
これは難しいんです。耐摩耗性は白(炭素鋼)<青(合金鋼)なんです。硬度は、実際試験をすれば、包丁にした場合はあまり変化がないんです。日立金属では完全焼入れと言う焼入れの結果ですが、実用的な硬さにするためには、加工時に焼きを少し戻すため、結果としてどちらも硬度が同じになります。
ただ、スーパー青紙、青紙1号は、料理人の繊細な作業には、脆さ、対磨耗性が邪魔して繊細な刃付けが難しくなります。白紙1号は加工の難しさから、鍛冶の作品にムラがでます。選ばねばなりません。
私なら青紙2号、白紙2号が何処の鍛冶の物を選んでも失敗がない、実用的のように思います。
全鋼、付刃(霞焼き)、どんな鋼材でも同じですが、長く切れるのは、元に(2段刃、3段刃)刃筋を付けて研げば良いと思います。
>正本や有次は硬い
鍛冶職人の鍛え、熱処理の差(味)があると思うので、付刃(霞)の包丁を1本試しに買ってみたらいかがでしょうか?
また、白紙2号でも毎日研がない(研ぎすぎない)名料理人は沢山いますよ。刃こぼれが無ければ柳刃で中砥(キング砥石800~1000番・・・番号は砥石の荒さ)で研ぎ始め、仕上げ砥(キング砥石4000~10000番・・・黄色っぽい)で良いと思います。京都の天然の青砥の名品があればそれで仕上げに十分と言う料理人がけっこういます。(砥石の販売サイトで詳細を聞いてみてください)
参考になれば・・・。
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この回答へのお礼

こんばんは、わかりやすい回答ありがとうございます。
皆様のアドバイス、本当に助かります。
今日、東源で本焼きの柳刃(青紙2号)と薄刃(青紙2号)を注文してきました。霞は今まで使ってきたので、柳と薄刃は本焼きにしてみました。
東源のおっちゃんが言うには、今造っているのは『カン打ち?』といって縁起が良い物らしいです。
出刃は手荒に使うことが多いので、もったいないから霞にしようかと思います。
せっかくだから有次で買ってみようかと思います。
いろいろと親切にして頂きありがとうございました。

お礼日時:2005/02/24 01:28

こんにちは 


 普通職人さんたちがいう「堅い、やわらかい。」は
刃が持つ持たないと言う意味で使います。
 わかりづらい話をしますが、刃がやわらかい方が
鋭くなるのですが刃持ちがしません。なまくらは別問題です。刃持ちがする包丁は長時間、切れ味が永続するのですから確かに便利です。
  しかし刃持ちのしない包丁で試行錯誤することよって、微妙な力加減を学んでから刃持ちのする包丁を使えばより長時間切れ味が永続します。
  これが使いこなすという意味の一つです。こんなことを言われてもチンプンカンプンですよね。
  本焼きはいいですよ。刃から伝わる振動が違います。あまり振動が伝わってくる切り方をしていてはだめなのですが。
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この回答へのお礼

こんばんは
本焼きはいいですか~!!
やっぱり本焼きかな?!
東源のおやじさんも『腐っても本焼き』って言ってました。
せっかくですので頑張って本焼きを買ってみます。
アドバイスありがとうございました。

お礼日時:2005/02/25 01:02

捕捉に対してお答えします。


説明の不足があり申し訳ありません。
♯6000~8000というのは砥石の粒度のことで通常家庭包丁レベルでは♯1000~2000あたりでの仕上になります。
(刃を触ったときにわずかなざらつきが残る程度)
ただ刺身を引いたりする場合どうしても角がなれてしまうので粒度の細かい砥石で仕上ています。
(♯6000ぐらいでかみそり程度の刃はつきます)
刀剣用の砥石の細名倉ぐらいの粒度でしょうか・・・
本焼きと霞の違いですが単純に言えば本焼きは鋼無垢のもので、霞は鋼と軟鉄を鍛接したものです。
刃部にあたる部分はどちらも鋼であることは同じですが
硬さの点では本焼きのほうが硬くゆえに切れのもちはよいですが研ぎは難しいです。
(本焼き包丁は持っていませんが研ぎはしたことがあるんで・・・硬いだけに多少はいい刃がつきます。刃もちについては自分で使用はしていないんで理論的な話ですが^^;)
ただ工程的に難しいようで高価です。
青鋼と白鋼の違いですが青鋼はタングステンやクロムなどを加えて対磨耗特性などを上げた刃物鋼で白鋼は基本的に純粋な炭素鋼のようです。
私の経験上、青紙スーパー鋼は怖いほど切れる刃をつけることができました。(家庭用仕上砥石♯1500ぐらいでも産毛を剃れるくらいに仕上がります)

