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(1)「嬉しいです」「優しいです」など、形容詞と「です」を直接繋げるのは、文法的になにか問題がありますか?

(2)「嬉しいのです」とした場合の「の」を文法的に説明すると?

(3)「良さそう」「無さそう」の「さ」って何ですか? 「良そう」「無そう」が正しいと思うのですが、新聞でも「よさそうだ」という表現をしています。誤用ですか?

どれかひとつでもいいので、教えてください。よろしくお願いします。

A 回答 (5件)

(1) 「形容詞+です」の用法は戦前からありました。


戦前の学校文法では、「です」は体言に接続し、動詞や形容詞には付かないとされていたので、「形容詞+です」はその頃からしばしば問題にされていたようです。

戦後、昭和27年の国語審議会建議「これからの敬語」の中に「形容詞と〈です〉」という項目があり、
 これまで久しく問題となっていた形容詞の結び方
 ―たとえば「大きいです」「小さいです」などは、
 平明簡素な形として認めてよい。
という見解が出されています。

それ以降の学校文法では、「形容詞+です」を正しい形として認めています。
平明簡素な敬語として「です・ます」を基調とする中で、形容詞だけ最上級の「ございます」を付けるのは統一を欠き、現在ではむしろ不自然といえるでしょう。
岸朝子女史の「おいしゅうございます」が特に不自然さを感じさせないのは、全体の調和が取れているからだと思います。

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(3) 様態を表す助動詞「そう(だ)」が、語幹が1字の形容詞「良い」「無い」などにつくときは、間に「さ」が入ることになっています。大辞林も広辞苑も同様ですが、「さ」の品詞が何であるかは触れていません。
ちなみに大辞林では「ない」「よい」に限っています。
http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%A4%BD …

個人的には、形容詞の語幹に「さ」をつけて名詞化した「な‐さ」「よ‐さ」に、「そう(だ)」が付いたのではないかと思いますが、確証はありません。
五段動詞やサ変動詞に「さ」を入れる、いわゆる「さ入れことば」とは違いますね。

ふと、「濃い」は「濃さそうだ」と言うような言わないような…と思い付いて、Googleで検索してみたところ、興味深い小論文がありました。

『「なさそうだ」の品詞分解に関する考察』
http://www.ge.fukui-nct.ac.jp/~nihongo/essay/nas …
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。私が「~しゅうございます」に気恥ずかしさを感じるのは、全体としての自分の話し方やパーソナリティーにそぐわないからなんですね。正しい日本語を話せるということは、人間性を磨いてこそなのかもしれません。考えさせられました。
(3)についての小論文もこれから目を通したいと思います。どうもありがとうございました。

お礼日時:2005/06/20 12:53

No.3の補足です。


(1)に関してはNo.2の方がおっしゃる通りですが、現在では「丁寧の意味を添える」働きとして「形容詞の終止形+です」は定着していると思います。誤りだという方々もいらっしゃいますが、これだけ定着していると、もはや間違いとはいえないのではないかと思います。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。どうも(2)については確定しないようですね。(1)については、元々は誤用だったけれど現在ではそれが定着している、ということでしょうか。私は未だに違和感が拭えませんが・・・。どうもありがとうございました。

お礼日時:2005/06/20 12:52

(1)文法的に問題ありません。

「形容詞の終止形+です」は、敬語表現(丁寧体)の形式です。

(2)形容詞の連体形「うれしい」+格助詞「の」+助動詞「です」
活用語(動詞や形容詞など)の連体形と断定の助動詞「だ」の間に入ります。活用語の連体形につくことで「これは体言だ」ということを示す役割を持ちます。
「のだ」というひとかたまりで、話し手の意志を示したり(「必ずやり遂げるのだ」など)、前の文や、ある状況との関連を表したり(「足跡がある。誰か来たのだ」など)、~のですか?という形で疑問を表したりします。
「です」につく場合も同様ですが、「です」は、(1)のように丁寧さを添える意味で形容詞の終止形に直接つくこともあります。この場合、関連づけなどの意味はありません。

(3)助動詞「そうだ」は形容詞の語幹につくのが原則ですが、「よい」と「ない」だけは、間に「さ」をはさむという例外があります。
形容詞の「ない」ではなく助動詞の「ない」にはこの例外は適用されません。「知らない」に「そうだ」をつける場合は「知らなそうだ」となります。
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(1)はおっしゃるとおり、文法的には正しくありません。

