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二酸化炭素には助燃性も可燃性もありませんよね。ロウソクなんかを二酸化炭素の中に入れるとその炎は消えますが、酸化還元反応の例として、ドライアイスの中でマグネシウムを燃焼させるというものがあります。CO2+2Mg→C+2MgOという、二酸化炭素が還元されてマグネシウムが酸化するといった、この反応の意味は理解できるのですが、どうもマグネシウムが二酸化炭素(ドライアイス)中で燃焼するというのがしっくりきません。なぜ燃焼するのでしょうか?また、これはマグネシウム以外の金属(例えばスチールウールなど)でやっても起こるのでしょうか?そして何故気体の二酸化炭素ではなくドライアイスの中で燃焼させるのでしょうか?もしこれをドライアイスではなく、ビーカーなどに捕集された気体の二酸化炭素中で行ったとしても同様の反応は起こるのですか?
どなたか、分かる方よろしくお願いいたします。

A 回答 (2件)

《なぜ燃えるか》


燃焼熱で考えます。
C(黒鉛)+ O2(気) = CO2(気)+394 kJ
Mg(固)+ (1/2)O2 = MgO(固)+602 kJ

これで計算すると、602 (kJ/mol)×2 - 394 (kJ/mol) = 810 (kJ/mol) ですから
CO2(気)+ 2Mg(固)= C(黒鉛)+ 2MgO(固)+ 810 kJ

つまり、二酸化炭素とマグネシウムの反応では多量の熱を発生することがわかります。つまり、十分に“燃焼”に相当する反応を起こすことができます。

もうひとつ、反応がどちらに進むかを決める要素としてエントロピーがあります。

(エントロピーの減少)×(絶対温度)
これが大きいほど反応が起こりにくいのですが、気体から固体のエントロピーの減少はざっと0.2 kJ/K・mol程度なので、810 kJ/molの燃焼熱に打ち勝つには4000 Kぐらいの温度が必要です。つまり、CとMgOが反応する逆反応は非常に高温にならないと起こりません。したがって、マグネシウムは二酸化炭素の中で燃焼できます。

《ドライアイスでないといけないか》
ビーカーに二酸化炭素を捕集し、蓋をしておきます。ビーカーの底に安全のため水か砂を入れておきます。点火したマグネシウムテープをビーカーに入れると中で燃えます。

《スチールウールでも燃焼するか》
2Fe(固)+ (3/2)O2(気)= Fe2O3(固)+824 kJ
これから
CO2(気)+ (2/3)Fe(固)= C(黒鉛)+ (2/3)Fe2O3(固)+ 155 kJ

これは発熱が少なく、高温では容易に逆反応が起こりそうです。実際、この逆反応は製鉄に利用されます。
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二酸化炭素には「通常条件では」助燃性も可燃性もありません。


しかし何故マグネシウムが二酸化炭素中で酸化されるか。

それは炭素の酸化のされやすさとマグネシウムの酸化のされやすさを比べた場合、マグネシウムの方が大きいからです。
マグネシウムは二酸化炭素から酸素を奪ってでも酸化されてしまいます。しかし鉄ではこの作用はほとんどありません。

なぜ気体の二酸化炭素ではないか、ドライアイスの方がそれだけ沢山の二酸化炭素分子を持っているし、反応熱でどんどん昇華してくれて気体二酸化炭素の供給源になってくれるからでしょう。(実際にはドライアイスから発生する二酸化炭素がマグネシウムにぶつかることで反応していると思われます。)
ビーカーなどに補習された二酸化炭素でも反応は起こりますが、反応がなかなか持続しないですね。
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