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学校で電気を学んでいるんですが、いまいちアースの考え方がつかめません。
電流はそこへ流れ込み、電圧がかかると、アースとの間に電位差を生じるというのは分かるんですが、どういうものがアースなのか、そうでないのかが分かりません。
またアースを設置しなければならないときはどんなときなんですか?(三相電源などはそうですよね)
アースはどうやったら作れるんですか?
疑問は尽きませんが、どうか教えて下さい。

A 回答 (5件)

 


  一般的な話をします。
  電圧とは、「電位差」のことだということはお分かりですね?
  高い電位の処から低い電位の処に電気は流れる訳で、この二つの電位の差が一般的に電圧なのです。
 
  そこで、電位とは何かと云いますと、帯電体(電気を帯びた物体・物質)の持つ、電気ポテンシャルだとなります。
  そのことはいいとして、帯電体には、電気があり、その結果、電位ができるのだということが重要です。
 
  電気(電流)が流れるというのは、高い電位から低い電位へと、電気ポテンシャルの違いに応じて、広い意味で電荷が移動するということです。その時、ポテンシャル・エネルギー(電位エネルギー)が放出されます。電位エネルギーの放出の代わりに、途中の電気装置などが、電位エネルギーを別の用途に利用するというのが電気装置が作動する原理です。
 
  電気装置で使われた電位エネルギーは、大体、光・電磁波か、熱の形に変化し、周囲に拡散します。
 
  そこで、電気が流れるためには、電位差が必要なのですが、高い方の電位は、電荷をたくさん含む帯電体または、連続的に電荷を発生させればよいのですが、低い方の電位はどうなるのかと言いますと、どこかに基準がいるのです。「発電器→電気装置→発電器」という循環だと、電位差がどこにあるのか分かりません。しかし、この場合、物体の電位が高くなると、電荷は徐々に放出されて、最終的には、空気の電位あるいは、環境の電位と同じになるということがあります(電荷が放出されるずに、維持されているのがコンデンサー、蓄電器、バッテリーですが、これらも少しづつ放電しています)。
 
  つまり、電気の回路で電気が流れるのは、空気とか周囲環境とか、より低い電位の物体・物質があるので、それと対して、低い方に電気が流れるのです。
 
  帯電体は電荷を持った物体で、電位がありますが、どんな帯電体でも、そう無闇に電荷を蓄積できる訳ではありません。
 
  しかし、地球上で、ほぼ無限とも言える莫大な電荷を受け入れることのできる電気帯電体があります。それはつまり、地球自身で、アース earth とは、グラウンド ground とも言い、結局、「地面・大地・地球」のことです。
 
  地球の電位をゼロと実用的に定義しているのです。また、大地=アースは、空気よりも電位が低いとも言えます。
 
  大地があり空気があるので、空気中の帯電体(例えば電線、電気装置)などは、電流が加わらないと、空気と同じ電位になっているので、発電機などと繋ぐと、電流が流れるのですし、電気装置で電荷を消費(別のエネルギーに変換)すると、それだけ、電位が低いままになるので、電流が流れ続けるのです。
 
  普通は、アース=地球に、直接、電気回路は繋がっていません。空気などへの電気放出を通じて、アースに近い低い電位の帯電体へと高い電位の帯電体は繋がっていて、電気が流れるのです。
 
  しかし、非常に高い電圧を扱うとか、大きな電流とか、交流の波形パターンを維持したいと思うと、安全性のため、また安定性のため、どれぐらい大きな電荷が流れ込んでも電位に変化が起きない、巨大な容量の帯電体、つまり地球=アースを、最低電位体としておいた方が、有効なのです。
 
  高電流が発生した時、アースに繋いであると、地球が全部吸収してくれますが、そうでないと、空気への電気放射などでは間に合わないので、電気装置に過負荷がかかって、回路が短絡して、線や装置が高熱になって溶けたり、場合によっては、普段電流が流れない物体にも電流が流れ、感電の危険性があります。
 
  こういうことを回避するため、アースを最低電位の帯電体として、電気経路に組み込んで置くと、アースに電流が最終的に流れ込み、安全なのですし、回路も乱れないのです。
 
  アースは、結局、大地に電気連絡できるように、電線を地面に刺して、その電線の電位をアースとするのが本来の意味のアースです。しかし、アースに似た、大きな帯電体などに繋がっていれば、アースに準じたものとなります。
 
  雷の避雷針というのは、結局、いかに効率よくうまく、避雷針へと雷の電位を導き、建物には、電気な流れないようにして、そのまま地面=アースに雷の電荷を流してしまうかという装置です。
 
  二本の電線がある場合、電流が流れてくる側の線と、低いアース電位の方に繋がっている線があり、電流が来る方の線を「活線」というようにも言います。活線の方に手で触れると、身体は、床などを通じて、アースに繋がっていることがあるので、電気が、活線から身体を通って流れ、感電することがあります。しかし、反対の線の場合、感電はありません(ただし、交流の線は、どちらも活線です)。三相交流の三本の線は、すべて活線です。三相交流の場合、中性線というものがあるのが普通です。これが大体アースに当たります。(細かい部分で違っているかも知れませんが、電気の用語法は複雑なので、大まかな概念把握のための説明です)。
 
