No.5ベストアンサー
- 回答日時:
前半からの続き
病床で手をつなぎ合ったまま、見つめ合う二人。百合が千鶴子に語りかけている。
百合「私の体の中で、お母さんの腎臓が動いているのね。私その事を忘れずに、これからもずっと生きていく。私は皆に支えられて生きている
私の命は、私だけのものじゃないってことを忘れずに」
百合の言葉に、「そうね。百合」と短い言葉で返す千鶴子。
ドアをノックする音。しのぶを先頭に、則子、澄夫が入ってきた。
則子は、千鶴子と百合にねぎらいの言葉をかけた。千鶴子は、「しのぶのおかげです」と感謝の言葉を言う。
則子「退院したら、大丸家に戻ってきてくださいね。皆で一緒に楽しく暮らしましょう」
予想もしない言葉に驚きを隠せない、千鶴子。
百合は、その言葉に嬉しさを隠しきれず「本当にみんな一緒に暮らせるのね。ママもお母さんも私も一緒に」
則子の、「みんな家族ですもの。ここはみんなの家ですもの。みんな一緒に暮らしましょう」と、にこやかに話す。
「良かったわね」としのぶ。「ありがとう、しのぶ」と感謝する千鶴子。
則子の言葉に、涙ながらに感謝する千鶴子だった。
則子「この人(澄夫)は、出て行ってしまうけど。私には、可愛い百合がいるからいいわ」といいながら、百合の枕元に寄っていく。
百合は、澄夫おじさんがどっかへ行ってしまう事に驚く。
澄夫は、海外を放浪してくる事を告げる。こんな自分でも必要としてくれる国がある。そこで一から修行してくると。
千鶴子「それが、澄夫の昔からの夢だったものね」
澄夫は、則子に許してもらえた事を公表した。
則子「許したんじゃなく、あきらめたんです」 この答えに、澄夫はあきれ顔。
病室内が、皆の笑いで包まれた。
院長室にいるしのぶ。 新太郎の写真立てを手にしながら、大丸病院を手放すことを報告している。新太郎の望んでいた、
皆が仲良くなれる事が実現し、幸せである事をしみじみと語りかけている。
写真立てを机におき、ベランダに出て、独り語りをするしのぶ。
大丸病院に来てからの辛い事、楽しい事を振り返り、この家に来てよかったと・・・・
それから、3ヶ月。
伊豆の水島家の前の桜が満開、花びらが、ひらひら落ちている。
玄関を開け、しのぶが家の中から出てくる。その手には、一枚の板看板が。
「大丸診療所」と書かれている。玄関戸の右に看板を据え付け、悦に入っているしのぶの背後から「ママ~」と呼ぶ声が。
振り向くと、百合と千鶴子の姿が近づいてくる。突然の訪問に「どうしたの?」と驚くも、直ぐ喜びの表情に。
春休みで、お母さんと一緒に遊びにきたと百合が言う。「元気だった?しのぶ」と千鶴子。
二人の元気な顔を見て、自分の外科医としての腕を誇らしげに自慢するしのぶ。
それを否定するかのように百合は「私たちの生命力の強さのおかげです。ねぇお母さん」と切り返す。
百合は、しのぶに「たまには東京の家に帰っておいでよ。おばあちゃん寂しがってるよ」
しのぶ「あの家は、元々あなたたちの家なんだから。私は、伊豆が性に合っているわ。」
百合「どっちでもいいわ。私には、二人母親がいて二つ家があるってのも楽しいしね」と満足そうに家の中に入っていく。
玄関の外に残ったしのぶと千鶴子。看板を見つめる二人。しのぶは、頑張る事を明言。歩き出した方向は家の中、後を追うように千鶴子も入っていった。
診察室で百合は、折り鶴を机に載せていた。3つ連なった鶴だった。
診察イスに千鶴子は腰掛けている。しのぶは百合の側で、折り鶴を見ている。
百合は一つ一つ指を指しながら「しのぶママ、私、千鶴子お母さん」
「ありがとう」と答えるしのぶ。
何か用事を思い出したのか、百合が診察室から出て行く。残った二人の口が開く。
