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被告人の無実を知った弁護人は、被告人が身代わりとして有罪を望んでいる場合、被告人の意に反して、無罪になるように弁論するべきなのでしょうか?それともしないほうがいいのでしょうか?教えてください。

A 回答 (2件)

こんにちは


弁護士の責務は、被疑者・被告人の利益を擁護することにあることは間違いないのですが、この場合は「利益」とは何かということが問題となります。

日本弁護士連合会の弁護士倫理第9条から引用しますと「弁護士は、被疑者及び被告人の正当な利益と権利を擁護するため、常に最善の弁護活動に努める。」と書かれています。

例えば、身代わりになることで金銭的な報酬を受けるようなことを被疑者・被告人が利益と考えたとしても、弁護士が同様に、利益と考えるかどうかは疑問です。明らかに公序良俗に反することだからです。

解任される可能性があっても、社会通念上想定される利益、すなわち無実を主張すべきだろうと思います。
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私も、日弁連の「弁護士倫理規定」を読んでみました。



第6章の「裁判関係における規律」には次のような規定があります。

第53条(裁判の公正と適正手続)
弁護士は、裁判の公正及び適正手続の実現に努めなければならない。
第54条(偽証のそそのかし)
弁護士は、偽証若しくは偽証の陳述をそそのかし、又は偽証の証拠を提出してはならない。

弁護士としては、依頼人の嘘に気づいている限り、その嘘に基づいた弁護活動はできないことになるだろうとになります。

また、第3章の「依頼者との関係における規律」では、以下のように定めています。

第18条(依頼者との関係における自由と独立)
弁護士は、事件の受任及び処理にあたって、自由かつ独立の立場を保持するように努めなければならない。
第19条(正当な利益の実現)
弁護士は、良心に従い、依頼者の正当な利益を実現するように努めなければならない。

これらの規定に従えば、「自由かつ独立の立場」から、自己の「良心に従」って、何が「依頼者の正当な利益」を判断するわけですから、必ずしも依頼人の意向に沿って行動しなければならないというわけではなようです。

もっとも、依頼人と弁護士の関係は、相互の信頼に基づくものですから、依頼人の嘘に気づいた場合は、いきなり真実をすっぱぬくのではなく、依頼人を説得して真実を明らかにすることについて承諾を得るべきだろうと思います。
依頼人がどうしても言うことを聞いてくれない場合は、
第34条(依頼者との信頼関係が失われたとき)
:弁護士は、事件に関し依頼者との間に信頼関係が失われかつその回復が著しく困難なときは、その依頼関係の継続に固執してはならない。
という規定もありますから、弁護人を辞任することになると思います。
あるいは、辞任するより前に依頼人に解任されてしまう可能性も高いかもしれません。
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