Winnyなどのファイル交換ソフトによる個人情報の漏洩が企業で問題となっている昨今ですが、自分の勤めている会社では、現在下記のような、誓約書を社員・アルバイト全員に誓約書にサインをするよう迫られています。しかし、どうしてもその内容に納得がいかず、まだサインをしていません。誓約書の内容は下記の通りです「(1)Winny等のファイル交換ソフトを会社のPCにインストールしません(2)私の故意、過失を問わず、それらの危険ファイル交換ソフトがパソコンにインストールされていたため、会社および会社が取引している企業に、業務上知りえた一切の情報が漏洩、流出した場合は、私個人が会社が被った一切の損害ー弁護士費用および取引企業から請求された損害一切を個人である社員が賠償します」。(1)に関しては同意できますが、(2)に関して同意できません。故意、過失を問わず、個人である一社員が全損害を負担するのが納得できず署名するのは無理だと拒否していますが、この「故意、過失を問わず」の文言は口頭の説明では「過失のない場合は賠償責任をしない意味だから安心して署名して欲しい」の一点ばりです。その解釈を文面にして欲しいと要求されると拒否されます。無過失でも責任を個人に負わせたいのでわざわざ、このような誓約書をとらせて責任をとらせたいのだろうとは一切口頭で認めません。会社にはネットワーク管理者などは存在しておらず管理が杜撰なので、あわせてその体制が整えてからの署名にして欲しいと言っていますが、時間がかかるから。。との回答です。この誓約書に署名をした場合、もし情報漏えい事件が発生したら、無過失でも責任を問わされるものでしょか?また、通常「故意、過失を問わず」という文言は=故意がなくても、過失がなくてもと言う意味ですよね社会通念上。何方か法律的見地からアドバイスお願いします
A 回答 (5件)
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No.5
- 回答日時:
再びNo4です。
No4の結論は私の体験に基づいてた実質論から導いていて、すべての裁判官が私の事件を担当した裁判官と同様に行動する保証はありません。そこで補足が必要になりました。>(1)に関しては同意できますが、(2)に関して同意できません。
最悪(2)は「損害賠償額の予定である」と会社が認識している可能性があります。
第420条(賠償額の予定)当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。この場合において、裁判所は、その額を増減することができない。2 賠償額の予定は、履行の請求又は解除権の行使を妨げない。3 違約金は、賠償額の予定と推定する。
第421条 前条の規定は、当事者が金銭でないものを損害の賠償に充てるべき旨を予定した場合について準用する。
少なくとも会社側弁護士に「損害賠償額の予定である」と主張されると質問者は逃げ場がなくなる可能性があります。
「裁判所は、その額を増減することができない。」とありますから裁判所も質問者に救いの手を差し伸べることも難しくなる可能性が大きいです。
>私の故意、過失を問わず、それらの危険ファイル交換ソフトがパソコンにインストールされていたため、
質問者は「他人がこっそり質問者のパソコンにファイル交換ソフトをインストールし、これが原因で情報漏えいした場合」が一番心配なのでしょう。(私はこれを一番心配します。私は資産がありますから全財産他人に持って行かれることになります。
こう考えると、No4と結論が正反対になって「私はこの誓約書に署名できません。会社を辞めさせていただきます。」と勇気を持った対応をするしか方法がないでしょう。(質問者が私のように土地家屋、株などの資産を持っていれば、会社を辞めた方が得ですし、そうでなければ自己破産してしまえば済む軽い話かもしれません)
私に言わせれば(2)を撤回しても会社には実害はないでしょう。民法415条が生きてきて、堂々と損害賠償請求できるからです。質問者は415条は知らなかったでしょうから、(1)だけで署名しても「しまった。会社にしてやられた」とくやしがるだけでしょう。
No.4
- 回答日時:
問題になっていることの本質は「損害賠償責任ってなに?」に行き着くでしょう。
私は損害賠償責任は2種類あると思っているのですが、世の中はそうではない、1種類でいいじゃないかという人もいます。それが裁判官だったり、弁護士だったりすることもあります。これについての私の経験を最後に書きます。本件、損害賠償責任は2種類あると考えると何が違うかすぐわかります。
まず、不法行為法という損害賠償責任です。
第709条(不法行為による損害賠償)故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
法律はこう定めているから、質問者はこの誓約書に署名しようとしまいと、損害賠償責任を負っています。
ところが、この法律は解釈上重要な条件を付けていて、それは「たとえ重大な損害を他人に与えたとしても、それが故意でもなく過失でも無ければ損害賠償請求できない。」ということです。公害を巡っての裁判は皆敗訴です。たとえば簡単な例では「重油を燃やして煙突から煙を出すことは故意でも過失でもない。よってその結果何百人の人が死のうと、その会社は賠償責任が無い」となるわけです。そこで公害法という別の法律が必要になったわけです。
買ったテレビが原因で家が家事になったとします。メーカーには故意も過失も無く、少なくとも買った人が過失を立証することは殆ど不可能ですから、メーカーに損害賠償請求しても門前払いになるわけです。そこで製造物損害賠償責任法が必要になったわけです。
「ファイル交換ソフトを会社で使って何が悪い。不法行為ではない。」と思う人が殆どでしょう。しかしその結果会社が社会的信用を失えば、この709条を根拠に会社は有無を言わさず損害賠償請求し、応じなければ裁判に訴えることも理屈の上で成り立ちます。でも「重要機密ファイルが流出したのはウィルスに感染したからであって、ウィルスの感染について善意無過失である」ということは自明ですから、会社がその社員に損害賠償責任を問うても裁判所は門前払いするでしょう。
