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私は最近正当防衛に関して勉強していますが、
日本では「自力救済は禁止されている」という話を聞きました。
例えば警察官が偶然目の前にいた時は、
強姦に襲われても警察官(=国家権力)による救済を待たなければならず、
自分で殴り倒しても正当防衛が認められない、という内容でした。

そこで疑問なんですが、実際に「人質事件」に遭った際も、
やはり「自力救済」は禁止されるのでしょうか?

正当防衛に関して勉強すると
TVドラマや映画はウソだらけと言うことがわかってきますが、
よく外国(そもそも法も違うが)の映画では人質事件などの
犯人をヒーローがやっつけるというようなシーンもあります。

日本国内でバスジャックやハイジャックがあった際に、
(飛行中の航空機に関しては、日本籍の機内に限る)
乗客・乗員による犯人制圧は「自力救済」とみなされ、
犯人は負傷または死亡した場合は、
「傷害」「傷害致死」「殺人」「殺人未遂」などの
刑事責任を問われてしまうのでしょうか?

また、乗客・乗員が警察当局の誘導・指示に従わなかった場合、
「公務執行妨害罪」も適用される場合もあるでしょうか?
実際のハイジャックで警察とパイロットの間で、
意見が対立し「タイヤをパンクさせてでも離陸を阻止する」などと
いう言い争いも起きているようです。

A 回答 (6件)

まずアドバイス。


一体どこの本を読んで勉強しているのか知りませんが、まともな基本書を読むことをお奨めします。はっきり言って大間違いもいいところです。まともな基本書にはそんなことは書いてあろうはずがないのでまともな基本書ではないのだと思います。

回答としては#2の回答が最も正確です。
一番重要なのは、「自救行為と正当防衛は違う」ということ。この区別をしないだけで、回答としては間違いあるいは的外れと言っていいです。

さて、遺漏分のみ補足しておきます。

まず、自救行為は全面的に禁止というわけではありません。学説上だけでなく最判も肯定する余地を残していることには留意しておくべきです。最判は過去、自救行為を一度も認めていないのは確かですがそれは、「自救行為という正当化事由自体を認めていないのではなくて自救行為として違法性を阻却しないとして犯罪成立を認めている」だけです。これはどういう事かと言えば、「盗まれた物を発見して法律の手続きによらず自力で奪還する行為」は自救行為と考えるのが一般的だと思いますが、かくの如き行為は、「自救行為であっても違法性阻却事由としての自救行為ではない」ということだと考えればよいと思います。
つまり、
自救行為にも色々ある。正当防衛と異なり自救行為であることはそれだけでは違法性阻却事由であることを意味しない。違法性を阻却するかどうかは、当該自救行為が違法性を阻却すると言えるかどうかの実質的検討抜きには語れない。なぜかと言えば、法律上の位置付けがもともと、「正当防衛のように法律上特定の要件を満たす概念に与えた名前とは、異なるものである」のであり、問題は「名前ではなくて実質」であるから。
と、こういうことです。


>日本国内でバスジャックやハイジャックがあった際に、
(以下略)

通常は、自救行為ではなく正当防衛の問題になります。

大雑把に言えば、人質というのは逮捕罪又は監禁罪の被害者で、その状況が続いている以上、自己又は他人の権利に対する急迫不正の侵害があります。そしてそこから逃れるのは身体の自由という権利を防衛するためであり、そのためにやむを得ずした反撃行為であるならば正当防衛になる可能性があります。

#余談ですが、勝手にヒーロー気取りで余計な反抗をして自分以外の他の乗客に被害が出ると、余計な反抗をしたために迷惑を蒙った当該乗客から損害賠償請求を受ける可能性も無いとは言えません。それこそ米国辺りでは、そういうことがあってもまったく不思議ではありません。蛮勇は褒められないのです。

一方、やりすぎたために正当防衛ではなく過剰防衛になれば当然、

>刑事責任を問われてしまうのでしょうか?

こともあり得ます。なお、過剰防衛も自救行為とは別ものです。

>また、乗客・乗員が警察当局の誘導・指示に従わなかった場合、
「公務執行妨害罪」も適用される場合もあるでしょうか?

