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走査型電子顕微鏡の短所がわかりません。
透過型とくらべ、分解能が小さいことはわかるんですが、他にあるのでしょうか?
知っている方、よろしくお願いします。
又。HPがあればそれも知りたいです。

A 回答 (4件)

大雑把な特徴は既に回答されているので、少し具体的にTEMとSEMを比較してみます。



1.結像方式:   SEMは電子ビームを細く絞って走査させ、出てくる2次電子(SEMモード)あるいは、透過電子(STEMモード)を検出してマッピング表示する。TEMは、光学顕微鏡と同じようなレンズによる結像原理を利用している。

2.分解能:  最近はSEMの分解能が上がっており、メンテの悪いTEMなら大差ない場合も有りますが、上記の結像原理から言って分解能ではどうしてもTEMに劣るでしょうね。

3.操作性: 現状では調整箇所が少ない分、SEMの方が操作性に優れています。また、結像方式からもコンピューターとの連動はSEMが容易です。

4.構造情報: TEMには通常のイメージ情報以外に電子線回折という有力な情報が得られます。また、この電子線回折と組み合わせた暗視野像という観察手段も有り、試料の構造を知る手段は豊富です。一方、通常のSEMはこの種の構造情報を得る手段は皆無です。

5.元素分析: どちらも最近はEDSと呼ばれる蛍光X線分析オプションが有り、微小領域の元素分析が可能です。ただし、試料が薄い分、TEMの方が分析領域を狭く出来ます。また、まだそれほど汎用的ではないですが、TEMには電子エネルギー損失分光法(EELS)と呼ばれるオプションも有り、EDSの苦手な軽元素分析や場合によっては同一元素の状態分析(化合物による違いなど)に威力を発揮します。一方、元素の2次元マッピングはSEMの方が簡便のようです。

6.イメージ情報: 基本的にSEMは表面観察ですが、最近は透過モード(STEMモード)が有るので、透過イメージも撮れます。SEM像には、試料構造の違いや組成の違いで有る程度コントラストがつきますが、基本的には形状観察が主体ですから、薄膜のように外形に特徴のない試料から得られる情報は少ないです。一方、TEMの場合には、結晶構造の違いが強くイメージコントラストに影響する他に、前述のような電子線回折と組み合わせて特定の回折パターンのみを使った結像(暗視野像や格子像)が可能ですので、結晶性試料のイメージ情報は豊富です。

7.測定試料: SEMの場合には2次電子の放出のためにチャージアップという現象が起こりやすく、絶縁性試料の観察は導電性コーティングを要するなど困難が伴います。また、TEMに比べて電子の加速電圧が低いので、磁性物質の磁場による影響も受けやすいです。ただし、TEMのような試料の厚さや大きさの制限が少ないので、比較的簡便に試料観察が出来ます。
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長所短所と言うよりも、何を目的とした装置なのかという切り口でしょうね。

分解能を除くと、だいたい次のとおりです。

走査型(SEM)は、表面を見るものです。内部構造は絶対に分かりません。
透過型(TEM)は、内部構造を見るもので、多くの場合、回折を併用して内部構造を特定します。

ケース・バイ・ケースでこれから外れることもありますが、基本的にはこんな感じです。
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 比較の対象がなければ、短所の指摘ができません。


何と比べたいのですか?

この回答への補足

すいません、すっかりわすれていました。
比較する対象はTEMです。

補足日時:2005/12/04 21:51
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走査型電子顕微鏡(SEM)は試料に高速で電子をぶつけて、はじき出された2次電子を検出するものなので、その動作原理から生まれる特徴が目的により長所になったり短所になったりします。


例えば、複数の材料が混じっている試料の場合、材料によってはじき出される2次電子の量が違うので、同じ形でも材料が違えば画面上で見え方が違います。これは試料表面の形状を知りたい場合短所になります。逆に材料の違いを知りたいときに長所になりえます。
後は、絶縁物を観察する場合、帯電してしまい上手く観察できなかったりするので、いろんなテクニックが必要になります。
観察したいものの特長と目的によって、透過型(TEM)や原子間力顕微鏡(AFM)、トンネル電子顕微鏡(STM)、磁気力顕微鏡(MFM)とか、あと近接場とか色々使い分けます
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