No.2ベストアンサー
- 回答日時:
いんちきな予備校教師のような説明になってしまいますが、ご了承を(内容はあってると思うが文体が軽薄)
まず、体細胞分裂について説明します。
・体細胞分裂とは、文字通り「体を成長させたり、メンテナンスするための細胞分裂」です。目標は、「自分とおんなじ細胞をもう一個つくること」です。
さぁ、自分とおんなじ細胞を作るには、何が必要でしょうか?いろいろ挙げられますが、細胞を構成するものは基本的には2種類に分けることができます。
1、細胞の設計図である”DNA”(一番大事)
2、細胞を形作るためのそのほかいろいろなもの、
主にたんぱく質
分裂するぞ!という細胞は、細胞周期のなかのS期(習ったかな)に、これらの2つのものを準備します。
1、DNAは、核のなかに大事にしまわれていて、DNAポリメレース、という酵素がこれをそっくりコピーしてくれます。まずひとつ準備おわり。
2、たんぱく質をどうやって作るか、という設計図は、核のなかにしまわれているDNAに書かれています。
たんぱく質は、おもに、核の外にある(細胞質内の)リボソームによって合成されます。(そして、リボソームがくっついて仕事をしているのが、粗面小胞体)
しかし!大事な大事な設計図を、むやみに核のそとに持ち出すわけにはいきません。
そこで、たんぱく質をつくるときには、元の設計図(DNA)からRNAという設計図の写しがつくられ、これが核の外にはこばれます。
リボソームは、このRNA(写しの設計図)に書かれているとおりに、アミノ酸をつないでたんぱく質を合成します。
さぁ、これで、細胞をもう一個作るのに必要なものが全部そろいます。
ここで話を整理します。普通の細胞がたんぱく質を作るときには、かならず、
DNA→RNAの写しをつくる→これを元にたんぱく質をつくる
という流れに沿って行われます。
1958年に、Crickさんがこの順番の決まりを
「セントラル・ドグマ」
と名づけました。「セントラル=中心 ドグマ=教義・宗教の大事な教え」 という意味です。
Crickさんは言いました。
「生き物は、みんなDNAからDNA、またはRNAをつくり、そのRNAをもとにたんぱく質をつくる、この順番に
”間違いない!”(永井秀和風)」
(この後は余談です)
しかしこのあと、HIVウイルスのように、RNAを自分の基本の設計図として持ち、そこからDNAを写しとして作って、それから自分の設計図としてのRNAや、自分の体を作るたんぱく質のためのRNAをつくるものがいることがわかり、学者さんはみんなギャフンといいました。
このようなもの(ウイルス)は、RNA→DNAという、セントラルドグマに逆行することができる酵素(逆転写酵素)というものを持っています。
そして、このウイルスの仲間は、レトロウイルス(レトロ=逆行)といわれています。
ご回答ありがとうございます!
体細胞分裂がとても解りにくかったのですが、よく理解できました!
昨日、逆転写酵素について習いました。HIVウィルスのする離れ業や、
なぜ特効薬の開発が難しいのか、がわかりました。本当に怖いウィルスですね。
参考書の様な難しい解説ではなく、とても解りやすい解説文でした!
ありがとうございました!
No.3
- 回答日時:
「複製」と、「転写・翻訳」を分けて考えたほうがいいかもしれません。
複製では染色体の中にある遺伝子の部分も、そうでない(ジャンクと呼ばれる)部分も全部コピーされます。(染色体の中には生物の種類によって一定の数の遺伝子が存在します。しかし遺伝子の領域の割合は、そうでない領域に比べて一般的に少ない)
従って、染色体がx個あったらx個ともきれいにコピーされるのです。1つの細胞が持っているDNA全部のコピーができるということです。
転写と翻訳は、複製と違って、染色体の中にある、ごく限られた部分(つまり遺伝子)の写し取りなどにより起こります。普通、分裂してない細胞で起こります。
ですから、転写と翻訳では複製のように、一つの細胞が持つ全部のDNAをRNAに写しとって、タンパク質を作るということをするのではないですよね(理解されてましたらすいません)。
たとえば1000個遺伝子をもつ生物がいたとします。
その生物が酵素Aというものを作りたかったら、1000個ある遺伝子のうちの1個の「酵素A遺伝子」から転写と翻訳で酵素Aを作ります。
まとめると、
複製は1つの細胞の持つ全部のDNAのコピー。(一般的に分裂を伴う)
転写は1つの細胞の持つ一部のDNA(遺伝子)のm-RNAへの写し取り。(分裂を伴わなくてよい)
翻訳は転写でできたm-RNAの指示するアミノ酸配列からタンパク質の合成。(分裂を伴わなくてよい)
高校のちょっと自信のない知識ですいません。
>転写は…。(分裂を伴わなくてよい)
僕自身が、複製・転写と分裂を無理やり一緒に考えていたことがわかりました。
もやもやしていた部分がわかりました。アドバイス、ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
セントラルドグマとは
DNA→(複製)→DNA→(転写)→RNA→(翻訳)→タンパク質
という遺伝情報の伝達経路のことですが、この経路は情報の伝達過程のみを示すもので実際の反応がこのように連続して起こるわけではありません。
複製経路(DNA→DNA)は細胞分裂と平行して起こります。分裂前に2倍に複製され、分裂後にはそれぞれの細胞に1/2づつ(元の一個分量)が分配されます。
転写ー翻訳過程は遺伝子の発現過程です。そのおこなわれる時期は様々で遺伝子ごとに異なります。この過程で合成されたタンパク質(酵素)によって体内でいろいろな反応が起こります。
ご解説ありがとうございます・
セントラル・ドグマ=中心"教義"なので、情報の伝達過程を示しているだけなんですね。
無理やり「(時間的な)関連があるんだ!」と思い込んでいました。
ありがとうございました。
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