No.11ベストアンサー
- 回答日時:
読んだ範囲の中での回答ですので、他にもこのようなテーマの作品はあるとは思いますが、
まず最初に思い浮かんだのはカフカです。
カフカの小説全般にも言えるのではないかと思うのですが、とりわけ「城」はそれが顕著ではないでしょうか。
測量士Kは城主から招待状を受け取りながら、何時まで待っても城に案内してもらえない。
挙句の果てには城の周りを巡るだけで疲労困憊に陥ってしまう。
おそらくカフカはこの小説を完結する意思がなかったか、あるいは完結できなかったのか、
そこのところは分かりませんが、
今でも測量士Kは城の外で待たされているのではないでしょうか。
もうひとつはクレイ・レイノルズの「消えた娘」
こちらはがらりと変わってサスペンス小説で、この作家がどのような人であるかは詳しく
分からないのです。この小説のあと「アガタイトの惨劇」という本が翻訳(こちらは未読)されただけで、
本国で執筆活動をしているのかどうかも詳しくは知りません。ただこの「消えた娘」を読んで
こんなサスペンス小説もあるのかと思い、忘れられない小説のひとつとなりました。
ストーリーはいたってシンプルで、夫に愛想を尽かして、十八歳の娘と一緒に家出してきた母親は、
シカゴのアガタイトの町に着く。
ちょうど車が故障したのでその修理の間、広場のベンチの前で待っている時、娘がアイスクリームを
買いに行くと言って5セントを持って向かいの店に入っていった。
そしてそのまま母親は、一時間、二時間、一日、一週間とひたすら娘の帰りを待っている。
これだけの話なんです。
もちろんサスペンス小説なので結末はちゃんと用意してあるのですが、待つという行為が、形而上な様相を
おびてきて最後はどうなるのだろうとおもわず考えこんでしまう小説でした。
残念ながら現在は絶版になっていますが、ネット上の古書店で安価で売られていますので、
読まれている方もそう多くないはず、是非一読することをお奨めいたします。
フランツ・カフカ 「城」前田敬作訳 新潮文庫
クレイ・レイノルズ「消えた娘」土屋政雄訳 新潮文庫(絶版)
No.10
- 回答日時:
お好みに合うかどうかわかりませんが、No.8さんが紹介した『雨月物語』の一編「浅茅が宿」をモチーフにしたアニメと原作本があります。
藤川桂介さんの『ウィンダリア 童話めいた戦史』(角川文庫)
「浅茅が宿」は意外と人気のようで時々創作劇に使われたりするようです。
参考URL:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4041653 …
No.9
- 回答日時:
文学では、マルグリット・デュラス「苦悩」。
デュラスが戦時中書き残した日記を自身が後年見つけ、それをまとめたものです。
第2次世界大戦末期のパリ。
ドイツが連合軍に敗北する直前、デュラスは後の故ミッテラン大統領(当時はフランソワ・モルランと呼ばれていました)より、夫が収容所にいることを知らされます。生きている、という情報を得ますが、その後続々と帰還兵がパリに到着する中、デュラスの夫はなかなか帰ってこず、その彼を待ち続ける日々と再会、その後の別離が淡々した文体でありながらも、強い熱情を持って語られています。
映画では「コールド・マウンテン」も待つ映画じゃないでしょうか。
南北戦争を背景とした、二コール・キッドマンとジュード・ロウ主演の文芸大作です。
No.7
- 回答日時:
古いところで
「幸せの黄色いハンカチ」
などは?
『もし、まだ一人暮しで待っててくれるなら……黄色いハンカチをぶら下げておいてくれ、それが目印だ、もしそれが下がってなかったら俺はそのまま引返して、二度と夕張には現れないから………』
No.2
- 回答日時:
「初恋のきた道 」
過疎化の村の女の子が、臨時でやって来た“学校の先生”に恋して、彼が都会に帰ってもずっと待ち続ける話です。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005M …
少し趣旨が変わりますが
「マレーナ」は、主人公の男の子の成長物語がメインですが、男の子が憧れる美女「マレーナ」は戦地に行った旦那さんをずっと待っています。その間に彼女が時代に翻弄される話です。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005S …
参考URL:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005M …
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