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今20世紀の外交について勉強しているのですが、中でも「果たして外交は20世紀中に変化しただろうか。そしてもしそうならどの様に変化したか。」について興味があります。外交に変化を齎した重要な歴史的出来事等、御存知の方がいたら是非教えてください。お願いします☆

A 回答 (1件)

RED2001さん、初めまして。


学生時代に外交史が専門だったので、それを思い出しながら、ごく簡単にお答えします。

外交は戦争と密接につながっていますから、やはり、外交の転換点になったのも、多くは戦争ということになるでしょう。
まず、取り上げるべきは日英同盟と日露戦争でしょう。20世紀初頭の1902年、英国が「光栄ある孤立」を捨てて、初めて軍事同盟を結んだのが日本でした。日本はこれを背景に日露戦争を戦い、白人の支配に苦しむ多くのアジア・アフリカの人々に夢と希望を与えました。一方で、アメリカが日本を「仮想敵国」とするきっかけになったのも日露戦争です。
次に考えられるのが、第一次世界大戦です。戦争といえば、それまでは、兵士によって、ごく限られた戦場で行われるものでしたが、この戦争は、初めて「国民の総力戦」となりました。戦争は外交の延長線上にあるものですから、この大戦により、外交の成否が、国民の生活や生命に直接関わってくるようになったと見ても、けっして大げさなことではありません。また、「秘密外交の廃止」が、コンセンサスを得て、外交が外交官や軍人だけのものから、議会やメディアなども巻き込んだ
「国民国家の政治」の一部となったのもこのころかと思います。米国が、今日のように「世界の警察官」のような顔をして、全世界に口出しするようになったのも第1次大戦への参戦&戦後処理への関与がきっかけです。

両大戦間の時代の外交、これが曲者ですね。「総力戦」で負けた国が、勝った国の分まで戦争にかかったコストを負担するといった過酷な条約が結ばれた結果、ドイツにはナチスが登場します。また、戦勝国の一つとして、非白人の発言力を強めようと思った日本ですが、すでに日本を“仮想敵国”としていた米国等に押さえ込まれます。第2次大戦は、一方的に日本が起こしたように思われがちですが、この頃の、米国・英国の傲慢さやエゴイズムが真の戦争の原因だと考えて下さい。日本は、彼らによって日本は、現在のタリバンやビン・ラディンと同格に扱われていた訳ですから、そうした意味では「外交は変わっていない」のかもしれません。

それから当然、第2次大戦ですが、何が変わったといえば、「敵の敵は味方」という、米・英とソ連の連携なんてのがあります。だからこそ、共通の敵がいなくなってしまえば、敵対(=“冷戦”ですね)するのも当たり前でしょうか?

第2次大戦後は、自由主義対共産主義という構造を軸に外交が展開されました。
きっかけとなった出来事を強いて挙げるとしたら朝鮮戦争でしょうか?戦争で決着がつかなかったため、外交という非戦闘行為を通じての戦争が行われることになりました。
そして、多くの植民地が独立したため、それぞれの国が外交を行うことになりましたから、外交のフィールドそのものが広がったということも言えるでしょう。また、ベトナム戦争では、世論、あるいは若者の文化活動が外交を動かしたという希有な例かもしれません。

その他、中ソ対立で、東側陣営の“一枚岩”が崩れたとか、「米国に対抗できる勢力としてのヨーロッパ」を目指し、30年以上かけて行われた欧州統合(EEC→EC→EUの成立)、第4次中東戦争で、石油を“武器”に世界経済を震撼させた中東産油国の外交、ユーゴやチェチェンで、冷戦終了後、一気に吹き出した民族対立や宗教対立等々・・・その時その時の戦争がどのような背景で起きたかを見ると、外交の変化が見えてくると思います。

かなり大雑把な説明ですが、お役に立てれば幸いです。
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