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市民法って何ですか?
理系の私でも、わかりやすく概要を教えていただけると大変助かります。
よろしくお願いいたします。

A 回答 (1件)

ここでご質問の「市民法」と別個に質問をたてておられる「社会法」は関連付けたほうが分かりやすいので、ここで一括しました。

ご了承下さい。

〔市民法の成立〕
国家は個人の経済活動には極力介入せず(夜警国家の思想)個人が自由に経済活動を行なっていけば、資本主義経済が発達していくと考えられていた。そのため、近代市民社会では、資本主義経済を発展させるために、次の3つの指導原理が取り入れられました。

〔市民法の指導原理〕
ⅰ契約自由の原則(私的自治の原則)
→個人が各種の契約を結ぶときは、誰とでも、自由な内容で、そして対等な立場として契約を交わすことができる、という原則
ⅱ私的所有権不可侵の原則(所有権絶対の原則)
→個人が獲得した財産は不可侵なものとして保護され、財産をどのように運用・処分(経済活動)するかについても個人の自由な意思に委ねられるという原則。
ⅲ過失責任の原則(自己責任の原則)
個人の生活は、専らその個人が自分で責任を負わねばならない、という原則。

〔資本主義経済の進展から生じた予期せぬ弊害〕
ⅰ資本家による労働者の支配
契約自由の原則を大義名分として、会社側が都合の良い契約内容で労使関係を築くようになってきた。それにより労使関係は、対等な立場ではなく、従属関係になってしまった。
→国が労使関係を規律するために契約自由の原則を修正した新たな法律「労働法」を制定する必要が生じた。 (会社側が自由勝手に雇用契約の内容を決定できなくなった)
ⅱ大企業による市場の独占、消費者の不遇
大きな企業が市場を独占することで、中小零細企業が自由に経済活動できなくなった。
また、金融市場の発達によってルールなき商取引が出現し、不当な取引が行なわれるようになった。さらに、消費者の利益が保護されなくなった。
→国が企業の経済活動に制限を加えるため、私的財産不可侵の原則を修正した「経済法」の制定が必要になった(市場の独占や消費者を保護しない企業活動は抑制されることになった)。
ⅲ生存権・生活権への脅威が増大
労使関係の従属関係から発生する失業問題や、資本主義経済の発展に伴う物質的飽和状態がもたらす
公害問題、交通災害、企業倒産、介護問題、児童福祉問題、障害者問題など、予期せぬ諸問題によって社会的弱者の生存権や生活権が脅かされるようになった。
→国が社会的弱者を救済するために、過失責任の原則を修正した新たな「社会保障法」を制定する必要が生じた。

〔社会法の誕生〕
このように 市民法が「自己責任で自由な契約に基づく」市民活動を保障してきたが、予期せぬ弊害が生じたため、「自由な契約」を国家が規制することで「市民生活の保護」を求める声が高まり、「社会法」に分類される労働法、経済法、社会保障法の諸法律が次々に誕生することになった。
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