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炭素には複数の同素体がありますが、ケイ素には同素体がありません。なぜでしょうか?
原子番号が大きくなると結合距離が長くなるので、
グラファイトのようなSP2結合の結晶ができにくくなるということでしょうか?
しかし、ケイ素より原子番号の大きいスズには同素体がありますよね。
ご教授願います。大学で無機化学を専攻しています

A 回答 (5件)

はじめまして。



sp2結合についてはNo.4の方の説明で充分に思われますので、私からは錫の同素体について。
(専門用語にすっかりご無沙汰してるので、使用法の間違いがあっても大目にみてやって下さい)

α錫とβ錫の相転移は、仕組みはともかく現象自体は結構古くから『錫ペスト』として知られていました。
(「常温で金属の錫が寒冷地での使用により過冷却に」→「一部の錫製品が相転移して不定形炭素と同様の粉末化」→「過冷却状態だった他の錫製品にも一斉に波及」という連鎖が、ペストの流行を連想させた、と)

さて、本題ですが、この相転移には『電子の励起』が関わっています。
普通、励起というと炎色反応とか光反応とかを想像してしまいますが、実は常温付近でも起こすものがあって、錫もそのひとつです。
一般に知られている「金属錫」、あれはいわば「励起状態の錫の集合体」になります。
(基底状態での結晶が、絶縁体の錫)

軌道が埋まれば埋まるほどHOMO-LUMO間の遷移エネルギーが小さくなるので、重い元素ほど金属結合を作りやすく(=自由電子を持ちやすく)なる・・・金属錫はその一例というわけです。

つまり、「炭素の同素体」と「錫の同素体」とでは、その原理が全く違うので、中間に位置する珪素に同素体がなかったとしても、必ずしも不思議ではない、ということになります。
(こう考えると、高温高圧下なら珪素にも金属錫と同様の同素体があるかもしれません)
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一般に、炭素-炭素結合に比べて、ケイ素-ケイ素結合は弱い結合であり、特にケイ素-ケイ素π結合の結合エネルギーはわずか25kcal/molと言われており、その値は炭素-炭素π結合の半分以下です。


そのために、ケイ素-ケイ素二重結合を有する化合物の合成は困難で、1981年になって初めて合成されました。しかも、その化合物というのは、ケイ素-ケイ素二重結合の周辺に、かさ高い置換基を配置して、他の試剤による、二重結合への攻撃を立体的に阻害することによって、安定性を保持しているような化合物です。
すなわち、通常の状態では、ケイ素-ケイ素二重結合は不安定すぎるために、グラファイトのような同素体を形成できないのではないでしょうか。
このことは、スズに関しても同様であり、スズの同素体に関しても、グラファイト構造のものがあるわけではないようです。
ケイ素に比べて、スズの方が金属性の高い元素のように思われますが、そのあたりのことが、同素体の存在の有無に影響を与えているような気がしますが、確かなことではありません。

参考URLの文書は、高周期典型元素の多重結合に関して述べられたものです。

参考URL:http://www.tokyokasei.co.jp/kikou/bun/105dr.pdf
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おおスゴイ絶縁体のスズがあるのか!


だが、結晶系の違いのどこまでが「同素体」なのか?
いや、恐れ入りました。
<(_ _)>
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同素体の存在条件ってわかっているのかな?少なくともネット上にはないみたいですね。


スズの同素体は
http://www.suginami.ac.jp/study/chemistry/atom05 …
にありました。なお、このページの親ページ、
http://www.suginami.ac.jp/study/chemistry/atom00 …
で、いろいろな元素をしらべてみると、
ウランやプルトニウムにも何種類も同素体があるみたいですし、
どうも原子番号は決定的要素ではないみたいですね。
お役に立てなくてすみません。
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済みません、寡聞にして、スズに金属スズ以外のものがあるとは知りませんでした。


お教え下さると幸いです。
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