千鶴子「しのぶ。私たち、自分の運命に勝てたのかしらね?」
しのぶ「さぁ、どうかしらねぇ。・・・・でも私は、自分の運命を恨んだりしてないわ。大切な人をたくさん失ったけど、・・・あなたに出会えた。百合に出会えたもの」
「これからどんな運命が待っているかわからないけど、私は貴方たち二人がいればどんな運命にも立ち向かっていける。私はそう思っているわ」
座って聞いていた千鶴子は立ち上がる。そして、ふたりは向かい合う。
千鶴子「私もそうよ。私はしのぶに会えて強くなれたもの。意地悪で寂しがり屋でひねくれてた私が、しのぶに出会って生きる勇気を貰ったわ。何者にも代え難い生きる勇気を」
「だから、もうくじけない。たとえこれからどんな事が起こっても、勇気を持って生きていくわ。」
しのぶ「そうね」
千鶴子「いつか大丸の家に戻ってきてよね」
しのぶ「えっ?」
千鶴子「百合がお嫁に行って、二人とも歳をとったら・・・いつか二人で大丸家で暮らそうよ」
しのぶ「そうね。・・・本当の姉妹のように」
しのぶと千鶴子が声を合わせるように「二人仲良く・・」互いに笑顔で見つめあった。
ふと、しのぶが窓の方の振り返った。窓の外には、しのぶの成長を見続けてきた桜が咲き誇っていた。
まぶしい太陽の光をあびた桜の花びらが舞落ちるのを・・・・ずっと、二人で見続けていた。
No.4
- 回答日時:
大丸家のダイニングで、しのぶ、澄夫、則子の三人が、千鶴子の百合への腎移植手術の件で話し合っていた。
則子は、千鶴子の身に万が一の事が起こるのを心配し反対する。しかし、澄夫は覚悟の上だと言い切る。医者の言葉だとは思えないと、則子は澄夫に問いただす。
澄夫「千鶴子姉さんは、百合のために死のうとしたんだ。自分からドナーになるんだと言い、ナイフで自分の首を刺そうとしたんだ」
則子「命の危険があるのに、手術をする事は許される事ではない」
そこへ、しのぶが則子の言う事に賛同する。が、
しのぶ「でも、千鶴子は、百合の母親。親なら、自分の命を犠牲にしても我が子を救いたいと思う気持ち、私には止める事は出来ない」と、千鶴子の意思を尊重するかのように答えた。
則子「だめよ、しのぶさん。それじゃ、慶子姉さんと同じじゃない。姉さんは、自分の命をかけて、貴方を産んだわ。貴方は無事に産まれたけど、姉さんは命を落とした。それが、しのぶさんと、千鶴子さんの不幸の始まりだった。私は、二度と同じ思いはしたくない。腎臓移植して百合が助かったとしても、母親の千鶴子さんが死んだら、残された百合がどんなに傷つく事か。自分のために、母親が死んだと知って、また心を病んでしまう」
則子は、二人に面と向かって、「百合の気持ちの事を考えたことがあるのか、もう一度冷静に考えて」と懇願する。
病室のベッドで食事を終えた百合。
半分以上残した食事を目にし「ダイエットはダメよ、ちゃんと全部食べるのよ」と、千鶴子はやさしく声をかけた。
「わかってる。お母さんは大丈夫?検査は終わった?」と百合に聞かれ、手にしたメモに記録を書きながら検査が終了したと答える千鶴子。
静かにドアが開き、それに気づいた百合が、「おばあちゃん」と声をかけた。メモをしまっていた千鶴子はドアの方を振り向き、則子の訪問に驚いた様子。
半開きになったドアから「ちょっと、いいかしら?」声をかけられ、廊下に留まる則子の方に歩み寄る千鶴子。
ドアの外から、千鶴子を病室の外に引き寄せる則子。ドアを閉める直前、一瞬百合と目が合った則子の表情に陰りがあるのを、百合は見逃さなかった。
院長室で、応接のソファに対座する二人。
移植手術はあきらめる事を切り出す則子。気持ちを理解しながらも、千鶴子の事を心配している。
