プロが教えるわが家の防犯対策術!

私の土地と隣家の土地の間には、本来幅約80センチ、奥行き27メートルの路地が存在していましたが、約3年6ヶ月前、隣家がその建物を取り壊したときに、私達の抗議にもかかわらず一方的に私の土地ぎりぎりに沿ってブロック塀を構築しました。直ちに、約半分の40センチの幅は当方のものであり、ブロックの撤去を求めて提訴しました。3年6ヶ月を要しましたが、1審全面勝訴、2審全面勝訴で判決が確定しました。近日中に被告が構築したブロック塀は被告の負担で撤去することになり、その際今回確定した境界線に沿って当方の土地に当方の負担で新たなブロック塀を構築しようと思っています。ところが、その作業をするためにはどうしても2日間ほど隣地を使用させてもらわざるを得ませんが、被告側は協力の拒否を通告してきました。確かに、判決の結果と隣地使用はまったく別問題ですので拒否もありうることですが、私としては3年6ヶ月もの間不当に当方の土地を占拠されたのですから、謝罪や賠償の意味も込めて2日間くらい使用を認めてもいいのではないかと、釈然としない心境なのです。そこで、この際反省を求める意味を込めて、3年6ヶ月に及ぶ当方の土地の不当な占拠に対する損害賠償請求または慰謝料請求訴訟を検討したいと思い、ご質問させていただきます。(1)このように、境界確定訴訟後に改めて損害賠償あるいは慰謝料請求の訴訟は可能ですか?(2)もし可能な場合、3年6ヶ月に及んだとはいえ、40センチ×27メートルのわずかな面積ですが、実際請求できる金額はどれくらいでしょうか?弁護士報酬程度回収できますか?(3)当然勝訴を見込んでいるのですが、見込み違いになる場合もありえますか?
以上、大変素人っぽい質問ですが、よろしくお願い申し上げます。

A 回答 (2件)

1 結論


 私見は、以下のとおりです。
(1)は、不法占拠に基づく損害賠償はおそらく認容されるが、慰謝料請求は認容される可能性は低い。
(2)は、地代相当額が請求できる。
(3)は、「境界塀の設置を妨害してはならない。」旨の請求の趣旨で勝訴する可能性が高い。
2 (1)について
 隣家の方(Xさん、とします。)は、3年6か月間、tamatebakoさんの土地を権原なく占拠していたのですから、不法行為に基づく損害賠償義務を負います(民法709条)。
 Xさんが「自分は不法占拠などしていない。」と信じていた(善意の占有者、といいます。)場合、民法189条1項によりXさんが免責されるのではないか微妙ですが、土地の境界線と所有権の境界線とは違うとXさんが信じていたのでない限り、同条2項の「本権の訴(所有権確認訴訟の意味です。)に敗訴した」ときと「同視して」、悪意占有者とみなすべきでしょうね(この主張が採用されない場合が、私が考えるtamatebakoさんの敗訴リスクです。弁護士に相談なさる場合は、この点も検討してもらってください。)。
 これに対して、慰謝料ですが、おそらくtamatebakoさんは、不法占拠されたことの慰謝料と、不当に裁判で争ったことの慰謝料を考えておられると思いますが、両者ともまず認容されません。まず、不法占拠の慰謝料については、不法行為の客体が物である場合は、財産的損害部分の賠償しか認められず、慰謝料は認められないのが原則です。これは、日本の不法行為法(民法709条)が故意過失を区別しないなど、「客観的損害の回復をメインとしており、心情・心理的要素には目をつぶっている」ことなどから説明されます。
 また、勝訴者の敗訴者に対する慰謝料請求も、裁判を受ける権利(憲法32条)が保障されていることなどとの関係で、合理的な根拠・証拠が全くないのに、紛争解決を遅延させて損害を与えるだけの目的でいたずらに応訴したという極端な場合でない限り、認められていません。
3 (2)について
 不法占拠により生じる損害は、地代相当額です。単位面積あたりの近隣の賃料相場に、占拠された面積を掛けることになります。
 「弁護士費用」は、境界確定訴訟の弁護士費用の意味でしたら、請求できません。不法行為に基づく損害賠償請求の場合を除き、弁護士費用の敗訴者負担が認められていないからです。不法占拠に基づく損害賠償請求を弁護士に委任される場合は、不法占拠による損害額の1割が、請求できる弁護士費用の目安といわれています(委任されない場合は、請求できません。)。
4 (3)について
 民法209条1項により、隣地との境界を設置する場合は隣地の使用を請求できます。具体的には、No.1でakariloveさんがご指摘のとおり、承諾の意思表示を求める訴えを提起することになります。この場合、厳密にいうと、立入時間分の地代相当額の償金支払義務があります(同条2項)。

 以上、お役に立ちますでしょうか。
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この回答へのお礼

お礼のお返事が遅れまして、申し訳ございませんでした。大変参考になりました。弁護士と相談するうえでの、参考にさせていただきます。ありがとうございました。

お礼日時:2001/09/16 21:27

 お隣関係と言えども、ここまで、関係がこじれたら、いざとなったら、再び弁護士に相談した方がいいかもしれません。


 ところで、質問についてですが、ブロック塀構築のため隣を使えるか?についてですが、
 確かに、今まで不快な想いをしたからと言って使用できる理由はありません。しかし、民法209条に隣地使用権というものがありまして、それによると、ブロック塀構築のための隣地使用は許されています。しかし、相手が承諾しない場合は、裁判で承諾に代わる判決を得て立ち入ることができます。ですから、いざとなったら裁判ですね。
 そして、他の質問についてですが、まず(1)から。
(1)境界確定訴訟と、損害賠償訴訟とは、訴訟物などの訴訟の内容が違うので、1次不再理の原則に抵触せず、訴訟ができると思います。
(2)うーむ。これは難しいです。 どのくらいの慰謝料になるか、私自身不勉強なもので判例もよく知りません。すいません。ただ、日本は懲罰的損害賠償などが無く、実損害に基づき算定するので、腹が立ったぐらいのことではたいした金額にはならないと思います。
(3)1円でも慰謝料を取れればいいぐらいの気持ちだったら、勝訴すると思います。相手があなたの土地を侵害してたのは事実ですし且つそのことは裁判で確定しましたから。しかし、あなたの納得するだけの賠償金を取れるかについてはわかりません。あなたにとっては、「2度とこんなことしないよう、賠償金を多額にせしめよう」と思うなら、どのくらいとれるかわかりませんね。先ほど申したように日本には懲罰的損害賠償制度が無いので。
よく知りもせず、いいかげんな回答すいません。こんな回答でも今後の指針になれば幸いです。 
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この回答へのお礼

お礼のお返事が遅れまして申し訳ございませんでした。大変参考になりました。近日中に弁護士と相談させていただきます。ありがとうございました。

お礼日時:2001/09/16 21:25

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