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Hello, darkness, my old friend.
I've come to talk with you again.
ではじまるおなじみの歌ですが、ポールはこの歌でどういうメッセージを発信しているのでしょうか。「静寂の音」って何なのですか?

A 回答 (1件)

 


  あらためて、歌詞を見てみると、たいへん解釈が難しいと思いました。Sound of Silence は、昔、わたしが個人的に訳した時、「静寂(しじま)の響き」と訳したのを覚えています。「沈黙の響き」でもよいようにも思います。しかし「静寂の響き」がやはりいいようです。「静寂の音」では、何のことか分からないです。
 
  この歌詞は、現代の社会(と言っても、ポール・サイモンが、この歌詞を造ったのは、いまから35年ほど前のことです)について、何かを訴えているのであるのは間違いないのです。いま個人的に思うことは、これは、社会における「コミュニケーションの喪失」を訴え、また、その孤独さと空しさを歌っているのではないかということです。
 
  「静寂の響き」とは、原子化された孤独の人々のあいだを隔てる、コミュニケーションの疎外の状態の形象化で、静寂が響きとなって、人々のあいだに入り込み、人々を静寂で包み、互いの人間的温もりあるコミュニケーションを遮断してしまっているという意味でしょう。
 
  都市のなかでは、華やかなネオンがまたたく一方、薄暗い街の小道を一人で彷徨うぼくがおり、ぼくは、数千人いや数万人と数知れない人々が、静寂の響きのなかで孤独に生き、歌も言葉も、心のメッセージさえも、一切、他者には伝わらない静寂の響きのなかで、造られ生まれ消えて行くのを知った。
 
  こんなことでは駄目なのだ。都会のディスコミュニケーションは癌みたいだ。と叫んでみるが、そのぼくも、静寂の響きのなかに閉じこめられている。どこに救いがあるのだろうか。ネオンのメッセージが囁いている。都市そして文明こそわたしだ。わたしを拝みなさい。そういう言葉に数知れぬ人々が従っている。愚かな!
 
  しかし、これは夢ではない。夢なのか? 暗闇よ、ぼくの親しんできた孤独の夜よ。都市の夜は、孤独で、人々との交わりも何もない。うらぶれた地下鉄駅や、どこかのアパートの汚れた壁。これが答えだと? これが預言だと?
 
  ただ静寂の響きが木霊す。ああ……ぼくは去ろう……静寂の響きの、この孤独な都市を……
 
  この歌の歌詞は、Boxer の歌っている内容に通じているように思えます。あるいは、リチャード・コーリーという歌がありました。
  何て矛盾なんだ。ぼくがなりたくてしかたない大金持ち。なのに、コーリーは、頭を自分でぶちぬいて死んで行った。何が不満なのか? ……孤独なのか。静寂の響きのなかで、彼は、生きる意味を失って自殺した。あああ、驚きだ、ぼくは……
 
  ぼくは戦って戦って、打たれても打たれも立ち上がろうとした。けれども、もう耐えられない。あまりに都市の冬は冷たさ過ぎる。ぼくの心は打撃に打撃に打ちのめされ、そして、それでも倒れるまで戦う……嘘で、嘘で、嘘で、嘘で塗り込められた都市よ……虚飾よ、静寂の響きよ……ぼくは、故郷に、いま帰りたいと切に思う。
 
  明るい、霧のかかる日には、希望もあれば、ぼくの青春もある。春だ。ウォッカを飲んで語り合おう。素晴らしい詩が書けたよ、ぼくの心のなかにね。
 
  静寂の響きからは逃れられないとしても、希望はあるのだ。ぼくの青春よ、春だ、雪は消え、緑が満ちる……
 
  というのは、何を言っているのか分かりませんが。Sound of Silence, Boxer, Richard Coley(こんな綴りだったか), 冬の散歩道の印象的メドレーです。
 
  (注 : 念のために、以上は、歌詞の引用でも、訳詩の引用でもなく、英文の歌詞を読んで、わたしのなかで生まれた印象を言葉にしているだけです。歌詞の解釈、そのメッセージを考えている以上、歌詞に出てくる言葉が出てくるのは仕方ないことで、しかし、以上は、訳詩の引用ではなく、わたしが記した文章なのです)。
 
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この回答へのお礼

大変深いですね。
私は、学生時代に Simon before Garfunkel というレコードに出会い、(ポール自身が納得がいかず回収されました)それ以来SGは私の愛唱歌となっています。彼がユダヤ人だったことが色濃く出ている歌なども、もっとうがって知りたいと思っています。ありがとうございました。

お礼日時:2001/11/08 15:35

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