プロが教えるわが家の防犯対策術!

私は24歳の男です。この4月から福祉系の通信大学に入学したのですが、希望者は社会福祉士か精神保健福祉士のどちらか、または両方の選択科目履修により国家試験受験資格が得られるそうです。しかし、両方の同時取得は相当難しいと思いますのでどちらか一方に絞りたいと考えています。介護関係の仕事をしていたこともあり社会福祉士のほうの仕事内容などはなんとなくわかるのですが、精神保健福祉士についてはよく知らないのです。そこで、1)どういったことを学び、どういった仕事内容になるのか?2)ぶっちゃけた話どちらが給料がよいのか?
十分社会経験もあり、どちらの仕事も甘くないことは理解しています。それは踏まえたうえで客観的なご意見をください。
お願いします。

A 回答 (1件)

元・障害者施設中間管理職からのアドバイスです。


(勤続15年で、諸事情により一般企業に転職いたしました。)

精神保健福祉士は、比較的近年にできた国家資格です。
精神障害者社会復帰施設、精神科病院等で活躍しますが、精神障害者社会復帰施設については、法律上必置義務があります(但し、経過措置があって、諸体制が整うまでの猶予期間が設けられています。)。
ちなみに、医療機関で活躍する場合には、PSW(精神科ソーシャルワーカー)と呼ぶことがあります。

どういう仕事をするのか、と言いますと、おおよそ以下のような感じになります。

1.精神障害者のための施設(これを一般に「精神障害者社会復帰施設」と総称します。)、たとえば作業所やグループホームなどでの作業訓練や生活訓練を通じて、精神障害者の社会復帰のための基礎づくりを行なってゆく
2.精神障害者の社会復帰のためのプランづくり
3.精神障害者社会復帰施設または精神科病院等に付帯するデイケア施設(日中軽活動施設)での援助、および社会復帰に向けての環境づくり(企業訪問等)
4.諸資源の活用の援助(例:精神保健福祉法第32条に基づく精神科通院医療費公費負担制度の利用手続、精神障害者保健福祉手帳の申請手続等)
5.通院・入院の際の連絡・調整

勤務先が福祉分野と医療分野とに2分される、という傾向がありますが、臨床心理士や精神科医などとは違います。
ですから、決して心理職や医療職として活躍するものではなく、あくまでもケースワーク業務(つまりは福祉職)担当にしか過ぎない、ということを理解しておく必要があるでしょう。
言い替えると、「自分が精神疾患を分析・診断・治療する」などといった気持ちで臨んではいけませんし、仮にそういう気持ちを持つとしたら、それは大きな誤りです。
精神保健福祉士は、福祉の方面で側面から精神障害者をサポートする、というのがその仕事です。

学習する内容ですが、社会福祉士とかなり重複する部分が多いです(社会福祉一般から応用、地域福祉、グループワーク等に至るまで。)。
精神保健福祉士では、これに加えて、当然のことですが、精神衛生学、精神医学、臨床心理学、向精神薬の基礎知識等も学習します。基礎的な精神医療の知識が必須です。
また、精神保健福祉法は福祉関係の法律の中ではかなり異色の法律(具体的には、ぜひ自分で調べてみて下さい。)なので、そのあたりもしっかりマスターする必要があります。
率直に言って、相当幅広く学習する必要がありますから、社会福祉士よりもハードです。国家試験合格率も高くありませんし(過去を平均すると、合格率は3割前後です)。

給与面では、それほど大差はありません。
しかしながら、認知度・知名度という点では社会福祉士のほうがいいですし、また、精神保健福祉士の求人自体、数がきわめて少ない(精神障害者社会復帰施設の数が限られている等、精神保健福祉の立ち遅れによる。)ので、民間施設・病院等で働く精神保健福祉士をめざすのは、かなり厳しいかもしれません。
そのため、できれば、精神保健福祉士資格を活かして専門の相談機関や研究機関等で働く専門職公務員をめざしたほうがよいのではないか?、と思います(社会福祉士についても同様)。

年齢的・学歴的な条件から就職のことを申し上げますと、正直申し上げて、卒業時に30歳近くになり、しかも通信制ということで、かなり不利になるのは否めません。
年齢および所持資格が高くなればなるほど、当然それだけの高月給を用意しなければなりませんが、現実問題として経営が厳しい施設・病院等が大半ですから、少しでも人件費を抑えようと思えば、あまり採用したがらないのが現実です。
これらのことは、あらかじめ承知しておいたほうがよいでしょう。

いずれにしましても、せっかく進学したわけですから、その機会を決してムダにせず、いろいろな角度から社会福祉を学んでいただきたいと思います。
特に、社会福祉は現場での学びがきわめて重要ですから、積極的なボランティア活動を行なっておくことがたいへんな意味を持ちます(そのまま就職につながるケースがとても多いですし、また、そのような就職のほうが、ボランティアをしていた当時からの蓄積が伴うため、後々プラスになりますよ。)。

心から応援させていただきます。
どうぞ頑張って下さいね。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。まちがった認識で突っ走ってしまうところでした。大変役に立ちました。

お礼日時:2005/04/09 17:06

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