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日本の推理小説もいいのですが、たまには海外の推理小説、とくに本格ものを読みたいと思っています。

先日ネットで調べて、評判のよかったYの悲劇やアクロイド殺しなどを読んでみたのですが、どうにもしっくりきませんでした。半分くらい読むと、なんとなくトリックがわかってしまうのです。

たぶん古典の本格推理は、のちの推理小説の基礎となっているのだろうと思います(独断&偏見ですが)。現代日本の推理小説をある程度読んでしまうと、二度刷り、三度刷りのトリックをどうしても見かけてしまうわけで、元祖の古典本格推理のトリックにだまされなくなってしまう気がするのです。そう思うと魅力に欠けてしまいます(違っていたなら、ご指摘お願いします^^;)

あと、正直、読みづらいなとも感じました。
時代がかっているのもイヤなんです(じゃ読むなという謗りはごもっとも)

そこで、古典ではなく現代、海外ではどんな本格推理小説があるのか(もしくは本格推理自体マイナーなのかもしれませんが)おすすめ作品を教えてください。
あくまで現代(70年代以降くらい)の本格モノでお願いします。

ちなみに、私の好きな日本の作家は、笠井潔、法月綸太郎、京極夏彦など。爆発力のあるトリックで一撃必殺(占星術殺人事件など)といった作風よりも、地味だけれども網の目のような構成で(パズラー的な)、探偵の推理のキレで魅せてくれる種類のほうがいいです。登場人物が格好いいとなおいいですけれども。

では、お願いします。

A 回答 (4件)

警官を主人公にするなど現実味を加えた分


本格推理的な要素が若干減退しているのが、
現代の推理小説かと思います。
その意味では、笠井、法月あたりを期待するのはちょっと難しい。

1970年代以降で考えると……

コリン・デクスター
いろんな仮説を比較検討するところが面白いというやや特異なタイプです。
駄目だとわかった場合は、一から別の仮説を組み直します。
『ウッドストック行き最終バス』『キドリントンから消えた娘』あたり。

P・D・ジェイムズ
地味です。重厚です。でも結構トリッキーな面もあります。
『わが職業は死』『ナイチンゲールの屍衣』『黒い塔』あたり。

レジナルド・ヒル
結構分厚いですが、読みにくくはなくユーモアもあります。
『薔薇は死を夢見る』『子供の悪戯』あたりは楽しめると思います。

この他に、1960年代ですが、
ハードボイルドの皮をかぶった本格推理的な小説として
ロス・マクドナルドがあります。
『さむけ』『ウィチャリー家の女』『一瞬の敵』あたり。

さらに時代を遡って1940~50年代になりますが、
きっちりした伏線で切れ味の鋭い作家に
クリスチアナ・ブランドがいます。
『はなれわざ』『ジェゼベルの死』なんていいですよ。
別に古典ほどの古さは感じさせません。
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この回答へのお礼

>本格推理的な要素が若干減退しているのが・・・
社会派化しているのですね。それはちょっと残念。純粋に論理だけで驚かせてくれる推理小説が好みだったのです。動機は重要視して欲しくない。コリン・デクスターは聞いたことがあったのですが、本格っぽいものだったのですね。ぜひ総て読みたいと思います^^。あと70年代以降などと期間を区切るべきではないのかもしれませんね。40、50年代にも目の玉が飛び出るような(?)凄い作品があったら是非読んでみたいです。

お礼日時:2005/08/27 02:13

私自身はまだ「本格系」はあまり読んだ事がありませんが、


(読むつもりで何冊か手元に置いてはいます。)
「本格ミステリ」「このミステリーがすごい」「週刊文春」の各年ベストテンを、
対比させてまとめたことがあります。下はその海外分です。

「本格ミステリー」のベストテンは異色という印象がありますが、何かのご参考になればと思います。
興味がありそうなものは、アマゾンなどのブックレビューをご参照下さい。

