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共通点としては管理通貨制度に基づく福祉国家であることで、違いとしては欧州は共同市場の形成において高度成長したのに対し、日本は日銀の通貨膨張政策によって高度成長したと習ったのですが、これらを具体的な事例をつけて説明するとき、どうすればよいでしょうか?

A 回答 (1件)

欧州は確かに共同市場を形成することで、当初は経済成長の兆しが見られました。

「21世紀の最初の十年はユーロの時代になる」と言われていたこともあります。しかし、現状ユーロの経済はかんばしくありません。その原因として、ユーロは「経済成長」よりも、「経済安定」による福祉の充実を目標としているからです。アメリカは経済に政府が極力干渉しない「小さな政府」であるのに対し、ユーロは経済安定のためには政府が積極的に介入する「大きな政府」を目指しています。ユーロが目指す福祉国家は資本主義国(特にアメリカ)から見ればまるで「社会主義」のように見えると言うことで、アメリカではユーロの政策を馬鹿にしている節があります。実際はユーロが目指しているのは、「資本主義」でもなく「社会主義」でもない、両方の良いところだけを取った、「第三の道」といわれるものです。ただ、「福祉の充実」と「経済成長」は相反するものであり、ユーロの理念は失敗するのではないかとも言われています。ただ、ユーロはそれを承知で「第三の道」を選んだので、ユーロ自体が「実験的な市場」であるといえます。
日本の場合、「日本がバブルになったのは、日銀がちゃんと経済を監視しなかったからである」というのが通説になっていますが、これは間違いで、実際は、アメリカが為替相場においてドルを安定させるために「プラザ合意」で日本に圧力をかけたため、日銀はバブルと知りながらそれを抑えることが出来なかったのです。そのため、日本は80年代後半にバブルがはじけて不景気になってしまいました。両方の経済を見比べてみると、ユーロは「バブルではなく、『共同市場』というブームに乗って見られた一時的な経済成長。その後低成長に落ち着く」。日本は「バブルであったため、その後不景気になってしまった高度成長」ということになります。
最近日本はアメリカにならって「小さな政府」を目指す傾向があります。果たしてこれが正しい選択であるかどうかは分かりません。欧州では「社会のために市場がある」というスタンスを取っている一方、日本のように『資本主義で小さな政府を目指す』ということは、「市場のために社会がある」というスタンスを取ることを意味しています。日本も昔は福祉国家だったのですが、少子高齢化などの問題でそのバランスが崩れつつあります。また、日本は何事もアメリカを見習おうとしており、そのアメリカでは「年金を無くそう」という論議が最近出てきています。
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