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なんとなくクラシック好きの一般人です。

オーケストラの編成(バイオリンの人数・フルートの人数・・・などなど)について教えてください。

オーケストラは、曲によって演奏する人数が違いますよね。また、同じ曲でも編成が違うことがありますよね。

「編成は作曲者が決めているけれど、音の厚みを出したいときに楽器を増やすことがある、またはシンプルにしたいときに削ることがある、新たに楽器を加えることは無く、そういう場合は「編曲」になる。」という回答が別の質問にありました。

ここでいう「増やす」「削る」「加える」というのは、指揮者が行うのでしょうか。また、それぞれの楽器の位置についても色々あるようですが、これは指揮者が決めるのでしょうか。教えてください。よろしくお願い致します。

A 回答 (4件)

こんにちは。


こってりクラシック好きのマニアです(アマチュアオーケストラ経験者です)
回答もこってりです(笑)

【楽器の編成について】
どの楽器が何パートあるか,それぞれのパートが何の音を演奏するか,というのは,作曲家の決める事です。これは,基本的には変える事はできません(多少はやりますが)。これを変える事は,おっしゃる通り,「編曲」にあたります。
<例>19世紀末~20世紀初頭くらいに活躍したマーラーという作曲家/指揮者は,シューマンの交響曲を「楽器の使い方がヘタだから」といって,編曲してしまいました。

各パートを何人で演奏するかについても,それなりの原則はあります。
1stヴァイオリン(主に旋律を担当するパート)の人数が決まれば,あとの弦楽器(2ndヴァイオリン,ヴィオラ,チェロ,コントラバス)の人数は,それとうまくバランスがとれるように,ほぼ自動的に決まります。
全体の人数についてもそれなりの傾向はあって,モーツアルトあたりは少人数でスッキリとやる場合が多いですし,逆にワーグナーやチャイコフスキーあたりだと多目の人数で分厚く演奏する事が多いです。

また,管楽器は1パートを一人で吹くのが原則です。つまり,曲によって管楽器の人数が変わっているのは,作曲家が作ったパートの数が違う,という事です。

ただ,人数については指揮者やオーケストラ側でも調整できます。具体的には
・弦楽器を多めにして分厚くするか,少なめににしてスッキリさせるか
・管楽器の人数を倍にしたり(倍管),音量を補強する奏者(アシスタント)をおいたりするか
などです。これによって,同じ曲でもずい分と違った印象の演奏になります。特にベートーヴェンはいろいろなアプローチの演奏が混在していて,聴き比べすると面白いかもしれません。
数十年くらい前までは,大勢の弦楽器による分厚い響きの演奏が比較的多く,そうなると管楽器(特にフルートやオーボエなどの木管)が1パート一人では音量的にバランスが取れないために,倍管やアシスタントを置く場合もあったようです。一方最近は,少なめの弦楽器による,軽めで活き活きとした演奏を指向するものも多いです。

また,マーラーやR・シュトラウスといった比較的最近の作曲家の場合,「○○パートは☆人以上で」とか,「ここの音量が足りなければ人数を増やせ」といった,指揮者やオーケストラにしてみればおせっかいな(笑)指示が楽譜に書いてある場合もあります。彼らは,自ら劇場やコンサートで他の人の作品を指揮する機会も多かったので,その辺りの経験が作曲に活かされているのでしょう。


【楽器の位置について】
個人的な印象としては,
・それぞれのオーケストラが持っている伝統的な配置
・それぞれのホールの響きに適した配置
で決められる事が多いと感じています。

ただ,最近は,
・曲が作られた時に作曲家が想定していたであろう配置
について指揮者やオーケストラが考慮して演奏することも増えてきたようですね。1stヴァイオリンと2ndヴァイオリンをステージの片側に集めるか,ステージの左右に分けるか,というのがもっとも典型的な例かと思います。大ざっぱには,分けるのが伝統的な配置で,集めるのは最近はじまったことだから,大多数の作品はヴァイオリンを左右に分けて演奏されるべきだ,と考える人が増えているようです(実際にはそれほど単純なものでもないようですが・・・)。
もちろん,他の楽器についても本当にいろいろな配置パターンがありますが,詳細は私もよく分かっておりませんので割愛します。申し訳ありません。
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この回答へのお礼

すごいです!疑問が一発で解決してしまいました・・・
どうもありがとうございました。
1stバイオリンの人数で他の弦の人数がほぼ決まるというのは驚きです。指揮者の裁量が大きいのも驚きです。オーケストラ・指揮者によって同じ曲でも全く違って聞こえる理由の一つが分かりました。これからは編成にも注目して聴いてみます。

お礼日時:2006/03/20 18:06

ほぼ、出尽くしている感じはするのですが、補足を少しだけ...