先頭の数字は、左から順に「本格ミステリ」「このミステリーがすごい」「週刊文春」の各年の順位です。

2004
1*10赤い霧ポール・アルテハヤカワ・ポケット・ミステリ
2**サム・ホーソーンの事件簿IIIエドワード・D.ホック創元推理文庫
387蛇の形ミネット・ウォルターズ創元推理文庫
4**絹靴下殺人事件アントニイ・バークリー晶文社
5**大聖堂は大騒ぎエドマンド・クリスピン国書刊行会
6**閘門の足跡ロナルド・A.ノックス新樹社
7*9イデアの洞窟ホセ・カルロス・ソモサ文藝春秋
812荊の城サラ・ウォーターズ創元推理文庫
8**殺意のシナリオジョン・フランクリン・バーディン小学館
10**海のオベリストC.デイリー・キング原書房
*23魔術師(イリュージョニスト)ジェフリー・ディーヴァー文藝春秋
*3*ワイオミングの惨劇トレヴィニアン新潮文庫
*41ダ・ヴィンチ・コードダン・ブラウン角川書店
*5*ファイナル・カントリージェイムズ・クラムリー早川書房
*65誰でもない男の裁判A・H・Z・カー晶文社
*7*ダーク・レディリーチャード・ノース・パターソン新潮文庫
*94犬は勘定に入れませんあるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎コニー・ウィリス早川書房
*105奇術師クリストファー・プリーストハヤカワ文庫FT
**8ダンテ・クラブマシュー・パール新潮社
2003***
1**死が招くポール・アルテ早川書房
222捕虜収容所の死マイケル・ギルバート創元推理文庫
3**ロジャー・シェリンガムとヴェインの謎アントニー・バークリー晶文社
487歌うダイアモンドヘレン・マクロイ晶文社
5**魔法人形マックス・アフォード国書刊行会
7**テンプラー家の惨劇ハリントン・ヘクスト国書刊行会
8**暗黒大陸の悪霊マイケル・スレイド文芸春秋
9*8闇に問いかける男トマス・H・クック文春文庫
1011半身サラ・ウォーターズ創元推理文庫
*34魔女は夜ささやくロバート・R・マキャモン文藝春秋
*49サイレント・ゲームリチャード・ノース・パタースン新潮社
*56鉤(かぎ)ドナルド・E・ウェストレイク文春文庫
*6*ダークラインジョー・R・ランズデール早川書房
*73ボストン沈黙の街ウィリアム・ランデイハヤカワ・ミステリ文庫
*9*海を失った男シオドア・スタージョン晶文社
*106探偵術教えますパーシヴァル・ワイルド晶文社
**5石の猿ジェフリー・ディーバー文藝春秋
**10ヨットクラブデイヴィッド・ニーリイ晶文社
2002***
142第四の扉ポール・アルテハヤカワ・ポケミス
287レイトン・コートの謎アントニイ・バークリー国書刊行会
3*4家蝿とカナリアヘレン・マクロイ創元推理文庫
4**踊り子の死ジル・マゴーン創元推理文庫
5**サム・ホーソーンの事件簿IIE.D.ホック創元推理文庫
6**ウィッチフォード毒殺事件アントニー・バークリー晶文社
7**イリーガル・エイリアンロバート・J.ソウヤーハヤカワ文庫
8**死者を起こせフレッド・ヴァルガス創元推理文庫
910*髑髏島の惨劇マイケル・スレイド文春文庫
10**囁く谺ミネット・ウォルターズ創元推理文庫
*13飛蝗の農場ジェレミー・ドロンフィールド創元推理文庫
*21サイレント・ジョーT・ジェファーソン・パーカー早川書房
*38わが名はレッドシェマス・スミスハヤカワ文庫
*5*死ぬほどいい女ジム・トンプスン扶桑社
*65壜の中の手記ジェラルド・カーシュ晶文社
*76さらば、愛しき鉤爪エリック・ガルシアヴィレッジ・ブックス
*9*グルームジャン・ヴォードラン文春文庫
**9神学校の死P・D・ジェイムズハヤカワ・ポケミス
**10著者略歴ジョン・コラピント早川書房
2001***
168ジャンピング・ジェニイアントニイ・バークリー国書刊行会
275騙し絵の檻ジル・マゴーン創元推理文庫
39*学寮祭の夜ドロシー・L・セイヤーズ創元推理文庫
3**最上階の殺人アントニイ・バークリー
5**密室殺人コレクション二階堂黎人・森英俊共編原書房
6**四人の申し分なき重罪人G・K・チェスタトン国書刊行会
7**第三の銃弾[完全版]カーター・ディクスンハヤカワ文庫
8**死の殻ニコラス・ブレイ創元推理文庫
8**女占い師はなぜ死んでゆくサラ・コードウェル早川書房
10**魔の淵ヘイク・タルボット早川書房
*17神は銃弾ボストン・テラン文春文庫
*21夜のフロストR・D・ウィングフィールド創元推理文庫
*310アメリカン・デス・トリップジェイムズ・エルロイ文藝春秋
*43斧ドナルド・E・ウェストレイク文春文庫
*5*心の砕ける音トマス・H・クック文春文庫
*8*ザ・スタンドスティーヴン・キング文藝春秋
*102ミスティック・リバーデニス・ルヘイン早川書房
**3エンプティー・チェアジェフリー・ディーヴァー文藝春秋
**6頭蓋骨のマントラエリオット・パティスンハヤカワ文庫
**8永遠に去りぬロバート・ゴダート創元推理文庫
2000***
1**ドン・イシドロ・パロディ六つの難事件ボルヘス&ビオイ=カサーレス岩波書店
2*3サム・ホーソーンの事件簿Iエドワード・D・ホック創元推理文庫
3**自殺じゃない!シリル・ヘアー国書刊行会
472夜の記憶トマス・H・クック文春文庫
5**死体のない事件レオ・ブルース新樹社
6**白鳥の歌エドマンド・クリスピン国書刊行会
7**さまよえる未亡人たちエリザベス・フェラーズ創元推理文庫
8**国会議事堂の死体スタンリー・ハイランド国書刊行会
8**タラント氏の事件簿C.デイリー・キング新樹社
10**納骨堂の多すぎた死体エリス・ピーターズ原書房
10**冷え切った週末ヒラリー・ウォー創元推理文庫
10**ベウラの頂レジナルド・ヒル早川書房
*14ポップ1280ジム・トンプスン扶桑社
*25Mr.クインシェイマス・スミスミステリアスプレス文庫
*31ハンニバルトマス・ハリス新潮文庫
*45囮弁護士スコット・トゥロー文藝春秋
*5*ジョン・ランプリエールの辞書ローレンス・ノーフォーク東京創元社
*69わが心臓の痛みマイクル・コナリー扶桑社
*8*闇よ、我が手を取りたまえデニス・レヘイン角川文庫
*99子供の眼リチャード・ノース・パタースン新潮社
*108コフィン・ダンサージェフリー・ディーヴァー文藝春秋
**5悪魔の涙ジェフリー・ディーヴァー文春文庫
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この回答へのお礼