これらのことから本焼き・霞の長所短所をまとめると
1.本焼きは霞に比べ硬度があるので切れ・刃もちはよい
2.霞は本焼きに比べ研ぎやすい(但し研ぎの頻度は必要)
3.本焼きは工程的に難しいため高価である
といったあたりですね。
あとは鋼の種類とご予算で選ばれるのがよいと思います。

なお前記のように私は日常本焼きの包丁は使用していないので数回使った程度の感想であることをご了承ください。
鋼の種類については率直な感想です。

ご参考までに日立金属カタログ(青・白鋼等の刃物鋼)のPDFファイルがHPにあったのでURLを記載します^^。
(日立金属の回し者じゃないですよ念のため^^;)

参考URL:http://www.hitachi-metals.co.jp/pdf/cat/hamono_d …
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この回答へのお礼

早速の回答ありがとうございます。月曜日に築地に仕入に行ったついでに東源に寄ったところ、本焼きも霞も鋼は全て青紙という事がわかりました。グレードが1,2,3号とあり、青紙スーパー鋼がどのランクかわかりませんが、多分1号でしょうね。
さすがに本焼きの青紙1号となると高いですね!柳の1尺1寸で12万は越えます。薄刃も欲しいので青紙1号の本焼きは買えません。でも本焼きを使ったことがないので、せっかくだから青紙2号あたりで試してみたいと思います。
出刃は霞の青紙1号でも買ってみようかな!?
#6000~8000は砥石の事だったんですね(^^;
砥石は何種類か持っているのですが、こちらももう少し勉強してみます。
この度は、貴重な回答ありがとうございました。

お礼日時:2005/02/23 02:31

料理は趣味程度なので的を射てなかったらすいません^^;


ただ魚料理は好きなので包丁は常に♯6000~8000くらいでは仕上ています^^
最近柔らかくなってきたとのことですが以前は硬かったのでしょうか?
もしそうなら火を使ったときにそばに置いてしまったとかは無いでしょうか?
まれに焼きが戻ってしまうことがあります。
あとは研ぎの際、刃角を変えてしまったとかはありませんか?
鋭角の刃角を鈍角にしたり丸刃気味に刃付けしてしまうと
もったりとして柔らかい当たりを感じてしまうかもしれません。
焼きが戻ってない限り、鋼の硬さは変わらないはずなので(均一に焼きが入ってない安物であれば考えられますが・・東源正久ではまず無いでしょうし^^;)
刃角を変えてみると戻るかもしれないですよ^^。
私の所有の和包丁はすべて霞で本焼きは無いのでよけいなおせっかいかもしれませんが、無理に高価な本焼き包丁を買わなくてもよいかと^^;(美しさを求めるなら否定はしませんが^^)
切れ味を求めるなら白鋼の本焼きより青鋼の霞のほうが実用的かと思います。
ちなみに私は抜刀(真剣試し斬り)をやっているのですが
真剣は玉鋼という鋼を使っており包丁鋼より柔らかめなんですよ^^;
でも切れ味って半端じゃないんで・・・
必ずしも硬いほうが切れるって訳では無いようですよ^^;
硬さだけで言うなら粉末ハイス鋼系の鋼のものLRC64~70といったあたりの驚異的硬さがあります。

この回答への補足

こんばんは、丁寧な回答ありがとうございます。私は料理の事は多少はわかりますが、包丁の事はわかりません。と言うよりは、わかろうとは思わなかったのです。とりあえず切れれば良いかな位にしか思っていませんでした。ですが最近、本当に切れる包丁と切れ味が長持ちする包丁に興味が出てきて、自分の包丁に疑問を感じるようになったのです。柔らかい気がすると書いたのは、研ぐとすぐ切れるようになるのですが、切れなくなるのも早いような気がするのです。ようするにすぐ刃が付く代わりに切れなくなるのも早い気がするのです。当然、減りも早いです。ただ頻繁に同じ包丁を使うので実際はわからないですけど。その事を前の親方に話したらあそこ包丁は柔らかいから切れ味が落ちるのが早いと言ったので、そう思ってしまったのです。

>切れ味を求めるなら白鋼の本焼きより青鋼の霞のほうが実用的かと思います。

実際にどのような点で実用的なのでしょうか?
東源で聞いたところ切れ味は一緒ですが、本焼の方が切れ味が長いと聞きました。霞と本焼きの良い点、悪い点等がわかれば教えて頂けますか?
それと鋼によって値段もかなり違うのですが良い鋼(高価な物)の方が切れるのでしょうか?


