No.5ベストアンサー
- 回答日時:
#3です。
まず蒸発潜熱について。100℃以上でも線形としてあらわされるということなので、多分#4さんが正しいと思います。蒸発面での温度を考えないといけないので、例の場合、普通の大気圧下なので水面温度が100℃でストップすると思います。
なお、コップの水が最初15℃として、70℃と90℃と110℃の乾燥機の中にコップを入れると、水は15℃の時点で蒸発を始めます。だから最初は3つの乾燥機で蒸発潜熱は変わりません。3つの乾燥機で水温の上がり具合が変わるので、蒸発潜熱の値も時間と共に変わってきます。だから、いくら蒸発潜熱自体が温度に対して線形でも、3つの乾燥機の中で蒸発するまでに使われた蒸発潜熱の平均は非線形になります。
コップの中の水は、100℃に達するまでは水面からしか蒸発しません。もし110℃の乾燥機の中の水が蒸発し終わるまでに100℃を超えると、沸騰して水の液体内部からも蒸発が起こります。これは急激に蒸発速度を加速します。乾燥機の温度と蒸発速度が非線形になる大きな要素になります。
--
自分は常温下での地表面蒸発を専門にしているので、こういう特殊な環境はよく知りませんが、基本的には下にも書いたとおり、蒸発速度はいろんなものに複雑に影響されていて、蒸発潜熱というのはその中のほんの些細な1つに過ぎません。だから蒸発潜熱が線形だから蒸発速度が線形とは全くいえないと思います。
上記の乾燥機とコップの水の熱収支式で簡単に説明すると:
蒸発量=(空気から水への熱伝達量-水の温度変化)/蒸発潜熱
と言う感じになると思います。
水が蒸発するにはエネルギーが必要です。乾燥機は高温の空気が水に乾燥するエネルギーを与えています。乾燥機の空気がコップの水にどれだけの速度でエネルギーを与えられるかというと、それは空気と水の温度差によります。もちろん水が温められるほど温度差が減少して空気から水へのエネルギーの伝達速度が落ち、それは完全に非線形です。
だから、「乾燥機の温度が高いほど早く蒸発する」のは確かですが、蒸発潜熱が蒸発速度に与える影響は限られているので、「蒸発速度が温度に比例する」、というのは間違いだと思いますよ。
最初の例の洗濯物の場合は、上の熱収支式がもっと複雑になります。
蒸発潜熱は蒸発速度にそれほど影響を与えません。蒸発速度に関係するもっと重要な要素はコップや洗濯物が外から受けるエネルギーの量と速度です。より多くエネルギーを受けた方がより蒸発しやすくなります。乾燥機とコップの例の場合、コップが受けたエネルギーは、「蒸発」と「コップの水を温める」という2つの目的に使われます。このエネルギーの配分も、乾燥機内の温度や湿度、コップの形などに複雑に影響を受けますし、乾燥機内の温度に対して非線形だと思います。
その他、洗濯物の場合やより複雑な環境では、空気や風の状態も重要になります。洗濯物表面の湿った空気をどれだけ効率よく乾いた空気に置換できるか、というのが蒸発速度に影響します。
大変分かりやすく御説明いただき、理解することができました。
線形にならない理由は、(1)水温の昇温速度が異なる(2)水温100℃を超えると内部から蒸発し始める(3)場合によっては空気の置換の影響、と解釈しました。
(3)は、相対湿度の上昇に加え、条件によっては蒸発潜熱により雰囲気温度が低下する可能性もあるかと考えました。
色々勉強になりました。ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
1と2を書いたものです。
3度目の投稿させてもらいます。水というのは、100度で蒸発するので
110度で蒸発熱が定義できるというのは、
既に蒸発している水蒸気が、1モルあたり蒸発するのに必要なエネルギーということになります。
110度の乾燥機に入れて、110度の水の蒸発熱
を測るとしても、液体の状態のときに計らないと
『蒸発熱』にはなりません。110度の乾燥機に入れても、液体の状態で存在するのは100度までです。
110度の乾燥機の中で水温が上がっていくにつれ、『水温』に依存する蒸発熱は『時々刻々』変わるはずです。それで100度まで水温が上がったら、蒸発熱の下降もそこで止まるのです。
少なくとも、水の温度上昇に対する蒸発熱の下降、
による乾燥速度の上昇は110度には反映されません。100度までです。それ以降は、熱浴の温度がものをいうでしょう。熱浴がとんでもなく高温なら、熱伝導の性質により高温(乾燥機)から低温(水)に熱は流れるでしょう、温度勾配に比例して。
もし、大気圧よりも高圧で水の温度を上げるなら
沸点は100度以上だから、110度でも液体の状態
であることはできます。その状態でならば当然110度での蒸発熱の定義も可能でしょう。そうなったとき
線形的に蒸発熱が110度まで下降しているなら、
乾燥速度も熱浴よりもそちらの影響で上昇するのではないでしょうか
湿度図表には、1atmで沸点を超えた120℃までは、蒸発熱が線形に書かれていますが、確かにその温度で蒸発熱が存在することはおかしいと思います。
水温に依存する蒸発熱は、その水温に達するまでは非線形に低下することが理解できました。
ありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
まず、akatomotさんの疑問は項目を2つに分ける必要があります。
(1)沸点をはさんでも蒸気熱(ちょっと日本語がわかりませんが、英語で言うLatent heat of vaporizationのことですよね?)は気温に対して線形か?
