プロが教えるわが家の防犯対策術!

私は文系出身の32歳会社員です。

ふとしたきっかけで数学を学び直そうかなと
独学で最近始めました。

そこで...
本当に素朴で基本的な疑問で恐縮なのですが...

(1)何のために固有値を求めるのでしょうか?
(2)何のために固有ベクトルを求めるのでしょうか?
(3)何のために行列の対角化を行うのでしょうか?

回答は歴史的背景、学術的背景、感情...etc、なんでも結構です。
例)
・特定の法則で計算すると固有値が求められるので求めた。
・固有ベクトルは縦に並べてベクトルとしてみた方がすっきりするから「数列」ではなく「ベクトル」と呼んでみた。
・意味はない!目的はない!ただ数学として突き詰めているだけだ!
...などなど

あっ、でも急を要している訳ではないので
もしご存知の方、もしくは自論をお持ちの方は
お時間のある方はご回答いただければ幸いです。

ちなみにテキストは共立出版の『やさしく学べる基礎数学~線形代数・微分積分~です。
やっと線形代数が終わって、微分積分に入ろうというところで、ふと疑問を持ってしまいました...(~~;

本当に漠然とした質問で恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたしますm(__)m

A 回答 (6件)

行列を 1個固定して考えてみます.


この行列は何かよくわからないんですが線形変換を表します.
たいていのベクトルはこの線形変換によって変な方向を向いてしまうんですが, まれに方向が変わらず長さだけが変わるベクトルがあります.
このように「長さだけが変わるベクトル」がこの線形変換 (ひいては行列) の固有ベクトルとなります. で, 長さの変化率が固有値.
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この回答へのお礼

確かに!
なんか[t]を使って、実数倍なんて書いてありました。
方向が変わらないから『固有』なんですね(^^)

ずっと『固有』という言葉に引っかかってました。
『何が固有なんだろう?』って。

いや~、すっきりしました。
ありがとうございましたー!

お礼日時:2006/03/25 16:58

話の切り口とか視点という言葉があると思いますが、固有値、固有ベクトルというのはそれに近いものがあります。



事象に対してすべてを不足なく記述しているのが行列による表現で、確かに計算機でガリガリ計算するのには適していますが、人間には何のことやらわからなかったり、計算するにしろえらく効率がわるいわけです。

これは日常にもよくあることで、起こった出来事全部見れば、情報としては十分なのですが、本質が何かわからなくなってしまうわけです。で、よく報告書であるとか、記事というものには切り口や視点というものが求められます。このとき、個人の経験や感性によって、その軸がきまることになり、その軸で「事実」を整理することで「真実」を浮かび上がらせるわけです。

翻って、行列の場合はどうかというと、実は行列の表現に落とし込んだ時点で、適切な切り口や視点というのを行列自身がもっていますよ!というのが、固有値、固有ベクトルの話なわけで、ありがたい話なので、線型代数のハイライトなわけです。で、固有ベクトルという、行列から決められる軸を選ぶことで、「本質」がみえるようになるよ(しかも、それは外部から与えられるのではなくて、行列が内在的にもっているものなのだよ)といっているのです。しかも、すごいのは、一般の生活のなかでは、切り口や視点を選ぶことは、他の側面を切り捨てることに他ならないのですが、行列の場合は、切り捨てるのではなく、固有値、固有ベクトルによって、本質を浮かびあがらせながら、情報を切り捨てることなく扱えますよ!というところがすごいのです。
これにより、

【1】切り口や視点というのが、主観によらずに決まる(内在的に決まる)ので、客観的にできること、

【2】情報としてシンプルかつ不足がないので、情報処理が簡潔かつ抜けの無い処理ができること、

とうのが固有値、固有ベクトルの意味としてのベースとなるところなのではないでしょうか?たとえば、これを露骨にやるのが社会科学でいうところの因子分析というやつですよね。

面白いのは【1】内在性が人文的な場合と違うのと、【2】が計算機科学や工学を支えているというところですかね。
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(1) 固有値を求めるのは,直接には対角化の計算過程


