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伝書鳩は、初めて来た場所から巣へ何故帰れるのですか。調べたところ、地磁気を感知して方角がわかるらしいのですが、それだけでは帰れないと思います。例えば人間が暗い箱の中に入れられて遠くへつれていかれたとします。その場所で方位磁石だけを与えられたとしても元の場所には戻れません。巣がその場所から見てどの方角にあるかという情報が無いと、どちらへ進めばいいかわからないからです。この問題を伝書鳩はどう解決しているのですか。

A 回答 (3件)

 渡りをしないのにも関わらず、非常に優れた帰巣本能を持つ伝書鳩。


 彼らがどうやって自分の巣箱のある場所を見定めているかというと、複数の能力が関わっているようです。まず地形に対する記憶力が優れていること。何度も飛んでいるところならこの記憶力を頼りに飛ぶようです。
 ハトの図形に関する鋭敏さというのは大変なもので、研究にも被験体としてよく使われるので、「(人間にはよくわからない)ピカソの絵の上下を判別する」とか「絵の流派の違いを把握している」というニュースにもなったものはご覧になったことがあるかもしれません。
 余談ですが、この優れた記憶力が発揮できない洋上では帰巣率は下がるようですね。
 他に、太陽が出ていれば太陽の位置と傾きで巣箱の周辺と現在地との地理的なズレを把握するようです。経験を積めば星や月の位置からも現在地を把握できるようになるかもしれません。
(もちろんハトは夜目がききませんが、渡りをする他の鳥たちは夜飛ぶときに星を一定の目印にしているようですから。)
 さらに、覚えていられる時(つまり人間の手により移動しているのではなく、自分で飛んでいる時)はその往路も記憶しているのではないか、という説があります。

 しかし曇りの日や夜、さらに「ハトを何も見えない箱に詰め」たり「麻酔で眠らせて」から数百km、時に千kmを超える長距離を移動させてもハトの帰巣能力は変わりません。つまり記憶や太陽の位置だけで飛んでいるのではないということです。
 最近になり、ハトの嘴から頭蓋骨にかけて、羅針盤のような働きをする細胞があるためである、ということがわかってきています。これにより地球の地軸から発せられる磁場を感知して飛ぶ方向を定めているようなのです。
 シートン動物記には「アルノー」という、優れた伝書鳩数羽のエピソードをより合わせてシートンが作った小説があります。小説ではありますが、ハトの習性はそのまま描写されています。これの詳細大人版のほうには、伝書鳩が方向を定める様子が手にとるように描かれていますので、もし興味があれば図書館ででもぜひご覧頂きたいと思います。
 他に、もし伝書鳩自体にご興味をお持ちであれば、このような本はいかがでしょうか。
「伝書鳩―もうひとつのIT」(新書/黒岩 比佐子著)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4166601423/50 …
 
 磁場というのは、実は人間にもわずかながら感知する細胞があるそうなのですが、しかしどのようなものなのかさっぱりイメージすら沸きませんよね。しかしこれはなにかの流れがあるもののようです。
 これは私個人のイメージなんですが、地球全体を渦をまくように風が流れていて、その流れ方が常に同じだとしたら、場所によって風の流れる向きが違うはずです。風ならば人間も当たり方でおおよその方角がわかるのではないかと思います。さらにたとえば、磁場とは風に温かさ色などその他の情報もついたものなのかもしれません。
 多くの動物にとって磁場とはそのような、立体的に感じられるものなのではないでしょうか。風が流れるのを感じるように磁場を感じるのではないかと思います。
 実際、磁場が狂うとハトやイルカ、クジラなど多くの動物が迷います。伝書鳩が重要な通信手段を降りて一世紀足らず、今でも愛好家が伝書鳩レースを行っています。日本でも見られます。
 ところが日本をはじめアメリカなどいわゆる先進諸国において、通信衛星や携帯の大型基地の普及に比例して伝書鳩レースでの帰巣率が下がっている、というのです。時には何千羽も参加したレースですらほぼ全滅の例があると聞きます。理由としてこれら人工物が電磁波を発しているため、ハトの方向感覚を狂わせるとのではないかという一説があります。
 伝書鳩にとって日本は厳しい環境のようです。 

参考URL:http://www.amazon.co.jp/gp/product/4166601423/50 …
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この回答へのお礼

とても詳しいご回答あいがとうございます。鳩の小さな体のどこにそんな能力が潜んでいるのか不思議です。人が一番ダメなんじゃ?

お礼日時:2006/07/11 21:36

「伝書鳩は箱の中でどちらの方角へ何キロ行った、ということを計算しているのでしょうか?」



人類が大航海時代に入れましたのは,羅針盤と六分儀と時計で現在地を知ることが出来るようになったからです。ハトも全く同じことを実行しているようです。何千年の改良は,これらの能力のさらに優れたものの選別です。中でも体内時計は人のものと比べようもないほど正確のようです。KINGBIRDさんの回答に時計を加筆させてください。
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この回答へのお礼

体内時計まで持っているとは恐るべし鳩君。その時計の学名は鳩時計ですね。

お礼日時:2006/07/11 21:39

地磁気を感知するなら帰れるのではありませんか?


人間は感知できないのですから到達点で磁石を見ただけでは無理ですが常に磁石を見ていて移動距離が判れば人間も帰れますよね。
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この回答へのお礼

さっそくのご回答ありがとうございました。伝書鳩は箱の中でどちらの方角へ何キロ行った、ということを計算しているのでしょうか?

お礼日時:2006/07/11 10:15

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