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21日朝日新聞によりますと
合祀の決定は1978年に慎重だった靖国神社宮司筑波氏死去後、松平宮司が就任後間もなく合祀に踏み切ったとあります。そして宮司は松平元宮内大臣の長男とあります。
それ以上の詳しい経緯を教えてください。
一宮司の判断が外交面も含めてここまで論議を醸すことに、国権の最高機関はどのように対処できるのか、「政教分離」の原則で及ばないとすればいったいこの国の主権は本当に国民にあるのか、その点がとても疑問に思っています。

A 回答 (2件)

当時の関係者の証言がわかるWebのアドレスを入れておきます。


http://www25.big.or.jp/~yabuki/2001/yasukuni.htm
http://homepage3.nifty.com/wedd/yasukuni.html
http://sakura4987.exblog.jp/3353613/
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20060721/m …

主な出来事を時系列で並べれば、
1953年 戦傷病者戦没者遺族等援護法一部改正、恩給改正法(戦犯遺族にも軍人恩給が支給されるようになる。いわゆる『公務死』としての認定)
1966年 厚生省がA級戦犯の「祭神名簿」を靖国神社に送付
1970年 靖国神社総代会において、A級戦犯合祀の決定(但し、時期については「宮司預かり」)
1975年 8月三木首相の「私人参拝」、11月昭和天皇参拝(結果的に最後の参拝)
1978年 10月 A級戦犯が合祀される(表面化したのは翌年4月)

これと、上のWebの関係者の証言からわかる事は、
1.A級戦犯の合祀については、通常の戦死者の合祀と異なり、相当の時間がかかっている。
祭神名簿の靖国神社への送付自体、厚生省援護局調査課の元軍人が、上層部に無断で実行した事、とされている。
2.天皇側近及び靖国神社側(具体的には、筑波宮司)にも、A級戦犯合祀に反対(もしくは、先送り)しようとする考えが明白にあった。
3.1978年の合祀は、ある意味で特異なキャラクターの持ち主である松平宮司によってなされた。(それもオープンにされずに)
4.筑波宮司が懸念していた通り、また、靖国神社側が「A級戦犯を合祀すれば、天皇参拝はなくなりますよ」と宮内庁から警告されていた通り、A級戦犯合祀後は、昭和天皇の参拝はなくなった。

という事です。「侍従長は天皇の内意を受けて行動する」というのが常識であり、それ以外の複数の証言でも、宮内庁にA級戦犯合祀に否定的な考えがあった事は確認できるので、、従来から、「昭和天皇がA級戦犯の合祀に反対だったので、75年11月以降、天皇の参拝がなくなった」と考える説がありましたが、今回の冨田メモは、それを確認する形となっています。

上にあげたWebのうち、A級戦犯合祀を強行した松平宮司の証言からもわかるように、総代会の決定をうけて、A級戦犯の合祀が決まっています。組織としての靖国神社は、宗教法人のままでの国家護持を望んでいますから、国からもらった名簿を自動的に祭っているだけだ、と主張しているのはある意味自然ですが、それは事実と異なります。
もちろん、靖国神社が全国の戦死者の名簿を作る事は不可能なので、厚生省の協力は必須です。厚生省は、遺族の票を期待している与党の意向を無視する事はできませんが、一方で憲法上の問題から、靖国神社に「誰を祀れ」などという指示を出す事はできないので、あくまで「戦死者の名簿を渡しているだけにすぎない」と主張しています。(それでも、憲法上の疑義があるのは事実ですが…)

通常の戦死者の場合、実態としては、厚生省の名簿がそのまま合祀対象となるのでしょうが、理念としては、あくまで靖国神社の判断で祭神が決まっており、特にA級戦犯の場合は、その理念通りの事が行われたのは、松平宮司の証言からも明らかです。
この点を、靖国神社の公式宣伝から理解しようとすると間違えますので、ご注意下さい。

>一宮司の判断が外交面も含めてここまで論議を醸すことに、国権の最高機関はどのように対処できるのか

現行の憲法・法律の下では、靖国神社は宗教法人の一つに過ぎず、だからこそ、靖国神社は、完全に独自の判断(例えば、遺族が合祀に反対しても、靖国神社はそれを受け入れない)で祭神を決められます。個人的には、遺族の意思ぐらい尊重しても良いだろうとは思いますが、それでも、国家が、一宗教法人が何を信仰の対象とするかにまで関与関与できてしまう社会は、あまり住みやすいとは思えません。

尚、靖国参拝が外交問題化したのは、中曽根首相の公然たる『公式参拝』(1985年)以降であって、元々、靖国問題は、純然たる『国内問題』でした。ネット上では、「中曽根公式参拝以前は、海外からの反発がなかった」事を理由に、あたかも「靖国問題が、中国・韓国がイチャモンをつけてきて始まった」かのような説が流布されていますが、単に過去の経緯を知らない人の中で、コピペが出回っているだけです。念の為。

