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フィンランドの病院について概要をご存知の方、教えてください。ある雑誌には3000床を有する大学病院について書かれているのですが、その程度の大病院がじっさいにあるのでしょうか?日本なら大きな大学病院でも1000床前後かと思うのですが、ご存知の方がいらしたら教えてください。また、看護師のクリニカルラダー制度がどの程度実行されてるのでしょうか。

A 回答 (3件)

どなたもお答えにならないようなので、フィンランド人医師の友人から聞いたことを、思い出すままに書いてみます。



フィンランドの公的医療は、KELAと呼ばれる社会保障制度によって運営されています。この費用は税金の一部として、皆が払います。病気になった場合は、まず自分の住んでいる地域のprimary health care centerに行き、医師の診察を受けます。この医師は一応なんでも診察してくれますが、軽い病気のみ自分で治療してくれます(時間がたてば治るからと、痛み止めも含め何もくれないことも多いです)。眼科や皮膚科など専門医の診察が必要な病気とその医師が判断した場合は、大学病院など大きな病院に紹介状を書いてくれます。命にかかわるような病気でない場合、紹介された専門医の診察の予約は数ヶ月、長いと半年後にしかとれません。これは社会的問題になっていますが、なかなか解決できません。ちなみに北欧の公的医療は無料という印象が強いと思いますが、病院にかかると実際には一日20ユーロ程度支払います。

診察まで数ヶ月待つのが嫌な人は、自分でprivate clinicを受診します。自分が眼科の病気だと思えば、最初から眼科のprivate clinicで専門医の診察を受けられますが、診察料金はかなり高額です。もし手術などの高度治療が必要と判断された場合は、大学病院などへ紹介されますが、Primary health care centerから紹介される場合と異なり、すぐ治療してもらえることが多いようです。裕福な人はより良い医療を受けられる国です。

フィンランドに大学病院は5つあります。そのうち最大なのはヘルシンキ大学中央病院のはずだと思いますが、ベッド数は1600ほどです。3000床ある病院は知りません。
大学病院という名前がついていますが、運営は地方自治体が行っており、ヘルシンキ大学中央病院の場合、ヘルシンキ市でけでなく周辺の自治体もそれぞれ運営資金を出しています。出した資金量に応じて、その市民が治療を受けられると聞きました。つまり自分の住んでいる自治体の資金が、既に他の市民の治療に使われていた場合は、自治体が追加の資金を出してくれない限り、次の年の支払いが終わるまで治療を待たないといけないそうです。

医師・看護師の待遇は近隣諸国に比べとっても悪いそうで(それでも日本よりはずっと良いように思いました)、フィンランドを離れノルウェーやスウェーデンにうつる人も多く、医師不足・看護師不足だそうです。最近は旧ソ連や東欧から移民としてやってくる医師が増えたそうです。

お役にたちますでしょうか?
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
おそらく病床数の件は、病院のみでなくクリニックなどを含めているか、大学病院を複数合わせて述べているのかもしれません。
北欧のヘルスケアシステムはある程度評価されているもの(別の側面でかもしれませんが)と思っていたので少し驚いています。

お礼日時:2005/05/31 23:32

そうですね。

日本では北欧のヘルスケアシステムは良いものという印象が強いようですが、その背景や問題点についてはほとんど知られていないように思います。個人的には、医療に関しては日本のほうが断然良いシステムだと思っています。WHOの評価でも、日本のシステムのほうが高い評価ですよね。

今年の新聞記事をいくつか紹介しておきます。フィンランドで最も発行部数の多い一般紙の英語版です。
http://www.helsinginsanomat.fi/english/article/1 …
http://www.helsinginsanomat.fi/english/article/1 …
読んで頂ければわかると思いますが、private clinicの診察料の約30%をKELAが払い戻す制度があり、その費用が増加して自治体が困っているという話です。またOECDの調査で、フィンランドがお金持ちほど良い医療を受けられる国のトップであり、収入の多い人ほど公的医療の恩恵にもあずかっていると書かれています。これは、一部の裕福な人を除けば、医療へのアクセスが難しい、治療を受けるまでに時間がとてもかかるということだと思います。今年からフィンランドでは、発症から6ヶ月以内の治療開始を患者さんに保証するということになっていますが、人手不足から本当にできるのか危ぶまれています。当然、こんな話がでるということは、これまで公的医療では症状がでてから半年以内に治療をうけることが難しかったということです。

http://www.helsinginsanomat.fi/english/article/1 …
http://www.helsinginsanomat.fi/english/article/1 …
医師の数は増えているのに、地方の医師は不足している、また首都ヘルシンキですら公的なhealth care centerの医師が不足しているという記事です。
別の記事には、自治体が医師を確保できないのでprivate clinicから手術枠や時間外患者の診察枠を購入したというような記事もあります。

国民性の違いでしょうが、フィンランドの医療関係者は他の産業の労働者と同じく、ストライキもしますし、年に1-2ヶ月のバケーションも取りますし、待遇の悪い職場から良い職場へ転職します。医師だから、看護師だから、労働条件や給料のことなどは気にせずに、常に患者さんのことだけを考えて働け、夜中に呼び出されても嫌な顔せず働けという日本のシステムに比べ、とっても人間的だと思います。医療関係者として働くには、悪くない国だと思います。給料は、ノルウェーの半額だそうですが。
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ベッド数に関して追加です。



ヘルシンキ周囲の医療圏 HUSの詳細です。
http://www.hus.fi/default.asp?path=59,404,4024
http://www.hus.fi/default.asp?path=59,403,5831
医療圏人口142万人に対して、ベッド数は3670ですね。
予定手術、緊急手術あわせて年間11万件ですから、1ベッドあたり30件ほどでしょうか。回転は速そうです。ちなみに、お産は入院3日が標準です。
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