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アースは難しいですよね。

私も悩みました。今でもよくわかっているわけではありませんが…。

まず、地球は大きなひとつの導体と考えるのがよいです。

地球を帯電体と考えると行き詰まります。たとえば、地球を半径約6300kmの導体球と考えて、その静電容量を計算するとC=4πε_0aの式より、約700μFとなります。これはちょっと大き目の電解コンデンサ1個の容量に過ぎません。

電流が地面に流れるのは、ちゃんと閉じた回路ができているためで、決して地球が魔法のように電流を吸い取るわけではありません。また、地面がいつも最低の電位を持つわけではありません。たとえば電話線は、一方の線が0V(アース)で、片方は地面に対して約-48Vの電位になっています。

三相交流だとアースが必要ということはありません。安全上、法規上の必要性と、技術上の必要性を混同しないようにご注意ください。たとえば、電柱の上の三相6600Vの配電線はアースされていません。

間違えやすい点を挙げてみました。かえって混乱させてしまったでしょうか?アースについてはA種、B種、C種、D種の区別や、地絡電流の求め方などについて勉強するとだんだんわかってくると思います。では、がんばってください。
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この回答へのお礼

勝手ながら、ここにみなさんへのお礼を書かせてもらいます。みなさん、丁寧な回答本当にありがとうございます。
正直まだむずかしいですが、なんとなく分かったような気がします。
もっと勉強していきたいと思います。
ありがとうございました。

お礼日時:2001/12/02 19:14

>どういうものがアースなのか、そうでないのかが分かりません。


可能な限り手に入る最大容量のものを基準電位にし、これをアースとします。
電気機器の導体の一部を地球に接続する。
これが出来ないとき、例えば、飛行機、船舶、自動車などでは、電気的に接続可能な最大容量の部分、つまりボディをアースとします。
>アースを設置しなければならないときはどんなときなんですか?(三相電源などはそうですよね)
機器の一部の電位を地球と同電位に保つ。
機器の電位が異状に大きくなるのを防ぐ。
機器の一部の導体を地球で代用する。
漏電を検出する。
回路の導体の一部を省略する。
回路を安定化する。
>アースはどうやったら作れるんですか?
導体を地中に埋めこむ。
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「アース」という言葉は通常、二つの意味合いで使われます。


(1)接地、すなわち地球に埋め込んだ電極(および、それにつながった導体)
(2)地球にはつながっていなくとも、電位の基準にとる大きな導体(箔、板、箱など)

電位というものは絶対的に定まるものでなく、必ず何か基準となるものが必要です。ちょうど場所の高さを表現する場合と同じです。我々は便宜的に海面を基準に取り「海抜」ということで高さを表現しています。同様に電気についても「電位」を表すのに適当な基準(となる電極)が必要です。これをアースと呼んでいます。

「アースであるかアースでないか」は見方によって変わります。ある金属ケースに何かの回路を組んだ時、回路内のトランジスタにとってみれば金属ケースは「アース」(上記の(2))です。通常、電気機器では筐体を電位の基準にして設計するためです。ところがその金属ケースが(絶縁体の上に)無造作に置かれていたならば、(1)の意味のアースにはなりません。その金属ケースから電線を引っ張って、その先に適当な導体を接続して地中に埋めれば(1)のアースにもなります。
また自動車の場合もボディーを電位の基準にすることが多く、これもアースと呼ばれます。もちろん(2)の意味でです。

質問の後半「アースを設置しなくてはならない場合」は、技術的な要請によるものと法律的な要請によるものの二つがあります。技術的な要請としてはノイズの防止や感電防止などがあります。法律的な要請はそれらのうち、特に必要があるものを定めている場合が多いです。それぞれの場合についてはここでは書き切れませんので、今後ゆっくり学んで下さい。

アースの作り方ですが、(1)の意味の「接地」でしたら地中に銅板またはそれに代わる導体を埋めることが相当します。(2)でしたら、金属ケースの適当なところにネジ止めすることが相当します(あるいは、回路パターンでアース電位に相当するところに接続するのでも基本的に同じです)。

参考URLも併せてご覧ください。(「アースについて」の似た質問と、その回答です)

http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=48429

参考URL:http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=48429
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電気製品が万一漏電したときに、電気を大地に逃がすための道を作っておき、感電による事故を防ぐためです



洗濯機、電子レンジ、衣類乾燥機、食器洗い機、エアコンの室外機
(※冷蔵庫なども水気や湿気の多い場所では人体への電気の通りがよくなるので取り付ける事をおすすめします。)


参考URLでアースの取り付け方も詳しく出ています

参考URL:http://www.sharp.co.jp/support/kurasi/hn/21a6.html
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