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バブルの時代に、企業の資金集めが社債発行から銀行借入に取って変わった理由はなんなのでしょうか?

A 回答 (1件)

バブル時代はどんな時代だったか、ということが最初の検討事項です。



株価や土地の高騰がありました。これに加え債券市場も緩みました。
その後、金利の高騰があり、政府の土地取引の総量規制が行われ、バブルは崩壊します。

さらに、戦勝国である欧米の資本市場とは異なり、日本企業は戦後の資金不足の「伝統」から、資金そのものが政府の管理下にあったわけです。大蔵省や通産省といったお役所が力を持っていたのは、こうした事情から産業資金そのものを政府がコントロールする一種の「混合経済」が日本の特徴だった、ともいえるでしょう。
このコントロールとは、資本市場からの調達(直接調達)ではなく銀行による借り入れ(間接調達)に仕向けることで成立していました。
この体制では日本銀行を中心とした金融機関の護送船団方式が有効で、資金に余裕のある一部の優良企業が資本市場から資金調達できる「権利」を持っていた、と言い換えることもできます。

さて、だぶついたお金があふれているバブル時、企業は銀行からの調達より資本市場からの調達に魅力を感じました。
額面50円の株が10000円で売れる、と錯覚したのです。
つまり、株発行によって、9950円も「儲かる」と。
しかし、株価というのは本来「価格調整」が行われるもので、値下がりもあるわけです。

株だけでなく、社債も同様に盛んに発行されました。新株発行より社債発行のほうが簡単だからです。(商法などの手続き)
問題は、社債も借金ですから返済が必要です。
この返済に窮した企業は、バブル崩壊後資本市場からの借り換えができなくなり、結局、もとに戻って土地を担保に銀行借り入れをしているのです。
さらに、土地だけでは足りない場合、土地と建物をセットに証券化し、借り入れる、ということが行われています。
このことが、不良債権処理問題として顕在化してきたのです。
銀行は貸したものの、その担保価値自体がなくなるということで、いったいいくら不良債権となるのかも分からない、という泥沼です。
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この回答へのお礼

とても解りやすく参考になりました。
どうもありがとうございました。
また、なにかあったらよろしくお願いします。

お礼日時:2001/12/20 16:37

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