「暴行脅迫を手段として」公務員の公務を妨害しようとした(実際に妨害する必要はありません)ならあり得ますが、単に「従わなかった」というだけなら公務執行妨害罪にはなりません。なお、これは「自救行為、正当防衛とは何の関係もない」話です。念のため。

>実際のハイジャックで警察とパイロットの間で、
意見が対立し「タイヤをパンクさせてでも離陸を阻止する」などと
いう言い争いも起きているようです。

何の関係がある話かまったく解りません。
そもそも誰がタイヤをパンクさせるのかすら疑問ですが、パイロットにできるとも思えないですから警察がやるのでしょう。警察がハイジャック鎮圧に必要と判断してタイヤをパンクさせるのが何か問題があるんでしょうか?パイロットがそれに反対する理由は何でしょうか?その辺がぜんぜん解らないので自救行為とか正当防衛とかとはまるで無関係な議論だとしか思えません。
これがもし、勉強している本に載っているのであれば、そして予想通りに「無関係な議論」だとすれば、そのような無関係な議論を持ち出すような本が内容においておよそ信用するに足りないのは言うまでもないことなので、最初に戻って、「まともな基本書で勉強する」ことを強く推奨します。

#自由國民社辺りの割と専門的出版社の初心者向けの本は、内容に若干の不正確さあるいは誤謬はあっても根本的、致命的な間違いはそれほど無いですが(ただし読む方が勝手に間違えることはあります)、得体の知れない出版社から「自称」専門家の人間の出しているような入門書の類には、海のものとも山のものとも付かないものが結構あります。
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この回答へのお礼

詳細で丁寧な回答、感謝いたします。

自由國民社の本ですか。
なかなか自分の専門でないと専門書を見つけるのが困難です。
機会があったら探して見ます。

法律の本やその他の読み物でも専門向けから一般向けのものまで
色々あったりします。(警備関係とか)
ちなみに、私が読んだのは専門書ばかりではありません。
結構、法律が専門ではでない人が正しい情報を探して、
正しい法知識を身につけるのは、容易ではないですね。

上の件は別としても、専門家でも人によって解釈が違ったり、
テレビのバラエティー番組に出てくる法律相談なんかは、
一応専門家が解説してはいますが、
大学教授が見てああいうTVは間違いがいっぱいある、
などと言っていたりしておりました。

まず一般向けの読み物ではなく専門的な読み物の中から
初心者向けのものを探してみます。

ありがとうございました。

お礼日時:2006/07/26 21:42

#1,2,3,5の皆さんに同意です。



以下蛇足です。正当防衛になるのか過剰防衛になるのかを決めるのは生じた結果ではなく、手段・方法の相当性によります。

例えば、犯人が「ナイフ」で襲ってきたとします。襲われた一般人が防衛のために「殴った」ら、たまたま当たり所が悪くて犯人が死んでしまったという場合でも、何か特殊な事情でもない限り、正当防衛は成立するでしょう。犯人が死んでしまったから過剰防衛というわけではありません。ナイフに対して素手で抵抗する、この行為は防衛行為として相当なのか、それとも過剰なのか、ということを判断します。

バスジャックの事例で、犯人が負傷又は死亡しているにも関わらず、回答者の皆さんが正当防衛が成立する可能性がある、と仰っているのは上記の理由によります。

犯人が死ねば過剰防衛だという人がたまにいますが、それは誤っている、ということです。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

>生じた結果ではなく、手段・方法の相当性によります。

なるほど。結果ではないのですね。

結果と手段のどちらが優先されているか、、、意見が分かれますね。
本当かどうかは知りませんが、
「日本の場合は結果責任を問われやすい」という人をよく聞きます。
(一般の人でもある程度専門の人でも)
手段の相当性がポイントであったとしても、実際のところ、
なぜか国内で正当防衛が認められるケースが少ないですが。

お礼日時:2006/07/08 19:31

日本の場合は、確かに正当防衛の適用範囲が非常に狭いです。



正当防衛は、相手が危害を加えようとするときに、その能力を奪うまでが、許容させる範囲ですから、いかなる場合でも死亡させてしまうと、過剰防衛の罪に問われかねません。
たとえば強姦目的で殴り倒した場合、あごの骨を骨折させたりすると、直接強姦の目的に使用しない部分とみなされれば、過剰防衛とされる可能性もあります。