過去に回答したものをご参照下さい。
文語でせっかく助動詞をつけるためにカリ活用を作り出したのに、口語が成立するときにそれを十全に継承しなかったためで、口語日本語の大きな欠陥となっています。
話し言葉では許容するしかないでしょう。
(2)「の」はいわゆる準体助詞とみていいとおもいます。
「の」がある場合は、それがない場合に比べて、説明的な語気が加わるように思います。
(3)「よい」「ない」に限り「さ」を挿入するのが標準的です。
ただし、打ち消しの助動詞(これも共通語で「ぬ」を捨てて「ない」としたことは痛恨事)の場合は「さ」を挿入しません。
従って、「あまりにも現実を知らなさ過ぎる」は誤用で、「…知らな過ぎる」と言うべきです。

参考URL:http://okweb.jp/kotaeru.php3?q=1184987
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。過去ログも拝見しました。日本語にとても敏感な方なんですね。見習いたいと思いました。

お礼日時:2005/06/20 12:52

わかりませんが、わかりそうな範囲で答えますので、話半分で。



まず、(1)
「です」は断定の助動詞「だ」の丁寧な形ですので、それぞれ形容詞についたそれらを「だ」に置き換えますと、「嬉しいだ」や「優しいだ」となり、はっきり言っていいませんよね。戦後、講談師だったか誰かが言い出したのが一般に広まったという説を聞いたことがあります。では、それ以前、形容詞を用いて丁寧な表現をしようとすると、どうなったか。
「嬉しゅうございます」「優しゅうございます」と、形容詞連用形を用いて、後にございますをつけていたということになります。今でも使わないことはありませんが、やけにきれいぶった言葉にも聞こえ、少し自分が使うには恥ずかしい部分もないことはないですが、本来の日本語からすると、こちらのほうが正しいわけです。ですから、少し年配の方や、かなり歳の離れた方とお話する場合には、「嬉しいです」や「優しいです」ではなく、「嬉しゅうございます」「優しゅうございます」を使ったほうが、適切ではあります。

続きまして、(2)
これはまた「です」を「だ」に置き換えてみますと、「嬉しいのだ」となり、これの場合は言えます。もともとは「なのだ」という助動詞断定の「だ」をふたつ重ねた、もってまわった言い方が、形容詞につき、さらに「な」が言いにくくなって抜け落ちたという形ですから、「の」はもとは断定の助動詞「だ」の連用形の名残です。ですが、『日本語文法大辞典』などで調べていただけるとわかりやすいと思うのですが、「のだ」や「のです」という形が、それらで助動詞のひとつとする専門家の意見というのもあり、はっきり言って日本語の文法体系は確立していませんから、「の」は助動詞断定の「だ」の名残ぐらいと思っていればいいと思います。歴史的な事柄や発祥理由などは、すいませんがわかりません。

最後に(3)
助動詞推量の「そうだ」は、普通形容詞の語幹と結びつきますので、「嬉しそう」や「優しそう」とおなじ理屈でいけば、「良そう」や「無そう」となるはずですし、こちらが間違いと言うことはありませんが、ここからはあくまで推測の域を出ませんが、言ってみて、若い人間の感覚でいくと、やっぱりなんか語感がよろしくない。よろしくないというか、言いにくいですよね。だから、形容詞語幹と助動詞の間になにか入れたかったのではないでしょうか。「良さげ」「無さげ」などという言葉もありますが、そういうものとなにか関連性があるようにも感じます。ですが、これ以上のことは言えません。はっきり言って、知識不足です。

なにか、尻すぼみに終わったような感じですが、言語というのはどうしても変化しますから、今は誤用でも、後には一般化するということがありますので、正しい言葉遣いに気をつけるというのはまっとうな姿勢ではありますが、偏執的にならないように、上手に言葉を使うといいと思います。言葉は道具でもあるので、遊び道具ともなりえます。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。「嬉しゅうございます」は、なんとなく気恥ずかしくて使いにくいけれど、「嬉しいです」ではどうにも気持ち悪い・・・と思っていたんです。正しい言葉を知ることも大事ですが、TPOに合った言葉遣いを心掛けたいと思いました。

お礼日時:2005/06/20 12:52

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