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GCパーセントで生物を分類する意味を教えて下さい。また、ATは水素の二重結合である一方、GCは三重結合であるためGCパーセントが高い生物ほど遺伝的変異が起きにくく、また高等生物と判断してよろしいのでしょうか。

A 回答 (2件)

GC含量と生物の複雑性とは関係がないと考えて良いとおもいます。

しかし、GC含量を測定することは現在でも重要な意味を持つ場合があります。詳細なシーケンスデータの蓄積がない場合には、その生物の染色体組成を特徴づける一つの指標になります。シーケンシングには時間と費用がかかる一方、生化学的手法によるGC測定は簡便で、非常に安上がりだからです。
 モデル生物のようなメジャーな生物のゲノムはすでに配列決定されていますが、未だに配列決定されていない種が大多数です。そのような生物学的に重要視されていない種の配列をすべて決定するほど、シーケンシング技術は簡便ではありません。これは微生物学分野のような、未知の種が多い場合に特に言えることです。そのような理由から、現在でも新種の微生物を論文発表する際にはGC含量を記載します。他の回答者のおっしゃる通り、GCは指標の一つでしかありません。同一属の生物でもGC含量が違う場合(これは例外だが)があるのです。しかし、GC含量が異なっていれば間違いなく別種といえます。微生物を分類するにはさらに、一部のDNA(16S rRNA遺伝子)や脂肪酸組成や増殖環境などを詳細に調べます。
 またヒトのような高等生物では、全ゲノムが明らかになる以前から染色体のGC含量の局所的なLowとHigh領域が注目を集めました。ゲノムのGCモザイクによるバンド構造は、チンパンジーなどのそれと酷似しています。
 以前読んだ本に、GC圧という説が載っていました。生化学実験講座だったかな?GCはATより結合力が強いので、高温環境などの変異性環境での進化で保存されてきたという説です。そして生物が高温から低温に移行するとGC圧から解放されAT含量が増すという説で、実験データもそれなりにしっかりしたものでした。ずいぶん前の本で、今の説は違うかもしれませんが、私はその研究に大変感銘を受けた記憶があります。GCは奥の深い世界だと思いますよ。
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この回答へのお礼

丁寧なご回答、ありがとうございました。

お礼日時:2005/05/10 09:35

まず、GC含量で分類する意味ですが、そうした特徴により進化系藤樹を描くことはできますが、その意味といっても、GC含量は必ずしも生物分類のメジャーな指標ではありませんよね?どのような意図でのご質問かはわかりませんが、あえて答えるならば、種によって異なるDNAメチル化のような修飾による起こる変異の差ななども考えられますが。


もうひとつ、高等生物程GC含量が高いというのは関係がありません。ヒトやマウスでは、GC含量は40%程度であり、一方、細菌でも60%程度のGC含量を持つ種もあります。"ATは水素の二重結合である一方、GCは三重結合"というのは正しいのですが、そのことと変異率は一致していません。(変異には様々な種類がありますが、例えば代表的な点変異にCG配列を脱アミノ化によってTGに変化させるなどの特徴がそれぞれあることがあります。)
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この回答へのお礼

ありがとうございました。参考になりました。

お礼日時:2005/05/09 22:21

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