>「政教分離」の原則で及ばないとすればいったいこの国の主権は本当に国民にあるのか、その点がとても疑問に思っています。
靖国神社が、政治問題になっているのは、「国家として管理・支援しよう」という動きがあるからであって、また外交問題化したのは、「戦後政治の総決算」を掲げた中曽根首相が、公式である事を明確にして参拝してからです。「政教分離の原則」は維持されつつ、政治問題や外交問題にならないのが、本来の姿だと思います。

上にURLをいれたWebの一つにある、靖国神社副宮司の「平和が長続きして戦争が風化し、靖国神社が、数ある神社の中のワンオブゼムになって欲しい。例えば天満宮のように、もともとは権力闘争に 敗れた菅原道真の怨霊を鎮めるための、まことに生臭い政治的な神社だったのが、今は学問の神様、合格祈願の神社になっている。靖国神社が一日も早く、そういう神社になってくれればいい。」という発言が事実であるとすれば、そうなれば、当然、靖国神社に誰が祭られていようが、国内外での問題はないし、総理大臣の参拝も全く注目されなくなるでしょう。

以上、長々と失礼しました。
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この回答へのお礼

大変貴重な資料をありがとうございました。
松平宮司という人物に注目して読んでみると、その根拠と彼個人のバックボーンとなるものが浮かび上がってきたようです。
根拠に関しては
「その根拠は明白です。すでに講和条約が発効した翌二十八年の議会で、援護法が一部改正され、いわゆる戦犯者も全部一般戦没者と全く同じようにお取扱いいたしますから、すぐ手続しなさい、ということを厚生省が遺族のところへ通知しているんです。」
また、宗教法人についてのこだわりは
「これは明治にできた民法に、法人にし得る団体として宗教と祭祀というのは別になっているのをとって、「祭祀法人」になればいいじゃないかと。それは結構なことだけど、民法にはそうなっておりますけれども、祭祀法人というものの例がないんですね。それをいまさらいったって、とても国会なんかで問題にはならないだろうし、いま宗教法人になっているのを祭祀法人に切替える、口では簡単に切替えるというけど、法人を切替えることはそう容易にはできない。」
そして最後に彼も東京裁判の否定論者だったようです。
「主として私をくどき落されたのが石田和外先生、もとの最高裁長官です。私はお受けするということを最終的に決心する前に、いわゆる東京裁判を否定しなければ日本の精神復興はできないと思うから、いわゆるA級戦犯者の方々も祀るべきだという意見を申し上げた。」
やはり、いわゆる東京裁判論議に行き当たります。これはまた別のところで調査研究してみます。
大変お手数をおかけしました。ありがとうございました。

お礼日時:2006/08/10 10:37

こんばんは。



え~と、多少誤解がありますが、いわゆるA,B,C級戦犯においては、1950年代に国民の多数の嘆願(4000万人?)&国会決議によって(当時の社会党も賛成、共産党も賛成?)名誉回復(釈放)されました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/A%E7%B4%9A%E6%88%A6 …

この点では、色々な意見(見解)も有りますが、少なくとも遺族には恩給が支払われるようになりましたし、A級戦犯とされた人がその後国務大臣になったり、被告となった人(不起訴になりましたが)が総理大臣になったりしていますので、日本国としては無かった事(不問?)になっています。

また、靖国神社の合祀の件ですが、これも靖国神社が勝手に合祀した訳では有りません。
合祀の基準としては、当時の厚生省(引揚援助局、だったかな?)から、上記の国会決議後(サンフランシスコ講和条約締結後)合祀基準に達した者のリストを靖国神社に送り、これに基づいて靖国神社が合祀します(年2回)。
ですから、国会&政府が合祀を靖国神社に頼んだ訳です。
http://www.yasukuni.or.jp/siryou/siryou4.html

ま~、確かにいわゆるA級戦犯においては、リストが送られてから合祀するまでに年月が掛かっていますが、別段勝手に靖国神社がやった訳では有りません。

政教分離を言うのでしたら、そもそも国の機関がその様なリストを靖国神社に送る事自体が問題でしょうね。
それを、後から勝手に文句を言う方がどうかな?と思いますが・・・

では!
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
靖国神社のサイトを拝見しました。

4、 一部の政府関係者は、A級戦犯を合祀した靖国神社が悪いようなことをいうが、靖国神社は、国が「公務死」と認めたことを踏まえ一般戦没者と同様に「昭和殉難者」として合祀していること。
5、 さらに政府首脳は、東京裁判でいう“戦犯”を認めたような発言をしているが、昭和28年当時から政府は“戦犯者”を、国内的には、犯罪人と認めていないこと。

この辺ですね。
さらにつきつめていくと、東京裁判の正当性、戦争責任の所在ということになると思います。もう少しじっくり考えてみます。

お礼日時:2006/07/22 08:49

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