常温付近では、線形(または線形として近似できる?)ですが、質問のような高温下での回答は自分は知りません。
(2)乾燥速度は空気の温度勾配に比例するか?
これについては、少なくとも線形的な比例はしないと思います。
2番さんの回答(100度までは線形)とも少し違っていて、もっと複雑だと思います。100度より110度の方が早く乾きます。極端に言えば1万度なら一瞬で蒸発するでしょう。
基本的には周りの気温が高いほど蒸発しやすいんですが、蒸発の速度はlatent heat of vaporizationのみで決まるわけではありません。
蒸発面と接している空気がどれくらいの速さで交換されるかとか、その他いろんな要素が複雑に関わってきます。
例えば飽和水蒸気圧曲線は温度に対して非線形ですが、乾燥機の中の洗濯物の状態によって、空気の交換が非常にスムーズな面とスムーズに行われない面が出るはずです。乾燥機内部の空気の平均相対湿度が低くても、洗濯物と空気の接地面付近で部分的に相対湿度100%になる面もたくさん出るでしょう。空気の温度が低いと、より早く100%に届き、その届き方は温度に対して非線形です。
これはただの一例で、乾燥機の中の熱収支を細かく見ていくと、非線形の要素がたくさんあると思います。
実社会で何か実際の物を乾燥させるときの乾燥速度は、温度やlatent heat of vaporizationだけでは語れません。
丁寧な御回答、ありがとうございます。
質問の中で蒸気熱は、蒸発潜熱(or蒸発熱)と書くところを間違えて書いてしまいました。
湿度図表を見たところ、蒸発潜熱は常温から少なくとも120℃までは線形で表わされたいたので、温度と乾燥速度は比例すると考えました。
乾燥速度は、周囲の温度だけでなく、乾燥機の中の風の流れや、洗濯物の内部にある水の拡散速度など、非線形の要素がたくさんあることを理解でき勉強になりました。
実は、70℃と90℃と110℃の乾燥機の中に、それぞれ水の入ったコップ(熱伝導は考えない)を入れたら、水の蒸発速度(乾燥速度)は、どんな関係になるのかという素朴な疑問が発端でした。
上記の条件で、空気の置換も同等に十分に行われている場合は、乾燥速度は線形でという理解でよろしいでしょうか?
非線形の要素は熱収支の中でたくさんあることは理解し、考えたつもりですが、間違っていましたら再度御教授いただきたくお願い申し上げます。
No.2
- 回答日時:
1です。
乾燥速度が速い=蒸発させるのに必要なエネルギー
が小さい、ということでしょう。温度に比例して
乾燥速度が速くなる=蒸発熱が小さくなるというのは、高温になるほど水分子の運動エネルギー
が大きくなるので、高温ほど分子間力を断ち切るのに必要な
エネルギーが小さくてすむ、ということです。
本題に戻って、90度までは問題ない、すなわち線形
だと思います。110度の乾燥機に入れると、まず
水は液体の状態で100度まで上昇し、それから100度の状態で全て蒸発して、全部水蒸気になった後
110度まで上がって止まります。つまり、110度の乾燥機の乾燥速度は、100度と同じだと思います。
ありがとうございます。
乾燥機に入れた場合、周囲の温度は仮に110℃としても、水温が100℃に達するには時間がかかります。
水の温度が上がっていく間に、乾燥する速度は、やはり線形のように思いますが、その解釈でよろしいでしょうか?
No.1
- 回答日時:
100度までは一律だと思いますが、
100度になった時点で、全部蒸発するまで
液体の水の水温は上がらないと思います。
加えたエネルギーは、水温の上昇でなく蒸発
に使われますから。
グラフを描くなら、70度から100度までは、
乾燥(蒸発)速度は線形に上がると思いますが
100度で下に落ちる(全部蒸発するので)と思います。
この回答への補足
早速 御回答いただき、ありがとうございます。
仮に、70℃、90℃、110℃に設定した乾燥機が3台あった場合、
それぞれの乾燥機に水を入れたときの乾燥(蒸発)速度は、
温度に比例すると考えてよろしいでしょうか?
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