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エチルシリケート(アルキルシリケート)のゾル・ゲル法について教えてください。
まずはゲルを作り、塗布して乾燥させ、ゲル化させたい。具体的な反応条件(反応温度、触媒種)を教えてください。
単に水を加えて放置しても、水とエチルシリケートが分離してしまいます。エチルシリケートだけを塗布して乾かせば硬い膜になるのでしょうか?

A 回答 (1件)

お疲れ様です。



前回お答えした内容ではお役に立たなかったようですね。(^^;

>単に水を加えて放置しても、水とエチルシリケートが分離してしまいます。
 はい、確かに分離します。ですが、そのまま一年くらい放っておくと均一になるかもしれません。

>エチルシリケートだけを塗布して乾かせば硬い膜になるのでしょうか?
 なりません。

>まずはゲルを作り、塗布して乾燥させ、ゲル化させたい。具体的な反応条件(反応温度、触媒種)を教えてください。
 では、反応条件の一例を以下に示します。あくまで一例ですので、お忘れ無く。
1.よく脱水した特級エチルアルコールを96.5gビーカーに取り、これにエチルシリケート(テトラエトキシシラン)を3.5g溶解させます。(簡単に溶けます)
2.溶液を(ビーカーの外から)氷で冷やし、冷えたところでよく撹拌しながら0.1N塩酸(希塩酸)2.4gをゆっくり(1秒に一滴くらいのスピードで)添加します。
3.5分くらいそのまま撹拌しておきます。(再現性をとる必要がないならこの部分は省略できます。)
4.溶液をあらかじめ60℃に暖めておいたウォーターバス(湯浴)にビーカーごと移し、30分~1時間撹拌します。
5.ビーカーごと氷などで室温まで冷却します。(シリカゲル溶液(シリカゾル)の完成)
6.ガラス基板を用意します。あらかじめガラス基板は超音波洗浄漕中でガラス専用の洗剤、または/および硝酸で洗浄して、表面の汚れをきれいに洗っておく必要があります。
7.ガラス基板表面にさっき作ったシリカゲル溶液を塗ります。塗る方法として、スピンコートやディップコートをおすすめしますが、膜厚の均一性を気にしないのでしたら、スプレー(ハンドスプレーで吹き付ける)などでも塗ることができます。塗りおえましたら、とりあえず、そのまま空気中で乾燥(溶媒のエチルアルコールを蒸発)させます。
8.電気オーブン中で150~500℃の間の温度で30~60分加熱します。
9.膜の完成

 アルキルシリケートの種類、アルキルシリケートを溶かす溶媒の種類、溶かす量、添加する酸(アルカリでも可能)の種類、濃度、量、ウォーターバスの温度、そこで撹拌する時間、によって出来るものが変わります。
 上記方法によって出来る膜は、高温度で加熱するほど堅い膜になりますが、どの温度で焼いても膜厚は50~100nm(2万分の1~1万分の1ミリ)程度です。溶液を濃くするなどして膜を厚くしても、クラックが入ってそこからはがれたり、膜が白濁するだけです。塗って焼いてを繰り返して何層か膜を付けるやり方をとればある程度膜を厚くできますが、それも限界があります。指で触って段差がわかるほどの厚さはこの方法では無理です。
 膜の堅さは、膜付き基板の加熱温度が高いほど堅くなります。だからといって、ガラス基板の融点より高い温度で焼くのは本末転倒です。500℃で加熱して膜付けをすれば、ガラス基板本体とほぼ同等の堅さを持つ膜ができます。

 基板がプラスチックの場合は少々やっかいです。ここで作った溶液ではうまく塗れない(濡れない)可能性があります。また、塗れたとしても、加熱温度が高くできません。(基板が焼けてしまいます。)この場合、爪ではがれるような堅さの膜しかできないでしょう。

 なお、ゾルゲル法を勉強なさるのでしたら、以下の書物をお薦めします。

「ゾル‐ゲル法の科学 機能性ガラスおよびセラミックスの低温合成」作花済夫著 アグネ承風社 ISBN:4-900508-12-8

「ゾル-ゲル法の応用 光,電子,化学,生体機能材料の低温合成」作花済夫著 アグネ承風社 ISBN:4-900508-53-5

 以上、ご参考まで。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。現在試験中です。溶媒の量や水の量によっても違いが出るようです。加温したり、冷やしたりするのは意味があるのですか?

お礼日時:2005/03/04 22:29

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