米国の場合は大分違います。かの国では、銃を使用した正当防衛も認められています。特に自分の私有地で、直接的脅威にさらされた場合(不法侵入など)、警告無しで発砲しても、正当防衛が成り立つことが多いようです。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

ある程度詳しい知識を持った方に聞いても、
正当防衛に関しては解釈にバラつきはありますが、

何はさておき、やはり日本は海外の他の国と大きく違うということは、
間違いのない事実みたいですね。

お礼日時:2006/08/27 17:01

 正当防衛と自力救済は別の物です。

正当防衛は急迫不正の侵害に対する防衛行為なのに対して、自力救済は、急迫不正の侵害が終了した後に、侵害状態からの回復を図る行為です。
 たとえば、バックをひったくられそうになった場合、犯人に対してひったくられないように抵抗することは正当防衛です。
 しかし、ひったくりされた後日、偶然、犯人を発見して、犯人がそのバックを持っていたので、力づくでバックを取り戻そうとするのは自力救済です。

>例えば警察官が偶然目の前にいた時は、強姦に襲われても警察官(=国家権力)による救済を待たなければならず、自分で殴り倒しても正当防衛が認められない、という内容でした。

 急迫不正の侵害が続いている以上、正当防衛は可能です。警察官が侵害行為を阻止したにもかかわらず、さらに暴行を加えたというのならば、確かに正当防衛ではありません。
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この回答へのお礼

>急迫不正の侵害が続いている以上、正当防衛は可能です。警察官が侵害行為を阻止したにもかかわらず、さらに暴行を加えたというのならば、確かに正当防衛ではありません。

警察官がそばにいるだけで正当防衛が無効になる、
専門家によるものか素人によるものかわかりませんが、
こんな解説をされているのを見たことがあるような気がします。
やはりそんな馬鹿な話はないですよね。

ありがとうございました。

お礼日時:2006/08/27 17:03

刑法を勉強されているようなので、法律用語を使います。


自力救済というか、刑法では自救行為というのが一般的なようです。

で、正当防衛と自救行為は別物です。

正当防衛は、刑法36条1項にあるように、「急迫不正の侵害」を
から自己を防衛するために、やむをえずした行為です。まさに、今にせまった侵害に対して、自己を防衛することです。

自救行為(基本的には禁止されています)は、刑法の条文にはありませんが、事後的に自らの権利を守ろうとする行為です。例えば、ひったくりからの取り返しです。ひったくりからの取り返し自体は、窃盗の構成要件に該当します。でも、取り返しのような自らを救うような行為を許そう(場合によっては、違法性を阻却しよう)ということも必要でしょう。それが、自救行為の問題です。

人質事件の場合、今まさに人質になっているのなら、犯人に暴行をしても正当防衛が求められる可能性があります。
また、単に人質から逃れようと逃亡するのは、犯罪の構成要件に該当しないので、何の問題もありません。

強姦にあっていても、警官がいたなら、反抗出来ない。そんな、馬鹿な話もありません。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

>人質事件の場合、今まさに人質になっているのなら、犯人に暴行をしても正当防衛が求められる可能性があります。

人質事件も「急迫不正の侵害」に含まれるのかどうか、
わかりませんでした。

>強姦にあっていても、警官がいたなら、反抗出来ない。そんな、馬鹿な話もありません。

警官がいる場合は正当防衛が効かないと解説されているのを
見たことがあります。
そんなバカな、と思っていましたが、
やはりそんな事はないですよね。

お礼日時:2006/07/26 22:01

犯人が負傷・死亡したからといって必ず罪に問われるわけではないでしょう。


現行犯は司法警察職員でなくても逮捕できますから、逮捕するに際してやむを得ず負傷・死亡させたときは正当防衛が認められる可能性が高いでしょう。
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この回答へのお礼

こんにちは、ありがとうございます。
やはりそうですよね。
もちろん罪に問われる事もありますが、
止むを得ない場合、あるいは予測できない事態が起こる場合も、
あると思います。
犯人に抵抗できないというのはおかしな話だと思っておりました。

お礼日時:2006/07/26 21:49

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