高校生の物理で分かる話で、
物体が加速(減速)するとき、その物体に
・一定の力が加わっているならば(a=F/mより)等加速度運動
・一定の仕事率(電力)が加わっているならばだんだん加速度が小さくなる加速
になりますよね。(速度が上がるほど、単位時間あたりに力を加える距離が長くなるので、その分力は小さくなる)
このことを踏まえて、電車の加速・減速について考えます。
・電車が、動摩擦力によって減速するならば、動摩擦力は速度にほとんど依存しないので、等加速度運動になるはずです。
・しかし、電車が加速する時に電気エネルギーを変換して加速に使っているならば、加速時には電力一定と考えるべきで、それなら加速度はだんだん遅くなる気がします。
そこで、僕の質問は、
「加速時と減速時で、時間反転すると速度変化の様子が違って見えるのでしょうか。」ということです。
上では、動摩擦力によって減速していると仮定しましたが、もし減速時に運動エネルギーをほかのエネルギー(電気エネルギーなど)に変換して、加速のためのエネルギーとして蓄えるならば、加速時と同じような運動になる可能性もあります。
電車の動力の仕組みに関する予備知識は全く持っていませんが、力学の範囲でそのような違いが明らかになることが面白いと思い、質問しました。
また、運転席の距離メーターを覗いていると、加速時も減速時も、速度が速いときは加速度の大きさが小さいように感じますが、あまり自信はありません。
ご存知の方いらっしゃったら、ぜひお教えください。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
#1です。
長くなってしまったので、質問者さんの設問について考察します。
>・電車が、動摩擦力によって減速するならば、
>動摩擦力は速度にほとんど依存しないので、等加速度運動になるはずです
これはおおむね正解です。
>・しかし、電車が加速する時に電気エネルギーを変換して加速に使っているならば、
>加速時には電力一定と考えるべきで、それなら加速度はだんだん遅くなる気がします。
加速度がだんだん落ちてくるのは正解です。
ただし、加速時ずっと電力一定は、現実的にはありえません。
実際には、低速時は電流一定の等加速度運動、高速時は電力一定で
加速度がだんだん落ちてくる流れになります。
>「加速時と減速時で、時間反転すると速度変化の様子が違って見えるのでしょうか。」
おっしゃるとおり、あきらかに違います。
No.7
- 回答日時:
何度もすいません。
>転がり摩擦と動摩擦
転がり摩擦は、車輪やレールが変形することによって生じる摩擦です。
これにより速度は落ちていきますが、転がり摩擦力に頼って、減速・加速はできません。
さて、レールと車輪ですが、滑らないのが原則とは言え、巨視的には滑りが生じています。実際に計測すると静止摩擦より小さいそうです。
そこで、これらの摩擦力を鉄道では「粘着力」と呼んでいます。
No.6
- 回答日時:
#1です。
●高速域の挙動
>加速減速時のときのみ気にしていたので、空気抵抗は加減速のために加える力に
>比べて無視できると判断したのですが、それで問題ないでしょうか。
鉄道の場合、走行抵抗は非常に小さいと言えます。
まず、鉄のレールと鉄の車輪のため、転がり摩擦抵抗が小さいことが上げられます。
高速時では空気抵抗が卓越しますが、これも自動車などと比べると、断面積に対して列車長が長いので、相対的に空気抵抗の影響も大きくないのです。新幹線のような超高速列車はともかく、100km/h+α程度の空気抵抗は鉄道車両においてはほとんど影響がないことが知られています。在来線車両が切妻タイプが多いことからも
おわかりかと思います。
鉄道の場合、影響が大きいのはむしろ勾配です。もともとの走行抵抗が低いため、車両重量の鉛直成分がそのまま走行抵抗となる勾配は、加速・減速性能を大きく変えます。道路では緩い坂道である2.5%の上りが、鉄道では急勾配とされます。
●減速時
>素人の考えだと、電車の運動エネルギーを、電気にして架線へ戻す方法と、
>抵抗器や締め付け摩擦によって熱として逃がす方法の2通りを併用せず、
>前者のみのほうがエネルギー効率が良いように思えるのですが、
>やはりそのように単純ではないのですね。
いえ、最近の電車はおおむね架線に戻す方式をとっています。おっしゃるとおりでエネルギー効率がよいからです。
ただし、電車の少ない線区ですと、架線に戻した電力が消費されず、ブレーキ効果が得られないので、抵抗器を積んでいるケースもあります。また、機械的なブレーキは停まる寸前にしか使わないようになってきています。
●ブレーキの応荷重装置
>動摩擦力はレールからの抗力に比例するはずだから、加速度が質量によらない
>のは当然だと早計してしまいましたが、実際に働くのは動摩擦力ではなく
>転がり摩擦で、そのような議論は成り立たない、ということでよろしいでしょうか。
いえ、応荷重装置は、動摩擦がレールの抗力に比例することから、車両の質量に応じて、ブレーキ力を変えてやる仕組みです。
一応確認しておきますと、鉄道のブレーキは
★車輪がレールを滑走してはいけない★
この前提で作られています。したがって、車輪とレールの間の動摩擦力以上のブレーキ力を与えないようにしているのです。
なお、転がり摩擦は単なる走行抵抗の一つです。転がり摩擦でブレーキをかけているわけではありませんので、誤解なさらぬようお願いします。
No.5
- 回答日時:
#1 #2です。
電車がメインのページではないのですが、ディーゼルカーと
電車の加速性能曲線をグラフ化しているページがありますので、
参考にしてください。
http://kiha181.com/powervsec.htm
グラフは順に以下のように並んでいます。
・速度-時間曲線
・速度-距離曲線
・走行シミュレーション
