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85℃の温水を保温された円管で輸送するとき、50m下流で68℃になった。
入り口より100m下流では何℃まで低下するか。ただし外気温度は25℃一定で、熱貫流係数も管長によらず一定である。

という問題が解けません。
保温された円管、とあるので、管の長さが、50mの時と100mの時の熱量は同じかと、思って問題を解いてみましたが、書いてあった答えになりませんでした。
書いてあった答えは55.8℃です。
どうやって解けばいいのか、考え方を教えてください。
お願いします。

A 回答 (3件)

冷却は細かく見ると複雑な現象ですが,経験的(現象論的)には,


冷却の割合はその物体の温度と周囲の温度との差で決まります.
これをニュートンの法則と言っています.

     はじめ    50m    100m
温度    85     68     55.8
温度差   60     43     30.8
温度低下  0     17     12.2
低下割合    17/60   17/60
(温度単位の℃を略)

というわけです.
つまり,50m 行くと 17/60 だけ温度差が低下する.
あるいは,50m 行くと温度差がもとの 43/60 になる.
だから,50m からさらに 50m 行けば,
温度差は 43[℃]×(43/60) = 30.8[℃] になる.
あとは,数値を戻して 55.8[℃]になります.

もう少し解析的に話をすれば,場所 x での温度差をθ(x)と書くことにして
(1)  - dθ/dx = cθ
という微分方程式でこの現象が記述されます.
左辺が冷却割合,右辺がその物体と周囲との温度差に比例と言う形になっています.
(1)の解は,x=0 で温度差をθ(0)として(境界条件)
(2)  θ(x) = θ(0) exp(-cx)
です.
上の例に当てはめれば
θ(0) = 60
θ(50) = 43
ですから,exp(-50 c) = 43/60
θ(100) = θ(0) exp(-100 c) = θ(0) {exp(-50 c)}^2
    = 60×(43/60)×(43/60) = 30.8
です.
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます、そしてお礼が遅くなってすみません。とても参考になりました。教科書には、こういった考えは載っていないので、なんか公式を使うのかと思っていました。こういった考えができるようになりたいと思いました。また、よろしくお願いします。

お礼日時:2001/10/27 12:31

明解なご説明の後でお恥ずかしいところですが、、、



>保温された円管、とあるので、(中略)熱量は同じかと、思って

この問題は「ボイラーで85度に熱した水を、パイプで100m先に送る
ときに、どのくらい冷めるか」という工学的なことを問うているので、
「保温」というのは「パイプに断熱材が巻いてある」という現実を
指しているだけで、「熱の出入りがない」という理想的な仮定をする
ものではありません。外気に逃げる熱量(伝熱量)を「外気温と水温の
差に比例する」として扱うのです。

このような「考え方」で、siegmund様のご説明をお読みになると
スッキリしませんか?
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この回答へのお礼

間違いの対しての適切な説明ありがとうございます。
私の周りには、こういった間違いを教えてくれる人はほとんどいませんので、助かりました。こうゆう時に、教えてgooは、とても便利ですね。また、よろしくお願いします。

お礼日時:2001/10/27 12:34

siegmund です.


loveobo さん,適切な補足をありがとうございます.

「保温された円管」に関する hiroko57216 さんの悩み(?)に
関する部分が抜けていましたね.
全く,loveobo さんのご説明の通りです.
「保温された円管」は別に熱の出入りがないという仮定をしているわけではありません.
熱の出入りがないんだったら,
そもそも最初の 50m で 85℃から 68℃に冷えませんよね(全然冷えず 85℃のままのはず).
また,熱貫流係数云々という記述も,
円管から外へ熱が逃げてゆくことを示唆しています.
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