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黒澤明監督は中期はシネスコ、後期はビスタ。最近の邦画は、ビスタが主流のように感じます。そういえば、スパイダーマン1はビスタ、2はシネスコ。ですが何を基準に使い分けているのか全く不明です。
スウィング・ガールズはビスタサイズの使い方が上手だと感じました。特にラストの演奏の場面。
シネスコサイズの方が、いかにも映画って感じがしますよね。
PS,七人の侍はスタンダードサイズではなく、シネスコサイズもしくはビスタサイズで撮影して欲しかったです。ワイドTVで観ると見難いので。

A 回答 (4件)

こんばんは。

私は映画は映画館で見るもの。シネスコ大賛成派なのですが、スクリーンサイズを決める権限はほとんど監督または制作会社にありますが、ほかにも諸事情はあります。日本映画の場合は若干事情が違い、1980年頃からほとんどの作品がシネスコからビスタに変わりましたが、これは「TV放映」「ビデオ化」の際にもっとも見やすいサイズという理由からです。そのころから、映画を製作する時点で同時にTV放映権やビデオ化権も売るようになりました。つまりTV・ビデオに売りやすいサイズにしたわけです。本来の映画の趣旨と反していたと思いますが、最近ようやく日本映画にもシネスコが戻りつつあります。
(シネスコが日本で最初に登場したのは1957年です。七人の侍は1954年ですので、残念ながらその時点ではスタンダードサイズしかありませんでした)
同じシリーズでも1と2でサイズが違うというのは、これはもう監督の考え方としか言いようがないでしょうね。迫力を重視してシネスコを好む監督もいれば、シネスコは画像を物理的に圧縮するので歪みが出るという理由で嫌う監督もいます。
(ビスタサイズの画面比率が、映画館の正面で見た場合に画面全体が視野に入り、一番効率が良いと考える人もいます)
大物監督の大作としてはスティーブンスピルバーグが良い例です。あれだけ超大作を連発していながら、ほとんどの作品がビスタサイズです。これはスピルバーグが、前述したような理由でシネスコを嫌うためと聞いた覚えがあります。

*NO1さんの回答の一部に補足です。
日本映画シネスコ第一号は「鳳城の花嫁」(1957東 映です)
また元々は「シネマスコープ」は20世紀FOXの登録商標
でした(当初、シネマスコープの名称はFOX社しか使えなかったたため、各社は東映スコープとか東宝スコープとか独自の名称を使ったのです)
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この回答へのお礼

詳しい回答ありがとうございました!

お礼日時:2005/11/01 03:25

No1です。



情報量に関してですが、実際に上映用ポジを比べたら、
ビスタは横2.1mmx縦1.3mm(某邦画)
シネスコ横2.1mmx縦1.8mm(某洋画)

とシネスコの方が圧倒的でした。
当てずっぽうに書いてすみませぇ~ん。

あと、ついでですが映画館での上映でも、DVDのTV鑑賞でも、投射率や安全フレームの関係で、フィルムに写っているすべてを見ることは出来ません。
そのむかし「アラビアのロレンス」を業務モニターで見たときに、画面の端にまでこだわっているのがよくわかり愕然としたことがあります。

本来なら、こういった点も是正して欲しいですよね。

ゴダールは3:4のスタンダードにこだわっているので、最新作でもこのフレームでした。最近ではあまり見ないサイズなので違和感ありました。
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この回答へのお礼

補足ありがとうございました!

お礼日時:2005/11/01 03:25

シネスコは、アナモフィックレンズと言う圧縮レンズを使って撮影します。

なので、フィルム上では横方向に半分につぶれた画像になります。正円を撮影すると、縦長の楕円になります。
これを上映時に、逆のアナモフィックレンズを使って映写して、正しい映像にします。

最近の映画はほとんどが特殊効果を加えていますが、こう原理があるので、シネスコは特殊効果を施すために、一度正しい映像に変換してやらないといけないという手間が生じますし、戻す際にも映写時に正しい映像になるように調整してやらなければいけません。なので、予算もかかりますし、手間もかかります。

また、シネスコは、横方向に広がりがあるので、画像に入れる情報量(登場人物や背景など)を多く出来ますし、それにより迫力が増します。普通の写真とパノラマ写真の差ですね。

ビスタとシネスコの使い分けは、監督の好みと予算との折り合いだと思います。

「七人の侍」のときは、まだビスタやシネスコが普及していなかったため、スタンダードでつくられたんじゃないでしょうか。
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この回答へのお礼

詳しい回答ありがとうございました!

お礼日時:2005/11/01 03:24

シネマスコープが登場したのは1953年で「聖衣」という歴史大作がその1本目でした。



これは当時普及し始めたTVへの対抗策でもありました。4:3の比率のTVではけっして味わえない、映画独自の広い視野で、その迫力を! というわけです。

これを機にシネスコは一気に普及し邦画各社は「東宝スコープ」とか各社独自の名前まで付けて、大半の映画に導入されました。
黒澤作品だけでなく、森繁久彌の社長シリーズのような庶民的な喜劇もシネスコで撮影されてます。
TVとの差別化を図ったわけです。
邦画のシネスコ第一号は何か知りませんが「七人の侍」が54年ですから、撮影時は52年53年あたりでしょうからまだ導入されていないと思います。

シネスコサイズの作品が減りだしたのはいつからか知りませんが、「ただ横に広いだけで芸術作品には適さない」という風潮が50年代から一部に出てきました。
特にフランスで顕著だったようで、いわゆるヌーベルバーグ作品ではシネスコ作品はありません。まあ、これは予算的なこともあるのかもしれませんけど。

チャップリンも「ニューヨークの王様」という映画中でシネスコを揶揄しています。映画館の前の方の席に座り、画面の動きに合わせ(キャッチボールかテニスの場面だったかな?)右へ首を振り左へ首を振りと、横長だと全体の把握が出来ない、というようなことを批判していました。

そこに登場したのが「アラビアのロレンス」という70ミリフィルムを使った超大作でした。
芸術性の高い映画には適さないと言われたのを、見事に払拭し、この作品以降は、題材に合わせたかたちでビスタサイズもシネスコも普及したように思います。

ところがビデオの誕生でまた状況がかわりました。当時はシネスコサイズのものをそのままビデオにすることはありませんで、必ず画面のどこかをカットしていました。
シネスコの映画で画面の両端に人物が写っていて会話していると、ビデオでは右だけ、左だけとなんとカットが割られた状態にされていました。

当時のプロデューサーはこういったことが作業上も面倒なので、監督には強制的にビスタで撮らせたことも多かったそうです。

随分と長くなりましたが、映画の素材やのちのちのビデオグラム化など、いろんな要素を加味しながら、シネスコやビスタを使い分けているということだと思います。

ちなみにシネスコといってもフィルムサイズは35ミリなので、フィルムの一コマが占める情報量はシネスコの方が少ないのではないかと思います。ただアナモという特殊なレンズを使うので、そうとでもないかもしれませんけど。(実際には比べたことはないので)

70ミリフィルムはすっかり消えてしまいました。70年の「ライアンの娘」以降、途絶え92年の「遥かなる大地へ」で復活したもののそれっきりです。

あとビスタには2種類あって、ヨーロッパビスタとアメリカンビスタで比率が違います。
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この回答へのお礼

詳しい回答ありがとうございました!

お礼日時:2005/11/01 03:24

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