大丈夫と、強く反論する千鶴子。自分が死んでも、百合にはしのぶがいることを強調する。
さらに、則子はしのぶの立場についても説明し、なんとか手術はあきらめるよう説得をする。則子の本心は、千鶴子に生きていて欲しいことだった。
千鶴子「どうして今更そんな事をおっしゃるんですか?」
その言葉に、驚く則子。憎まれてきた事を、邪魔者扱いされてきた事を則子にぶつけ、席を立ち部屋を出ようとする。
則子「あなた!」 その声に、一瞬立ち止まる千鶴子。背を向けたまま立ちつくしている。
則子「やっぱりそう思っていたのね。そうよね。自分の思い通りにならないものは、みんな貴方のせいだと思ってきたから・・・」
病院経営の不振、澄夫のこと、耕造の心労死。これらの事を、千鶴子のせいにし憎んできた事を涙ながらに話す則子。
内心は、千鶴子が一番辛かったのだという事を口に出したとき、千鶴子は顔を則子の方に向き直した。
千鶴子の辛さをわかっていながら、追いつめる態度を取っていた則子は、懺悔するしかなかった。席を立ち、千鶴子の前に近寄り、深く頭を下げる則子。
必死に、千鶴子や百合がこれ以上傷つかないでほしいことを訴えかける。自分の気持ちを全て話し終えた則子は、千鶴子の手を両手で握りしめる。
則子の気持ちを理解した千鶴子も、自分の過去の行いが則子を困らせていた事を口にした。互いに自分の非を認め、全てのわだかまりが消え、強く抱きしめあう。
が、千鶴子は「私の命が無くなっても、しのぶが罪を問われる事になっても、お母様を裏切る事になっても、百合を助けたい」と言い放つ。
そして、駆け出すように部屋を出ようと、ドアを開けたとき、そこには、百合が立っていた。ずっと二人の話をドアの向こうで聞いていたのだった。
百合の姿を見て、驚く二人。
百合「私のために、お母さんが死ぬ」
そこに、立ちすくんでいる百合の姿をみつけ、しのぶが駆け寄る。
百合「そんなの嫌よ。誰も死んだらだめよ。私のために誰かが死ぬなんて・・」冷静さを失った百合は、逃げ去るかのように廊下を駆け出していく。
追いかけるしのぶ、そして千鶴子。すれ違いに澄夫が現れる。
大丸家の2階の自分の部屋に駆け込んできた百合。すかさず、部屋の鍵をロックする。「嫌よ、そんなの嫌よ」ベッドの上で布団を両手でにぎりしめ興奮状態の百合。
ドアを叩く音。しのぶ、千鶴子の二人が何度も叩き続ける。遅れて則子と澄夫が上がってくる。事情を詳しく知らない澄夫は、則子を責めている。
澄夫が、薬の時間だといって百合に呼びかける。しのぶも、ドア越しに話しかける。「薬を飲まないと胸が苦しくなる」この言葉をきいた千鶴子は、驚く。
呼吸困難になり、危険な事になることを千鶴子に説明するしのぶ。それを知ったと千鶴子は動揺。則子も狼狽えた。
部屋からの反応がない事に不安を感じた澄夫。ドアを破ろうと体当たりするが、開かない。二度三度と当たるが、びくともしない。傍らで、呼びかけるしのぶと千鶴子。
百合「やめて!こないで。嫌なのよ。私の為に誰かが死ぬのはもう嫌。だったら、私が死ねばいいのよ」 叫び続けながらも、急に意識を失い、上体が崩れ倒れる。
倒れた時に置物が落ち、その音を聞いたしのぶが、百合の名を強く叫ぶ。危険を察知した澄夫。満身の力で、ドアに体当たりすると、勢いよくドアが開く。
間髪入れずに、部屋の中に押し掛ける4人。ベッドの上で倒れている百合の意識を呼び覚まそうと必死に名を叫ぶしのぶ。その声に、意識をとりもどし、「お母さん。死んだら嫌。お母さんが死ぬなら私が死ぬ」
と興奮状態は収まっていない。しのぶが、しっかりとした口調で諭すように、「ママが百合を助ける。死なせはしない。ママを信じて。あななたち二人の命は、ママが守ってみせるから」と断言する。
