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インテレクチュアルズという本を読んで、自分なりにトルストイを調べてみましたが、なぜここまでぼろくそに書かれているのかがわかりませんでした。彼には人から嫌われる何かあるのでしょうか?

A 回答 (2件)

「インテレクチュアルズ」を読んでいませんので大きなことは言えませんが、著者・ポール・ジョンソンの著作のなかに「ユダヤ人」上・下巻がありますね。


私は、このことから推測しました。

トルストイ(1828-1910)の生きた時代、帝政ロシアはユダヤ人をきびしく迫害しました。
1880年代から1920年代にかけて大規模なポグラム(ロシア語で狭義ではユダヤ人虐殺)が起こっています。
しかし、トルストイは作品の中でユダヤ人に対する自国民の恥ずべき行為である人種差別と迫害については、特に何も書いていないそうです。
次のURL http://www2e.biglobe.ne.jp/~tis-russ/july2001.htm には、
「トルストイにたいしては思想においても、ものに見方においても、少なからず相違があります。たとえば、戦争心理のことです。しかし、ユダヤ人をテ-マにしたものは、トルストイは特に何も書いていません。」とあります。

一方、日本国内では、トルストイについては、作家・思想家で「戦争と平和」、「アンナ・カレーニナ」など世界文学有数の長編小説を生み、あらゆる秩序を批判し、暴力を否定し、トルストイ主義と呼ばれるキリスト教的な人間愛と、道徳的自己完成を説いたと解説されています。

ドストエフスキーやツルゲーネフは、はっきりと反ユダヤ主義者として評価が決まっていますが、トルストイは、どうでしょうか。
トルストイは、体制べったりの作家で、「キリスト教から見た都合の良い人間愛」を説いているという、このような観点から「インテレクチュアルズ」を読まれてはいかがですか。


くどいようですが、ナチスが迫害するよりもずっと前から、ユダヤ人は迫害を受けていました。
http://www.law.keio.ac.jp/~kubo/seminar/kenkyu/s …

今日600 万人に及ぶ合衆国のユダヤ人の圧倒的多数は、1880 年代~1910 年代の40 年間に洪水のように押し寄せたロシア・東欧系のユダヤ移民の子孫である。1881 年~1920年の間に205 万人以上のユダヤ移民が入国した。

「トルストイに人間愛を語る資格があるのか」と著者は問いかけていると思います。

参考URL:http://www.law.keio.ac.jp/~kubo/seminar/kenkyu/s …
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この回答へのお礼

回答有難うございました。

お礼日時:2006/06/21 19:03

その本そのものは読んだことが無いのですが、Amazonのレビューを見ていると、著者がこの本を書いた意図がわかると思います。



確かにロシア人の中でもトルストイを好まない人はいます。その理由の一つにトルストイの実生活が挙げられます。

トルストイは伯爵家に生まれ、すごいお金持ちで、大学時代には召使を連れて馬車で通学し、平民とは口も聞かなかったそうです。さらに大学では勉強になじめずに中退。その後、遺産を相続して、売春婦を買ったりとか賭博に夢中になったりとか、不倫したりとか放蕩の限りを尽くします。

トルストイは思想的に非常にすばらしい作品をたくさん書いていますよね。でも私生活は実はこんなに乱れていた。そのギャップによって、嫌われることが多いのです。「遊び人のくせにえらそうなことを言うな」というのが批判的な人の意見の中でも少なくありません。

ですが、トルストイの作品をみると、やはり考えさせられることは多く、「トルストイは不真面目」というのは作品自体の批判にはならないと思います。
それに、「放蕩であった」というのは彼の一面にすぎませんから、それだけを取り上げてどうこう言うのも、非常にアンフェアな気がします。

トルストイの人生と作品について、お勧めの本を上げておきます。おそらく、お読みになった本とはかなり違う視点でトルストイを捉えることができるかと思います。
もし興味がおありならぜひ一読ください。

藤沼貴『トルストイの生涯』 レグルス文庫

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4476012 …
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この回答へのお礼

回答有難うございました。

お礼日時:2006/06/21 19:02

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