のためですが,線型変換を標準化したときの各方向の
倍率を表します。

(2) 固有ベクトルは変換した基底をなす各ベクトル
のことですから,対角化に際して基底を明確にする
のが求める理由。

(3) 行列の対角化は,線型変換ひいては多変数の構造
を理解しやすくするためです。

線型代数を学ぶ目的は,(一般的には)多変数を処理
・表現する方法論を身につけることにあります。
2変数で最も単純な1次写像でさえも

  (x,y)→(X,Y):X=ax+by,Y=cx+dy

というようにパラメタが(a,b,c,dの)4つも必要にな
ってしまうので,その重要性はおわかりだと思います。
そこで,多変数の(線型)1次写像を1変数の1次関数
の手軽さで扱おうと登場したのが行列で,上の写像を

  y↑= A(x↑)

とまとめたときに,Aに必要な演算を定義したのでした。
(ここで,「登場した」というのは歴史的にそのような
発想で生まれたという意味ではなく,学習意義として
そのように位置づけられたという意味です。)

さらに,抽象代数として行列を扱うのは,(イメージが
湧かないなどの理由で)難しいので,座標平面や座標
空間というスクリーンに,その像を図形として映し出す
ことで理解しようとしたものが線型変換です。

しかし,線型性をもつ変換というめちゃくちゃ強い条件
をもっているにも関わらず,これだけの工夫でもまだ
まだわかりにくい部分が残されます。
例えば,行列A=(-1,2,3,4)(2次の正方行列)で表さ
れた線型変換による直線y=x+1の像,といっても頭の
中でイメージできるほど単純ではありません。

ところが,「行列B=(2,0,0,1)(2次の対角行列)で
表された線型変換による像」と言えばどうでしょうか?
すぐイメージが湧きますよね。
そこで,標準基底(1,0),(0,1)でAと見ていたものを,
適当な基底でBと見ることができないか,と考えたもの
が(基底変換と)行列の対角化なのです。

基底変換を表す正則行列をPとすると

  A*P = P*B

であり,両辺の各列を比較したものが固有値を求める
ときに現れる式

  A(x,y) = k(x,y) (ベクトルは縦ベクトル)

となります。そして,

  P^(-1)*A*P = B

により行列Aは対角化されて,対角行列Bと同値である
ことがわかります。

さらに複雑なことに,対角化できない行列も存在します。
そのような事態に対して,対角化に近づけようと試み
たものが「ジョルダンの標準形」です。
主旨はもうおわかりでしょう。
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この回答へのお礼

...『ジョルダンの標準形』...
出てきませんでしたねぇ...調べないと。

ありがとうございました。

お礼日時:2006/03/26 00:39

はじめまして。



僕は物理学科を今年卒業する者です。

(1)
物理では”固有値”とは特別なイメージを持ちます。なぜなら、量子力学という学問ではその”固有値”が重要な役割を担うためです。しばしば、その固有値を『エネルギー固有値』なんて呼んだりします

(2)
連立方程式を解く場合なんかに対角化が有効なときがあります。連立方程式の数が少ない時は、中・高校のときのように、代入法のようなもので解けばよろしいのですが、方程式の数が10個も100個にも、さらには方程式の数はN個という一般の場合も考えないといけないときがあります。これを代入法で1つ1つ求めるのはきっと大変ですよね。このときに線形代数が役に立ちます。
以下にはn個の連立方程式がある場合の例です;

a11*x1+a12*x2+ … +a1n*xn = y1
a21*x1+a22*x2+ … +a2n*xn = y2
      ・
      ・
      ・
an1*x1+an2*x2+ … +ann*xn = yn



(a11 a12 ・・・ a1n) (x1) (y1)
(a21 a22 ・・・ a2n) (x2) (y2)
( ・   ・       ・ )*(  )=(  )
( ・   ・       ・ ) (  ) (  )
(an1 an2 ・・・ ann) (xn) (yn)

