先日、滴定の実験をしました。そして課題で“なぜ精確にはかりとった水酸化ナトリウムで塩酸を直接、滴定しないのかを考えて、factorの意義について考えよ。”というのが出されました。実験内容は、濃度の分かっている(0.05M)のシュウ酸を約0.1Mの水酸化ナトリウムで滴定し、その後その水酸化ナトリウムで約0.1M塩酸を滴定しました。
直接滴定しないのは、まず水酸化ナトリウムの濃度を約なので正確な値が分かって、次にまた塩酸に滴定して正確な濃度が分かるからだと思うんですが、“factorの意義について考えよ”とはどういうことなのかが分かりません。宜しくお願いします。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
まず、factorをどのように使うかについて考えてみて、その後で意義について考えてみましょう。
約0.1MのNaOHを調製し、それの精確な濃度を滴定によって調べたところ、0.102Mであったとしましょう。その場合、そのNaOHの濃度は0.1M (f=0.102)と表します。ここでのfがfactorです。すなわち、NaOHの濃度をを0.102Mと表すかわりに、0.1M (f=1.02)と表していることになります。
このように、分析化学において習慣的にfactorを用いるのは、そうした方が便利であるからです。
その理由として、以下のようなことがあげられます。
まず、試薬の純度その他の理由で、一般的に精確で端数のない濃度になるように試薬を調製することはできません。
結果的に、精確な濃度をfactorを使わずに表そうとすると、たとえば、0.102Mというように端数がつくので、何かと不便です。
そのために、通常は0.1Mというおおよその濃度で表しておき、精確な計算をするときにfactorを使って濃度を補正した方が、全体としては楽であるということです。
また、たとえば試薬の必要量を概算するときにも、0.102等といった細かい数値を用いるよりも、0.1Mといったおおよその濃度を用いた方がミスが少なくなると考えられます。
要するに、factorを使わなければ滴定ができないというわけではないのですが、慣れればその方が便利であるということです。
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