>包丁は常に♯6000~8000くらいでは仕上ています

と書いてありますが意味がわからなくて・・・素人ですみません。
もし、お時間があったら教えてください。宜しくお願い致します。

補足日時:2005/02/20 22:54
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料理人の立場ではないので、「柔らかい」と言うのが「鋼の硬度」なのか、「手に当たる何らかの感触」なのか解らないので、また、包丁の種類がわからないのでか言える範囲で・・・。


私からは「鋼の硬度・性質」からのアドバイスです。

◎和包丁の各種
鋼は高級品又は本職用は、白系(日立安木鋼白紙のように炭素で刃物の硬度や耐摩耗性に依存している鋼)が主流です。
但し、家庭用、お勤め品は、誰でも使い安いように、白系でも硬度を下げたり、硬度を犠牲にした粘りが強い鋼材や工具鋼が使われます。(場合によってステンレス)

○付刃・合せ刃(地鉄に鋼をつけた場合)の物は、鋼部分が出来るだけ硬度が高いように設定されています。硬く脆い鋼を地鉄の粘りが補佐し、割れたり、折れたりしないようになっています。地金が軟くも、鍛接した鋼が一様に硬度が高いのが特徴です。

○本場(全てが鋼)の場合は、鋼だけで硬さと粘りを出しています。が、一概に、包丁の峰(背中)のほうが焼きが緩いので若干軟らかく、切刃の方が硬度が高く設定されています。硬い床に落としたり、ねじこじったりする無理な力が掛かったとき、刃が欠けたり、割れたりします。(なれが必要ですね)

本場も付刃の場合も、硬度は何れも刃先がロックウェル硬度で60~2程度。
しかし、焼き入れする場合は、どうしても刃先の熱伝導が良い、薄い部分や端が最も硬度が高く、厚い部分、中心部分は、やや柔らかくなります。

本刃も、付刃も、最初は刃先の硬度が高い部分を使っているますが、研いでいるうちに硬い部分が減り、軟らかい部分が出てくるので、確かにほんの少し軟らかい部分を使う事になります。これを実感できるのは、よほど刃物に精通している方です。
しかし、ステンレスやモリブデン鋼などの包丁は本刃が多いのですが、研いでいるうちに中間あたりから急に軟らかくなって、素人でも使えない物になる場合があります。また、洋包丁は低炭素で柔らかいのが普通です。

質問者さまの出された何れの作家も高名で、焼き入れや硬度には薀蓄があると思いますし、包丁によっても鋼の種類を変えたりしていますので、どれが硬いとは比較できないんです。

一度、現在お使いの包丁を、プロの研ぎ師に出してみて、アドバイス頂いてはいかがですか?
刃物はどんなものでもそうですが、刃体角が変わると、切れ味、感触が物凄く変わります。もし、検査漏れで焼きにムラがあるものでない限りは、どの作者もある程度、その用途の包丁に見合う硬度、焼きが入れられているあはずです。
包丁を買い換えるのと、研ぎに出すのは費用が同じくらい掛かると思いますが、研ぎに出すことで勉強になると思います。

ちなみに高硬度、高耐磨耗性では木屋のコスミック鋼の包丁も支持を集めてますね。
参考になれば。
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この回答へのお礼

丁寧なアドバイスありがとうございました。「柔らかい」と言うのは鋼の硬度です。使っていて切れ味が落ちるのが早いような気がするのです。他の作家(正本や有次)はあまり使ったことがないのでわかりませんが、知人や親方は正本や有次は硬いと言ってました。ただあまり硬すぎても砥ぐのに大変ですから(^^;その兼合いが難しいかも知れませんね。Ivaneさんのアドバイスとても参考になりました。自分は本刃なら硬いのかと思っていました。
鋼の種類によって硬度が違うんですね!切れ味が落ちたのも砥石が曲がって砥ぎが悪かったのかもしれませんね。貴重なアドバイスありがとうございました。

お礼日時:2005/02/06 19:32

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