>同じ曲でも編成が違うことがありますよね
管楽器のアシ(スタント)や倍管に関しては#1さんも書いておられますが、例えば、ブルックナーの交響曲。「大編成」というイメージがありますが、実は、基本的には二管編成(木管が各2パートを基本とする編成)で書かれている曲が多いと思います。ただ、1人1パートだと体力的にきついのに加え、大編成の重厚な感じを出したいということで、倍管で弦楽器人数もそれに応じて多めにして演奏することが多いと思います。

また、ほとんどのクラッシックの曲が作曲(および初演)された頃のオーケストラは現在のような大編成ではありませんでした。ただ、演奏会場の広さも違うし、楽器(特に管楽器)の性能も当時と違う。そこで演奏する側の考え方次第で、現在の編成で演奏することもあれば、人数を減らしてなるべく当時の編成に近づける、あるいは楽器自体も昔の楽器(あるいはその複製品)を使って演奏していうrこともあります。

ちなみに1stヴァイオリンと2ndヴァイオリンが隣り合う、現在、一般的な並び方になるのは20世紀になってからですね。ですからヴァイオリンが向かい合って座る「対面配置」のステレオ効果を意識したオーケストレーションも時々見かけます。
ただ、アンサンブルのしやすさ、に加え、弦楽器の音にも方向性があるので、1stヴァイオリンの向かい側にどの楽器を置くかは議論が分かれるようですね。ヴィオラを置くにしろ、2ndヴァイオリンを置くにしろ表板が内側を向きますから音がとんでいく方向は客席とは反対側になり、やや聴こえにくくなりますし、チェロの場合も表板が客席の方を向くステージ内側に配置した方が聴こえやすいという問題があります。
プロオケでも、指揮者の意向で並び方を変えていることもありますね。

この回答への補足

皆様、素人の質問に丁寧に答えてくださってありがとうございました。これからはまた違うオーケストラの楽しみ方もできそうです。
ポイントを二名に絞らなければならないのが心苦しいです・・・またここで色々教えていただけると幸いです。どうぞ今後ともよろしくお願い致します。

補足日時:2006/03/22 09:55
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この回答へのお礼

パートの体力、楽器の性能、音の方向性、本当に様々なことが編成に関わるのですね。N響アワーを見る目も変わってきそうです。(笑)どうもありがとうございました。

お礼日時:2006/03/22 09:55

>曲によって演奏する人数が違いますよね。


管楽器は作曲者の意図で,オーボエ2,ホルン2というように人数が決められていますが,弦楽器については人数が決められていません。
管楽器の人数(パート数)が少ない曲では,絃楽器ばかり多くするわけにはいきませんので,絃楽器も少な目になります。
ホルン2,トロンボーンなしの場合と,ホルン4,トロンボーン3の場合とでは絃楽器の編成(人数)も違ってきます。

>同じ曲でも編成が違うことがありますよね。
バッハのブランデンブルグ協奏曲では,小編成アンサンブルから40~50人編成のオーケストラまでありますね。
どんなサウンドを出したいかという演奏家の意向だけでなく,本来の演奏スタイルの研究も絡んでくると思います。
人数だけでなく,当時の楽器にこだわる団体もあります。

弦楽器の人数は指揮者が決めるのかオーケストラが決めるのかはわかりませんが・・・両方と思っています。
ベルリンフィルの録音でモーツァルトの交響曲を聴くと,耳で聴くだけなので実際には何人かはわかりませんが,
ベームの録音では少な目で丁度良し,カラヤンの録音では多過ぎる(力強過ぎる)という印象があります。(カラヤンファンなのですが)
この場合は指揮者の意向ではないかと思っています。
でも,指揮者が指示をしてから人数を決めるのではなく,曲に応じてオーケストラが事前に人数を決めていることもあると思います。
そこに,もし,指揮者の注文が入れば変更することもあるだろうと思います。
指揮者の考えを知っていれば,ベームとの共演なら始めから少な目に決めておく,カラヤンとなら多い目に決めておくというように
オーケストラの方で考えている面もあるだろうと思います。
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この回答へのお礼

オーケストラがおおまかに決めることもあるのですね。オーケストラの誰が決めるんだろう・・・、て興味が尽きないですね。ホールで演奏するまでには色々な細かい調整があるんでしょうね。その結果、すばらしい演奏を聴かせてくれる指揮者・オーケストラをはじめ、関係者の皆様に感謝と感動してしまいます。
どうもありがとうございました。

お礼日時:2006/03/22 09:30

ほぼ、No,1さんの回答で解決されていますが、オーケストラの配置だけ少し…。



時代背景や、編成人数などでも配置はもちろんかわります。あとは、会場の舞台の広さでもかわります。

ニューイヤーコンサートで有名なウィーン音友協会ホールの舞台は非常に狭いです。
そのため、ニューイヤーコンサートなどを見ればわかると思いますが、コントラバスの位置が異常です。管楽器の後ろにコントラバスがいます。これはウィーンフィルの伝統というのではなく、舞台が狭いからです。来日公演を見れば、違う位置にいると思います。

あとは、曲によって楽器同士の掛け合いがあります。リズムの掛け合いやメローディーなどにも掛け合いがありますので、掛け合いの多い楽器同士が遠くにいると音楽としてまとめづらくなります。もちろん指揮者と相談の上で決めます。より弾きやすく、音楽をつくりやすくするためにも配置は意外と大事です。

同じオーケストラでも違う配置で響きは変わります。ゼヒ、その点にも注目してコンサート等に行ってみてください!楽しみも増えますよ♪
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この回答へのお礼

舞台の広さですか。当然といえば当然ですが、気がつきませんでした!
音楽的なことだけでなく、物理的なことも重要なのですね。
掛け合いのある楽器は近くに配置することが多い、というのもなるほど!ですね。
どうもありがとうございました。

お礼日時:2006/03/22 09:24

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