ここで

  (a11 a12 ・・・ a1n)   (x1)   (y1)
  (a21 a22 ・・・ a2n)   (x2)   (y2)
A=( ・   ・       ・ ),X=(  ),Y=(  )
  ( ・   ・       ・ )   (  )   (  )
  (an1 an2 ・・・ ann)   (xn)   (yn)
と、行列Aと列ベクトルX、Yをおくと、n個の連立方程式は

AX = Y   ・・・(☆)

となります。ここでもしAが対角化可能であるとしましょう。このとき、実はある行列Pを用いてAは対角化されます;

P^-1*A*P = Λ

ここで、P^-1は行列Pの逆行列です。実はPは行列Aの固有ベクトルだけから求められます。(したがって、ここで固有ベクトルを求める必要があります)Λは対角行列です(つまり対角成分のみ0でない行列です)。

すると P*Z = X ・・・(☆☆) (Zは列ベクトルです)と変数変換すれば(☆)から

A*(P*Z) = Y

⇒両辺に左からP^-1をかけると

(P^-1*A*P)*Z = (P^-1)*Y



Λ*Z = (P^-1)*Y

となります。これで、Zは求まりますね。なぜならΛは対角行列だからです。そしてZが分かれば、(☆☆)からXが求めることができるのです

(3)
固有値とは関係ないかもしれませんが、行列を用いることによって、数式がキレイにまとめられるという利点もあります。
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私も理系ではありましたが、大学で数学を始めたとき同じ思いがありました(^_^.)。



まあ、その頃は教えてGooはおろかインターネットなんてありませんでしたし、かといって自分で調べるような立派な学生でもなかったので、ほったらかしにしておきました。おかげで数学の成績はあまりよく無かったですし、ほとんど数学を使わない学科に進みました。

さて、ふとしたきっかけで工学部の大学院で勉強することになって始めて、あーそのためにやっていたのか。知っていたらもっとまじめに勉強しておくのだったと気づき、後悔した経緯があります。

勉強が進むとわかりますが、数学ではまず高次の常微分方程式の解法にかならず必要になってきます。

また、コンピュータ使用を目的とした、数値解析法などは現在いたるところで使われていますが、このベクトルや行列のさまざまな操作が重要になります。

更に物理系でベクトル解析、最近ホット?な最適化手法(OR)などやってもでてきます。

一度ちょと先に進んで、微分方程式の解法あたりを勉強してみると良いかもしれません。いやがおうでもこの問題に戻ってくることになります。

楽しんで勉強してください!
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この回答へのお礼

そうですね、第2章が微分・積分ですから
進めてみたいと思います。

私はまだ基礎過ぎてゴールが見えてないだけなのですね...(^_^;

頑張ります。

ありがとうございました。

お礼日時:2006/03/25 16:55

その線形代数が発達したのは、コンピュータによる計算技術が発達したのと大いに関係があります。



原因xと結果yを多成分のベクトルの形にして、y=Ax(Aは行列)の式で、原因から結果を一気に求めるために、そのような対角化、固有値の技術が発展しました。

ビルの振動問題であれば、xは1本1本の梁にかかる力、yはそれで動いた変位(または速度)です。梁は何千本とありますから、ベクトルも何千成分もあるでしょう。従って、行列Aは縦何千、横何千もの巨大行列になります。そのようなとき、xからyを求めるのに威力を発揮するのがコンピュータと線形代数です。

時間とともに動く現象であれば、そのような計算を何千回、何万回もくり返すことになります。

実際にコンピュータによる計算に関われば、線形代数の重要性を認識するはずです。なお、理工系の大学では、線形代数は大学1,2年の必須科目になっている基本中の基本技術です。

それじゃ。
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この回答へのお礼

コンピュータとの関係なのですか...
確かに2*2の行列の計算だけでも結構面倒でしたから
膨大な計算なんてコンピュータ無しでは考えられませんね...(^_^;

ありがとうございます!

お礼日時:2006/03/25 16:54

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