この言葉が終わると同時に、しがみつくようにしのぶの胸に飛びつき抱きしめる百合。しのぶは、抱擁しながら、手術をする事を受け入れさせる。
手術の日。千鶴子がオペ台に横たわり、麻酔がかけられる。そして百合も。腎摘出手術が始まった。
しのぶの頭の中にあるのは、絶対助けるという信念だけだった。そして、大丸家にいる則子と裕喜は手術の成功を信じていた。
腎摘出、移植手術へと順調に進む。
電話が鳴り、受話器を取る則子は「直ぐ行きます」と答え、受話器を置くと同時に裕喜が心配そうに聞いた。
則子「成功よ」この言葉を聞き、裕喜は目に涙を浮かべながら、安堵の表情を則子に返した。
術後の病室。二つのベッドが並んでいる。二人とも昏睡状態のまま。傍らで澄夫、しのぶ、裕喜が静かに立ち話をしている。
裕喜の二人への感謝の言葉。澄夫は、しのぶの力である事を強調する。しのぶは、千鶴子の百合への思いが通じたから成功したのだということを語る。
ゆっくりと目を開ける千鶴子。 それに気づいたしのぶが、声を掛ける。
「百合は?」と聞く千鶴子に、しのぶは、「大丈夫。手術は成功したわ」と答えた。
「そぅ。よかった・・・」顔の向きを右に変えると、そこに穏やかな百合の寝顔が見えた。
そして、百合も目が覚める。「百合」と呼ぶ声に反応し、はっと目を大きく見開き、声のする方に顔を少しだけ傾けた。
視界に入ってきたのは、立ち姿の3人。直ぐ様、百合のベッドにしのぶが近づく。
しのぶ「よく頑張ったわね。お母さんも大丈夫よ。二人とも元気になるわ」
百合「お母さん助かったの?」
「百合!」聞き覚えのある声だった。真横から聞こえてくる。大きく、顔を左に回すとそこにはもう一人の母がいた。しのぶからの説明はいらなかった。
百合の不安は、一瞬にして消え去った。
しのぶは、二人の間に立ち、千鶴子の右手と百合の左手を結ばせた。窓際の棚には、口と口、羽と羽がしっかりと繋がった親子の折り鶴が置かれていた。
そのころ、則子は手術の成功を仏壇の耕造の遺影に語りかけ、涙しながら二人の回復を手を合わせ祈っている。側で、澄夫がその姿をじっと見ていた。
後半へと続く
No.3
- 回答日時:
#2です。
ごめんなさい。最後が間違っています。
千鶴子と百合は東京で一緒に過ごししのぶは伊豆で『大丸診療所』を開設。春休みに遊びに来た2人を伊豆で迎えます。そこで百合に「私には二人のママがいて幸せ」といわれ千鶴子から「いつか一緒に2人で暮らそうね。」といわれたところで優しい光が流れエンディングです。
No.2
- 回答日時:
えーと・・・。
言葉で書くのは難しいですね。則子ママが改心し、千鶴子に「やめて。あなたまで死ぬこと無いでしょ」と説得しているところを百合に聞かれ「私のために誰か死ぬのはもう嫌!」と拒否されるが、しのぶが「ママも百合も絶対助けるから」と説得して手術実施。
澄夫が千鶴子から摘出→しのぶが移植を担当したのかな。
結局手術は成功したが大丸病院を閉鎖してしのぶと千鶴子は百合と一緒に過ごし「私には二人のママがいて幸せ」といい澄夫は海外へ。幸せな結末を迎えることができました。
てな感じですか。
3月中に終わると思っていたんですが4月まで入ってくれましたね。今度のもドロドロらしいですが。
No.1
- 回答日時:
こんにちは。
5月にスペシャルがありますので、そちらをご覧になってみてはいかがでしょうか。
こちらに↓詳しいことが載っています。
参考URL:http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2005/05- …
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