ありがとうございます。なるほど。分かりやすいです。それにしても、これを見るに本格推理は「このミス」「週刊文春」ではほとんど選ばれていませんね。個人的には残念な限りです。

出来れば「本格ミステリ」の一覧などが載っているホームページなど(あれば)教えていただければありがたいのですが・・・

お礼日時:2005/08/27 02:29

1970年代以降で本格物となると思いつくのは、



ウィリアム・デアンドリア 『視聴率の殺人』『ホッグ連続殺人』

ピーター・ラウゼイ 『マダム・タッソーがお待ちかね』『偽のデュー警部』

アーロン・エルキンズ 『暗い森』『古い骨』

ジル・マゴーン『踊り子の死』『牧師館の死』『騙し絵の檻』

R・D・ウィングフィールド 『クリスマスのフロスト』『フロスト日和』『夜のフロスト』

あたりです(ウィングフィールドのフロスト警部のキャラクターはユーモア色が強いですが)。

ちなみにジル・マーゴンの『牧師館の死』はA・クリスティの『牧師館の殺人』に言及している部分があります。比べてみるのも一興でしょう。

古典の名作トリックはあまたの類似トリックを生んでいますが、だからといって現代作品の価値が落ちるとは思いません。元祖たる魅力と発展・進化した魅力の双方を楽しんでいます。

また、古典でもディスクン・カーの怪奇性やヴァン・ダインの心理的分析などの要素は今でも色あせずに楽しめますし、その時代背景などを思い浮かべながら読むのもいいでしょう。

いずれにせよ古典、現代ものという枠にとらわれずに自分の好きな作品を楽しむのが一番だと思います。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。「マダム・タッソーがお待ちかね」という作品はよくタイトルを耳にしますが、あれは本格だったんですね(驚)ぜひ、読んでみたいと思います(^^。あと、現代作品の価値が落ちる、とは私も思っていません。ただ、現代の作品をある程度読んだ後、古典の作品を読むと、どうしてもネタばれが多いなぁ、という気がしているのです。もちろん、古典の面白さというのも判ります。でも、どうせならば発展・進化した現代のほうが面白そうな気がしたもので。これは一種の偏見なのかもしれませんが。

お礼日時:2005/08/27 01:44

フランスの新鋭作家ブリジット・オベールの「森の死神」「雪の死神」(ともに早川文庫)はどうでしょうか。

本格推理とはちょっと違うかもしれませんが、史上最弱の名探偵が殺人事件の謎を解いていきます。彼女は書くたびに作風が違ってくる珍しいタイプの作家さんです。
こちらも本格ではなく、コージーミステリーになるのですが。ジル・チャーチルの一連のシリーズ(創元推理文庫)
http://www.junkudo.co.jp/search2.jsp?ARGS=%83W%8 …
は推理も楽しめて、物語も楽しめて、お得ですよ。

参考URL:http://www.junkudo.co.jp/search2.jsp?ARGS=%83W%8 …
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この回答へのお礼

史上最弱ってところに惹かれますね(笑)面白そうです。虚弱体質? もやし、みたいな探偵なのでしょうか。ただ、「本格」というのはどうしても外せない要素なもので、「本格」でよかったら紹介してもらいたかったのですが・・・

お礼日時:2005/08/27 01:36

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