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心理学用語や言語獲得の用語として使われているようなんですが「指示意図」とはどういう意味でしょうか?よろしくお願いいたします。

A 回答 (1件)

ごきげんよう。




う~ん、専門ではないので知っている&調べた以上のことはわからないのと、心理学の専門用語としてはそれほど広まっていない用語だと思いますので、完璧な回答は難しいかなと思います。用語がでてきた文脈がわかれば、回答がもう少し明確になったかもしれません。


【 回 答 】

一般的・完全な定義としては認められないでしょうが、
対話場面状況に限って『指示意図』という用語を私なりに定義してみると、

 「対話コミュニケーションにおいて、発話者が発することばが
  指し示している(ことばに込められている)発話者の意図」

という感じです。文字そのままという気もしますが。
簡単にいうと、

 「ぞう」「りんご」といった「ことば」が指し示しているもの・こと

というくらいでしょうか。

その「ことば」は普通名詞に限らず、指示語や、動詞・形容詞など他の品詞である場合もありますし、「指し示しているもの」も、物体だけではなく出来事であったり動作などであったりもします。


子どもの最初の言語学習では、親や家族などの介在者が重要な役割を果たしています。ことばが指し示す世界の事物についてさまざまな情報を与えています。
たとえば、「ほら、(これが)ぞうさんですよー」と母親が絵本のなかの動物を指で指し示したり(指での指示)、他にも視線の方向や表情や口調などの情報によっても、子どもの言語学習、「ことば」と「世界」を結びつけることを助けています。

子どもの言語学習においては、このような情報から、「『ぞうさん』や『りんご』ということばが何を指し示しているか」「『りんごをもってきて』と言われたらどうすれば正解か」という介在者の指示的意図を、子どもは理解しようとしていることがわかってきています。



以下、詳細な説明です。


(ある程度)大人になり経験をもっている私達は、「財布」という名詞がこの世界の中のどのような物体を指し示し、「走る」という動詞がどのような行動・動作を指し示し、「きれいだ」という形容動詞がどのような感情を指し示しどのような状況で使われるか、知っているでしょう(概念が心(頭)の中に出来上がっているでしょう)。

しかし、言語を獲得する前の子どもというのは、耳に入ってくることばがどのように世界の事物を指し示しているかは、まったくわからないわけです。たとえば、まだ言語を学んでいない赤ちゃんの目の前に、リンゴや飛行機やカセットテープや財布を並べて置いて、「さいふはどれ?」と言ったとしても、まあ、わかってもらえないでしょう。


それでは、子どもはどうして「ことばを知る」、つまり、親などが発したことばがどのような事物や動作を指し示しているかを理解することができるのでしょうか。

一般的な話ですが、言語獲得の際には介在者(養育者)の存在が重要な役割を果たします。たとえば、母親が子どもに絵本を見せながら「ぞうさんですよ~」などと教えていったり、子どもの側でも家族が話しているのを眺めて&聞いて、だんだんと、ことばと世界を結び付けていくわけです。

しかし、何も知らない子どもが、「ぞうさん=体の色は灰色で体と耳が大きく鼻が長くて4本足の動物」などと、完全な象の概念と「ぞう」という単語をいきなり結び付けられるでしょうか。それができるようになるには、何らかの「結びつけ手がかり」があると考えられます。


ひとつは「制約(constraint)」を使うという考え方です。

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【 制約理論 】

「ウサギ」ということばは、目の前にいるウサギのどの要素と結びつけたらよいだろうか。体の色、頭の上にあるもの(耳)、4本の足など、結びつけられる要素はあまりにも多い。子どもはこうした多数の可能性をいちいち検討するのではなく、「指示された事物や動物の形に注目せよ」「一つの事物には一つだけ名称があると仮定せよ」というような「制約」を使って検討すべき可能性を減らしている、と制約理論では考える。制約は生まれつき脳に備わっているとする説と、出生後の経験から急速に身につけるという説がある。

キーワード集:「制約理論」より
http://www.hitachi-hitec.com/about/library/sapie …
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この「制約」にもとづいて検証可能な仮説リストを心(頭)の中に作って、あとは試行錯誤的に言語を学習していくということですね。


もうひとつは、会話相手が表わす「社会的手がかり」を使っているとする考え方です。

介在者は、ことばが指し示す世界の事物についてさまざまな情報を与えています。たとえば、「ほら、(これが)ぞうさんですよー」と母親が絵本のなかの動物を指で指し示したり(指での指示)、「ほらみて、おさるさんだよ」と話す母親の視線を追うと、テレビに動物園のサル山のサルが映っていたり(視線の方向)、「○○ちゃん、りんごもってきて」と母親に言われて野球ボールを持っていったら「これはりんごじゃないよ~」と言われたり(違ったときの表情や口調)、などですね。

子どものほうでも、介在者のこうした情報に対して敏感に反応することが観察されます。つまり言語学習においてはこのような情報から、「『ぞうさん』や『りんご』ということばが何を指し示しているか」という介在者の指示的意図を、子どもは理解しようとしていることが観察されるそうです。


たとえば、幼児の新しい言語学習の実験の例です。

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子どもが大人による指示意図を特定できるかどうかを検証する,「不一致ラベルづけ実験」という方法があります。
子どもの目の前に,2つのおもちゃを置きます。たいていの場合,子どもはそのうちの一方だけで遊びはじめます。そのとき子どもの近くにいる実験者は,わざと子どもが注目していない方のおもちゃに注目して,「あ,トーマだ!」と叫びます。
もし子どもが,自分が注目しているおもちゃを実験者がトーマと言ったと考えたら,間違った名称を獲得してしまいます。そうならないためには,言った相手がどこを見ているかを確認する作業が必要です。
子どもは,いつごろからこの作業ができるようになるのでしょう。心理学者のボールドウィンによると,生後18カ月以上であれば,大人が「トーマだ!」と叫んだ直後に視線の方向をきちっとチェックすることがわかっています(イラストA,B)。そのあとで「トーマはどっち」と聞かれると,自分が遊んでいた方ではなく,実験者が見ていた方を選びます。
つまり,子どもは介在者を通して,ことばと世界を関係づけているということが言えるのです。

以下のURLより転載
http://www.hitachi-hitec.com/about/library/sapie …
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本内容のより詳細な話は、以下のURLにまとめられています。

Language Acquisition and Conceptual Development. pp.132-158(日本語)
http://home.hiroshima-u.ac.jp/shinsugi/t_cd/4/5. …



私が回答できるのは以上です。自信がなくて申し訳ありません。
間違っていたらごめんなさい。

参考URL:http://home.hiroshima-u.ac.jp/shinsugi/t_cd/4/5. …
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