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エノール化するのに必要なα水素を持っているにもかかわらずclaisen縮合を起こさないエステルがあるらしいんですが、どのような名前のエステルなのか、どのような機構でそうなるのか、お分かりになりませんか?

A 回答 (2件)

claisen縮合反応は一般に「熱力学支配」の反応です。

つまり、できあがる生成物が安定なら一定の濃度になるが、不安定なら原料に戻っちゃうので収率が悪いのです。ではどんな生成物が安定か?ということになりますが通常claisen縮合後にエノール化出来るβ-ケトエステルが出来るのが一番安定です。

ここでエノール化する側の原料エステルだけに注目します。
エノール化できる水素があってアニオンが出来、それが受け側のエステルのアルコール部分をSN2型に追い出したとしましょう(厳密なSN2反応じゃないが)すると出来たβ-ケトエステルのα-位にエノール側のエステルのα-置換基が残ることになります。
今この置換基が複数あるとすると、このβ-ケトエステルではエステル部とケト部の間のα-炭素上がエノール化できない事になります。
上記のようにこの部分がエノール化してエノール酸素上の水素がエステルカルボニル酸素と水素結合を作ることが安定化の要点の一つなので、α-位で分岐しているエステルはかなり不利なエノール化剤であることになります。
面白い例があるので添付URLをご覧下さい。この例の場合エノール化しやすいのはアセト酢酸のカルボニルとエステルに囲まれたα-位の炭素のはずなのに、生成物は端っこの炭素が安息香酸側に付加したもの。この場合も生成物のエノール化能の違いが大きく効いているのだと思われます。

「反応速度」支配の反応(活性化エネルギーが大きすぎるために熱力学的に安定な生成物に到達できない)例は#1様の例にあります。正しくは(2-(1,1-ジメチルエチル))3,3-ジメチル-酪酸のエステル。これなんかまず水素が抜かれてもα-炭素はどこへも近づけない。

さて最後に攻撃を受ける方のエステルについて一言だけ。エステルのアルコキシド部分がでかいとエステル炭素は混み合って攻撃を受けにくくなりますが、一旦嵩高いアルコキシドが抜けると、このアルコキシドでは逆反応も非常に遅くなりますので、時間さえかけてやればちゃんと反応します。同じ事は同じ側の分子のα-置換基についても言えます。添付URLの例ではアリール基が付いていますが、一旦生成物が出来てしまえば、逆反応の促進要素にはなりません。

参考URL:http://orgchem.chem.uconn.edu/namereact/claisent …
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α炭素についている基が非常に嵩高かったりすると脱離になってしまうような感じがします(自信なし


例えば(tert-Butyl)2CH-とか...
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