損害賠償責任は1種類と思う人は、「故意がなくて過失がなければ、他人に損害与えても賠償する必要がない」と安心できるわけです。
ではWinny使用損害賠償法ができるまでは会社は泣き寝入りするしか方法がない・・・・かというとそうではありません。第2の損害賠償責任を持ち出せばよいのです。
それは契約違反による損害賠償請求権です。民法は次のように定めています
第415条(債務不履行による損害賠償)債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。債務者の責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったときも、同様とする。
この場合の特徴は「債務者の責めに帰すべき事由」「通常生ずべき損害」であれば良く709条のような立証のめんどうさは殆どないことです。
第416条(損害賠償の範囲)債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする。2 特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見し、又は予見することができたときは、債権者は、その賠償を請求することができる。
>無過失でも責任を個人に負わせたいのでわざわざ、このような誓約書をとらせて責任をとらせたいのだろうとは一切口頭で認めません。
質問者が本能的に見抜き恐れているように、会社はこの文書を契約書と見立て、「民法415条により善意無過失であっても損害賠償請求しますよ」と言っているわけです。
「善意無過失の人に損害賠償させるのはおかしい」というのも1つの考え方ですが、「そうすると公害や欠陥製品で生命の危険にさらされた人は浮かばれませんし社会的正義にももとる」という考え方もあるでしょう。
ただし、最初に述べたように裁判所や弁護士は第二の損害賠償責任をなかなか認めたがりません。私の理解は415条は効き目が強い薬のようなもので、訴えた側があっというまに勝訴してしまうからです。そういう意味では、質問者は安心していて良いです。
私の実例はこういうものです。ある不動産業者がマンションを隣に建て立体駐車場をつくりました。作る前に「立体駐車場から出る騒音が都条例に違反する場合はただちに使用を中止する」という念書を(かなり強引に)書いてもらいました。そうして立体駐車場ができたので騒音を計ってもらったら案の定、都条例に違反でした。そこで管理組合としてこの不動産業者を「契約違反」で訴えたわけです。(質問者の会社と考えてていることはとても似ているでしょう?)
裁判所は、「それもそうだが・・・」といって結局騒音問題としか本件扱わず、こちらも騒音問題を解決するのが本旨ですから、「それでよいか」と折れました。結局塀を高くし防音対策することで和解しました。
ただ「業者はマンションの購入者に都条例に反する騒音を出したときは直ちに使用を中止する(保守をきちんとしないととんでもない騒音がでるのです)旨の約定を提出させる」ということをしなかった契約違反については裁判所は厳しく、購入者全員の誓約書を業者から管理組合に提出させました。
私はこの経験から「この署名をして契約として成立させた場合の法律効果は、会社は損害賠償請求しても裁判所に門前払いされないことに限られる。損害額その他もろもろについては709条並みに厳しく扱われるでしょうから、そんなに心配することでもない。」「よって署名に応じたらどうですか」と結論します。
No.3
- 回答日時:
最近よく聞く話ですね。
現実問題として、無過失で被害を受けるというのはほとんどないでしょう。
(1)は当然ですが、(2)に関しては、今のところWinnyをはじめとするP2Pソフトを勝手にインストールするようなエージェントが出まわっているわけではないので、妥当なところだと思いますよ。
それにメールでエージェントを送られた場合でも、それを開いたら過失であるのは明白です。
また、誰かが勝手にあなたのPCを使って・・、というのも、管理上の過失ですから。
MicrosoftのWindows Updateに仕込まれていたとか、SMSなどでエージェントが配布されたとか、明らかにユーザーの責任でない場合を除けば、過失無しでそういうことにはならないはずです。
無過失について係争で立証できれば、この文面なら、間違いなく賠償責任は回避できます。
ただ、問題は、会社のシステム管理が杜撰なことで、それを文書でプロテクトできると思っている点が問題で、あなたの要求自体は正当ですが、生半可な知識の相手に通じるかというと苦しいでしょうね。
No.2
- 回答日時:
会社の言うことはまったく筋が通らないわけでもないと思います。
普通、「故意、過失を問わず」というときは、「故意にそうしたか、あるいは過失があってそうなった」場合であって、「過失がない」場合は当然含まれません。アンチウィルスソフトやファイアウォール等を利用したうえで、ファイル交換ソフトをインストールしないように注意していれば、誰がどう見ても過失はないと思われますが、どうでしょうか。ただし、本気で情報漏洩に対して効果的な対策を立てるのであれば、個々の社員任せにするのではなく、独立した部門として情報管理部門をつくり、セキュリティポリシーを会社として確立していくことは重要ですね。
No.1
- 回答日時:
過失が無く情報が漏洩するなんてあり得ないのでは?
Winnyを使用すると言う事自体が、過失と見なされても現在の状況では仕方がないでしょう。
情報を適切に管理するという義務があるわけですから、故意に情報をもらせば、背任ですし、ファイル交換ソフトによって意図せずに情報が漏れた場合はあなたの管理責任に関わってくるわけですからそれは明らかに「過失」ですよね。
「故意、過失を問わず」とは「故意であっても過失であっても」と言う意味です。もし(1)に関して同意できるなら(2)に「ファイル交換ソフトがインストールされていたため」との記述がある以上、インストールしてなければ責任をとらされることは無い筈ですから、サインしても問題ないのでは?
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