・速度-加速力曲線
・速度-出力曲線
なお、ブレーキについては、等加速度運動です。
No.4
- 回答日時:
ごめんなさい。
速度が放物線にしたがって変化するというのは嘘ですね。暇なら自分で計算してみてほしいですが、速度に依存しない転がり摩擦と、速度の2乗に比例する空気抵抗の両方があるとき、速度がtan(t)みたいな感じで変化します。
No.3
- 回答日時:
まず、電車は、車輪が転がって走るので、理想的には、車輪とレールの間に滑りはないので、働くのは動摩擦ではなくて転がり摩擦ですね。
転がり摩擦も動摩擦と同様に速度にほぼ依存しないので、議論の仕方はあまりかわりませんが。
で、車両に働く力ですが、おそらく高速領域(40km/hくらい以上?)になってくると、空気抵抗のほうが摩擦に比べて支配的になってくるはずです。空気抵抗の大きさは速度に2乗に比例します。
したがって、電車の動力をきって惰性で走行させると、速度が放物線にしたがって変化するように減速していくと思われます。
実は、電車には詳しくないので、自動車についての知識からの類推なので間違っているかもしれませんが、転がり摩擦が電車の車輪とレールよりもずっと大きいと思われる自動車のタイヤと道路の場合ですら、40km/h以上では、空気抵抗のほうが転がり摩擦よりも支配的になってくるので、電車の場合も同様だと思います。
No.1
- 回答日時:
鉄道車両といっても、電車のほかに、ディーゼルエンジンを使うものや
古くは蒸気機関を使うものもあるわけですが、ここでは電車に絞って考えます。
●鉄道車両の特性
質問者さんは「動摩擦」について考察なさっていますが、鉄道の場合、
鉄の車輪と鉄のレールを用いますので、非常に摩擦係数が低く、
加速時の空転や、ブレーキ時の滑走が問題となります。
鉄道では摩擦係数のことを「粘着係数」と呼び、車両の開発にあたっては、
動力性能のほか、いかに粘着係数を確保するかが大きな課題であるのです。
●発車時の挙動
まず、電車の動力源であるモーターの特性について考えます。
モーターの裸性能は、回転がゼロのときにもっとも大きなトルクを発生し、
回転数が上がるにつれトルクが落ちていきます。
出力はトルク×回転数で表されますので、縦軸に出力、横軸に回転数を
とれば、上に凸の放物線を描くような感じになります。
しかし、電車の加速挙動はこれほど単純ではありません。
粘着係数の問題と、モーターの許容電流の問題です。
モーター本来のトルクをそのまま車輪に与えてしまうと、空転を起こします。
また、大きなトルクは大きな電流を意味しますので、モーターが焼けてしまいます。
そこで、速度が低いうちは、トルクを抑えて一定になるようにモーターを
制御します。したがって、電車が発車してしばらくの間は、定トルク
すなわち、等加速度運動を行う形になります。
●高速域の挙動
さて、今度は速度が上がってきた場合です。
回転数が低いうちはモーターのトルクを抑えていますが、前述の通り、
速度(回転数)が上がると、トルクが落ちてきます。
また、速度が上がると空気抵抗などが増えてきます。
これらのことで、加速度は速度が上がるにつれ落ちてくることになり、
モーターのトルクと走行抵抗が釣り合った速度が均衡速度になります。
●減速時
減速する場合はブレーキを使いますが、これも電気で行うブレーキと
摩擦で止める機械式のブレーキが使われます。
電気で行うブレーキは、モーターを発電機にし、発生した電力を
抵抗器で熱に変えたり、架線へ戻してやることで、ブレーキ力を
得る方法です。
機械式のブレーキは、車輪や車軸に付けられたディスクを締め付け
摩擦により速度を熱に変えてブレーキ力を得ます。
さて、これらのブレーキをかける場合も、粘着係数の問題が出てきます。
あまり強い力でブレーキをかけてしまうと、車輪が滑走してしまいますので、
滑走しないように一定の力で速度を抑えるようにできています。
この場合、おおむね一定の加速度で減速します。
しかし、新幹線などの高速の列車では、高速域において粘着係数が
下がることが知られており、高速域ではブレーキ力を落とすようにできています。
●ブレーキの応荷重装置
電車には乗客が乗ります。乗客の増減で車両の質量は変化します。
この場合、ブレーキ時の加速度はどうなるのか考えてみます。
同じ力で減速した場合、車両の質量が大きい方が、加速度(減速度)は
小さくなります。
しかし、実際は同じ加速度でブレーキが掛かるようにできています。
これは、車両の質量が大きい場合、レールと車輪に働く粘着力(摩擦力)も
大きくなるため、より大きなブレーキ力がかけられるようになるためです。
電車には応荷重装置と呼ばれる車重を検知する装置が付いており、
質量に応じてブレーキ力を自動調整するようになっているんですね。
この回答への補足
御礼が遅くなって、大変恐縮です。
●発車時の挙動
車輪の空転や、モーターの許容電流の問題があったのですね。高速で加速度が下がるのは、工学的な問題だということですね。
●高速域の挙動
加速減速時のときのみ気にしていたので、空気抵抗は加減速のために加える力に比べて無視できると判断したのですが、それで問題ないでしょうか。
●減速時
素人の考えだと、電車の運動エネルギーを、電気にして架線へ戻す方法と、抵抗器や締め付け摩擦によって熱として逃がす方法の2通りを併用せず、前者のみのほうがエネルギー効率が良いように思えるのですが、やはりそのように単純ではないのですね。
●ブレーキの応荷重装置
動摩擦力はレールからの抗力に比例するはずだから、加速度が質量によらないのは当然だと早計してしまいましたが、実際に働くのは動摩擦力ではなく転がり摩擦で、そのような議論は成り立たない、ということでよろしいでしょうか。
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