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A1,A2:対角化可能なn次の対称行列
A1A2=A2A1 (A1,A2:可換)

の条件下でT1,T2が同時対角化可能であるということの証明を参考書で読みました。

「対称行列」という条件を抜きにしてもこの結果が成り立つ、という補注があったのでその証明をしてみようと思ってやってみましたが、うまくいきません。

A1の固有値の一つをα1
α1に対するA1の固有空間をW1
W1の直交補空間をW1'
とするときに
「W1'がA2-不変である」
ということは成立するのでしょうか?

成立すれば証明もクリアできると思うのですが。
よろしくお願い致します。

A 回答 (2件)

3つの同時対角化は考えたこともありませんでしたが、たぶん同様にできると思います。

A,B,Cを全部互いに可換なn次正方行列として、すべて対角化できる(半単純)とします。2つの場合の結果から、C^nはW(α)∩W(β)の直和に分解されました。またこの直和分解に従って独立なベクトルをとればA,Bは同時対角化されました。いまv∈W(α)∩W(β)として、vをCの固有空間分解に従ってv=w_1+…+w_kと一意的に分解します。各w_jはCの固有値γ_jに属する固有ベクトルだとします。このとき
Av=Aw_1+…+Aw_k=αw_1+…+αw_k
Bv=Bw_1+…+Bw_k=βw_1+…+βw_k
です。さらにA,CあるいはB,Cは互いに可換ですから、
C(Aw_j)=A(Cw_j)=Aγ_jw_j=γ_j(Aw_j)
ですので、各Aw_jは全部固有値γ_jに属する固有ベクトルになっています。Bw_jについても同じです。したがって直和分解の一意性から、上の式で各項ずつが全部対応することがわかります。結局、
Aw_j=αw_j、Bw_j=βw_j、j=1,…,k
が成り立ちます。上記のことはW(α)∩W(β)がさらにCの固有空間の直和に分解されたことを示しています。結局W(α)∩W(β)∩W(γ)でα、β、γをA,B,Cのすべての固有値を動かして足し合わせれば、C^n全体に一致し、したがって同時対角化が可能になります。

当然ですが、ほとんどのW(α)∩W(β)∩W(γ)はつぶれている部分空間(0次元ベクトル空間)になっていると思いますけれど。

あと余談ですが、たとえばCが二つの固有値γ1とγ2を持つ対角化可能行列だったとします。このとき同時対角化ができないというのはどういうことかというと、W(α)∩W(β)∩W(γ1)+W(α)∩W(β)∩W(γ2)⊂W(α)∩W(β)は当然成り立つのですが、左辺の集合が真に右辺の集合に含まれてしまうようなA、Bの固有値α、βが存在するということになります。左辺が右辺に必ず一致するような場合は異なる固有空間どうしにねじれがないというイメージでしょうか。可換性が等号成立の必要十分条件になっているのですね。

ついでにさらに余談になりますが、半単純(対角化可能)有限次元リー環の同時対角化なんて問題も可換性が必要十分条件になっていますが、本質的にまったくこれと同じことをやるだけです。
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この回答へのお礼

だいぶ時間がかかりましたが、だんだんわかるようになってきました。といってもまだ曖昧な理解の段階ですので、これから確実に理解して進んでいけるように努力していきたいと思います。

大変丁寧に教えていただいて本当に嬉しかったです。
どうもありがとうございました。

お礼日時:2005/03/06 11:12

上記のことは可換性から証明することができると思います。

そういえばその昔ずいぶん苦労して同時対角化をやったことがあったなぁ、と。

ちょっとkokkoroさんの解答方針とは違いますが、証明の概略をかいてみます。まずA1の適当な固有値のひとつα1をもってきます。α1に属する0でない固有ベクトルv1をとってくるとします。A2は対角化可能なので、A2は異なる固有空間の直和に分解されます。そして各固有空間がA1不変であることが示せます。具体的にやるためには、v1をA2の直和分解に従って、一意的に分解できますので、たとえばそれをv1=w1+w2+…+wkとでもします。A1v1=α1v1であることにも留意して、
(☆) A1(w1+w2+…+wk)=α1w1+α1w2+…+α1wk
となります。一方でw1~wkはそれぞれA2の異なる固有値に属する固有ベクトルでもあります。そのことに注意すれば、各wjがA2の固有値βjに属する固有ベクトルであるとすれば、可換性から
A2(A1wj)=A1(A2wj)=A1βjwj=βj(A1wj)
となり、A1wjは固有値βjに属するA2の固有ベクトルになっていることがわかります。つまりA2不変!
従って(☆)と直和分解の一意性からwjは全部固有空間W(α1)に属していることになります。詳しく説明すると分解の一意性から(☆)の各項がすべて対応している、つまりA1wj=α1wjが各jについて成り立つということです。従って同時対角化が可能になります。

なお上のことはW1がA2不変であることを示していることになっています。参考urlの54ページにまったく同じ問題がでています。解答は激重ですが、下の圧縮ファイル(中身はpdf)に入っています。

さて上の証明は実際はkokkoroさんの言われた主張よりもこのことはもっと強いことを言っていて、W1以外のすべての他の固有空間も全部A2不変にちゃんとなっています。したがって当然ながらW1'もA2不変になることがわかります。

参考URL:http://adinat.fc2web.com/exercise/senkei/
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この回答へのお礼

どうもありがとうございます。すごく参考になりました。
参考urlの方も拝見いたしました。本当にありがとうございます。

2つの行列の場合、adinatさんの方法に沿ってやってみると確かに上手くいきました、が、それを3つの行列に拡張しようとしたのですが、どうにもうまくいきません。

参考urlの解答pdfのなかの、「可換性より次のことを示す」に続く式(1つ目の行列の1つの固有値に属する固有空間と、2つ目の行列の固有空間、の共通部分、の直和がVになっている、という式)を3つの場合はどう変えていったらいいのかがわかりません。

3つの行列の同時対角化を説明するにはどのようにしたらいいのでしょうか?

お礼日時:2005/03/04 16:09

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