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電気分解の陽極の反応で電極に白金等を用いているときは、電極の溶解は起こらずに溶液中の陰イオンが反応しますよね。問題集では、「陰イオンが共存する場合、電荷を失いやすいものから優先して酸化される」と書いてあります。この考え方でOH-とCl-が共存する場合(塩化ナトリウムの電気分解等でよくでてくる)を考えたいのですが、その問題集に参考資料として載っている酸化還元電位をみると、2Cl-→2e- + Cl2(g)(濃度1mol/l)が-1.36V、H2O→2e- + 1/2O2 + 2H+(濃度10^(-7)mol/l)が-0.82Vでこれによると、酸素が発生する反応の方が起こりやすいということになりますよね。ところが別の問題集では「食塩水の電気分解で、濃度が大きいときは陽極の反応で塩素ガスを発生するが、濃度が小さくなると酸素ガスが発生する」と書いてありました。濃淡電池の起電力がとても小さいことから考えて、濃度による酸化還元電位の変化は-1.36Vと-0.82Vの差0.54Vを逆転させるほど大きなものになるものとは思えないのですが、どう解釈すればよいのでしょうか?実際の塩化ナトリウムの電気分解では陰極ではどのような反応がおきているのですか?(ほとんどの問題では塩素発生のみとしているようなのですが)大学受験レベルでお願いします。

A 回答 (6件)

初めて質問に回答します.


電気化学の勉強を最近はじめたばかりの人間なのであまり自身は無いのですがご参考にしてください.

結論から言うと,”酸素発生量が非常に少ないだけ”だと思います.
つまり陽極では塩素と酸素の両方が発生するが塩素発生が目立っているだけだと言うことです.

陽極での反応を簡単に説明します.
NaCl濃度1mol/l,H+濃度10^-7mol/l→PH=7の条件下で電位を上げると,まず0.82VでH2Oが酸化されO2が発生します.更に電位を上げると1.36VでCl-イオンが酸化されCl2が発生し,これ以上だとO2,Cl2の両方が発生することになります.
これはZincerさんの仰っているネルンストの式より計算できます.
しかし,Cl2生成とO2生成では電位に対する反応速度が全く違います.
反応速度は酸化された際に放出する電子の数,つまり電流に依存します.
この電流と電圧の関係はバトラー・フォルマー(Butler-Volmer)の式が成り立ちます.

Butler-Volmer式を簡単に書くと
  i=C1exp(-G/RT)[exp(C2E/RT)-exp{C3E/RT}
     C1,C2,C3:定数
     R:気体定数
     T:温度
     E:電位
     G:活性化エネルギー

となります.
この式から同じ温度,同じ電位でも活性化エネルギーが異なれば電流値が異なることを意味します.
ここで注目すべきは活性化エネルギーが小さいほど電流値(反応速度)が大きいことです.
活性化エネルギーとは原系から生成系へ移るまでのエネルギー差のことです.
ここではCl-イオン→Cl2になるのに必要なエネルギーであり,H2O→O2になるのに必要なエネルギーのことです.
今,手元に活性化エネルギーに関するデータが無いので計算はできないですが,Cl-イオン→Cl2のエネルギーの方が小さいと思います.
これは,Cl-イオンがCl2になる変化に比べ,H2OがO2になる変化の法が複雑であることから推測できます.O2分子はO-H結合が切れ,できた酸素原子が電極表面で拡散し,隣にきた酸素原子とO=O結合をつくり生成する.活性化エネルギーはこれらの足し合せになります.
従って,活性化エネルギーは電極の材質にも依存します.

まとめるとこのようになります.
NaCl濃度1mol/l,PH=7の条件下で白金電極を用いた電気分解では活性化エネルギーがCl-イオン→Cl2の方が小さいため,目に見える反応は塩素発生である.しかし,微少ではあるが酸素も発生している.
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助かりました。

ありがとうごさいます。
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edogawaranpoさんへ


「活量」「活量係数」「濃度」の使い方がばらばらです。
「活量」=「活量係数」×「濃度」
と、なります。
つまり#2の回答では「活量」と「活量係数」が混在し、#3では「活量係数」を説明しようとしていますが、若干ニュアンスが違いませんか?
簡単に言えば、「活量係数」とはある濃度での「反応物質の能率(能力)」みたいな物で、すべての反応に関係するイオンや分子がどれくらいの実力を出しているか(あるいは出し得るか)の割合で、その能力を考慮して換算した濃度が「活量」と言えます。

ponmasaさんへ
「濃淡電池」を知っているということは、ネルンスト(Nernst)の式はご存知でしょうか?
実際に反応に関係しているのは電極表面でのイオンの濃度(厳密には活量)であること考えると理解は出来ないでしょうか?
高校レベルではないかもしれませんが、実際の反応では電極表面でイオン等が消費されるため、溶液中での濃度よりもかなり低くなることは考慮しないといけません。
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>かつ量



「活量」と書きます。おそらく高校での受験勉強のレベルを超えた内容(高等学校化学クラブ程度)です。
電気化学反応が起こるときに.
A+e → ....
という反応が.100%起こるわけではありません。すべての反応が起こる場合をかつ量を1.まったくおこらない場合のかつ量を0として.溶液の中に存在する物質のうち.反応に関係する割合をかつ量といいます。
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電気化学反応は.電極表面の化学反応がりっそくとなる場合と電極表面への物質移動がりっそくとなる場合の2通りがあります。


>その問題集に参考資料として載っている酸化還元電位をみると、
以下の内容は.化学反応がりっそくとなる場合.かつ.濃度が1もる/l.かつ.かつ量が1である場合にかぎられます。

平衡電位の計算では.3%程度では.たしか.塩素のかつ量は0.5-0.1程度(記憶があやふや)で濃度依存.
水のかつ量は1.濃度は55モルでほぼ一定.

水の移動は.水素結合によりほぼ瞬時.
塩素の移動は.拡散則がまともに効いて.電流密度によっては電極周辺の塩素がほとんどなくなるような状態になります。

したがって.かつ量・電流密度によっては反転可能な領域です。ほぼ同じような電位で両方のガスが発生します。ガスクロやガスマスがさびるという理由で.報告はきわめてすくないです。

>別の問題集では
の内容は.時間変化を追いかけていませんよね?。はじめは塩素が十分含まれていて.時間とともに塩素がなくなり.か性ソーダ水溶液になるので酸素が出るといういみでしょうか。

この回答への補足

ご返事ありがろうございます。少しご説明願います。かつ量とはなんなのでしょうか?

補足日時:2001/09/17 23:43
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>「食塩水の電気分解で、濃度が大きいときは陽極の反応で塩素ガスを発生するが、


> 濃度が小さくなると酸素ガスが発生する」

これはおかしいんじゃないですか?溶液中に塩素イオンがなくなった時点で、酸素が
発生するのであって、濃度がどうのこうのと言うことではないと思いますよ。

>実際の塩化ナトリウムの電気分解では陰極ではどのような反応がおきているのですか?
陰極にはナトリウムイオンが集まってくるだけで、何も発生しなかったんじゃなかったか
な?(水素は発生しなかったように思えるのですが・・・。自信ないです。)

この回答への補足

すいません、質問の最後の部分は陰極ではなくて陽極です。書き間違いました。

補足日時:2001/09/17 07:06
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