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針金または薄板を繰り返し曲げると固くなってやがて折れるんですけど、その原因を加工学的な視点から教えてください。

A 回答 (1件)

「加工学的な視点」というのが良くわかりませんが、ミクロ組織学的な視点と、もう少しマクロな視点からお答えいたします。


金属は結晶でできていますが、針金などは「結晶」という言葉のイメージにそぐわないくらい、簡単に曲げる、つまり塑性加工をすることができます。これは、結晶の中の原子の並びそこね、しわ(転位っていいますが)が加工によって増殖、移動をするからです。このように塑性加工が進むと増殖した転位が結晶中に貯まるわけですが、だんだん転位が込み合ってくると、互いの相互作用や、極端なときは2つの転位が1つになるなどして動きにくくなる、つまり堅くなるわけです。「針金を折る」というところまで行うとこれは「(低サイクル)疲労」と呼ばれる現象で、破断後の針金には転位がいっぱい含まれます。
 もう少し視点を変えて、金属の丸棒の引っ張り試験をイメージしてみてください。材料に力を加えていくとやがて塑性変形がはじまり、変形した部分はちょっと細くなり、試験片を引張る力を各部分の断面積で割ると、くびれた部分は他の部分より、ちょっと応力が高くなります。もしこの部分に、加工硬化がなければいったんくびれた試験片はその部分からどんどん変形してすぐに切れてしまいます。実際の金属は、塑性変形が始まってからくびれ始めるまでに少し余裕があります。加工硬化があるために破壊が一挙に進まない。このことは構造材料としての金属のもっとも優れた点の一つです。
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この回答へのお礼

回答どうもありがとうございます。質問が少しおかしくて申し訳なかったのですが答えていただけて問題の答えが良く分かりました。

お礼日時:2002/02/17 22:17

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