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Ag/ZnOのナノコンポジット膜に関する論文で、TEMにはNaCl基板を使い、AFMと光学特性(吸収スペクトル)にはガラス基板を使っているのですが、どうして別々の基板を使っているのでしょうか?
よろしくお願いします。

A 回答 (3件)

薄膜研究者です。


TEM用にNaCl基板を使うのは、試料を水に浮かせるためだと思います。
基板ごと水に入れると試料膜だけ簡単に水に浮かせることが出来るので、TEM観察用のメッシュで試料をすくえば観察用の試料が得られます。
NaCl基板は#1さんがおっしゃるように潮解性が強く空気中の湿気を吸って直ぐに変形する他にも、機械的強度が弱い、平滑な面が作りにくいなどの問題が有るので、試料の保持やAFM観察には向いていないので、ガラス基板(通常のガラスでは紫外で吸収が大きいので、石英基板じゃないですか?)を使うのだと思います。
ただし、通常NaCl基板というと単結晶基板なのですが、異なる材質や結晶構造の基板、特にこのような非晶質のガラス基板と単結晶のNaCl基板では、基板上に成長する膜の構造が違ってくる可能性が有るので、本当は同じ試料として比較するのは好ましく有りません。
せめて単結晶NaClの替わりに、ガラス基板上に多結晶のNaCl膜を着けた基板を使った方がましだと思います。有る程度厚いNaCl膜を蒸着などで着ければ(ミクロンも有れば十分)、その上の試料膜を水に浮かせることは可能です。
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この回答へのお礼

急いでいたので大変助かりました。ありがとうございました。

お礼日時:2006/08/01 22:09

> TEMにNaClを使う理由は良くわかりました。



前の回答でお断りしましたようにあくまでも推測です。自信はありません。

> ひとつ疑問に思ったのですが、それでは光吸収にNaClを使うのは無理なのでしょうか?

本来NaClは可視から中紫外までは透明です。
Agのプラズモンはせいぜい400nm、ZnOのバンドギャップは380nm程度ですので、ぜんぜん問題なさそうです。

問題があるとすれば、潮解性です。湿気で劣化します。だからガラスを使うのでしょう。

それとも薄膜の製造過程でF中心という欠陥が入るのでしょうか? するとF中心は可視光域に吸収をもつので厄介です。

> surface plasmon resonance in nanocrystalline silver in a ZnO matrix です。

論文の題名だけお教えていただいても、ちょっと調べようがありません。

この回答への補足

回答ありがとうございます。
Surface plasmon resonance in nanocrystalline silver in a ZnO matrix
でgoogleで検索して一番上にヒットする論文ですが、書いておきます。
THE EUROPEAN PHYSICAL JOURNAL B
vol39,491-498(2004)
結晶についてあまり知識がないので良くわからないのですが、F中心というのは格子欠陥によるものでしょうか?だとしたら、酸化亜鉛はエピ成長していないのでそれが原因となるのでしょうか?
よろしくお願いします。

補足日時:2006/08/01 17:33
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うちはやっている物質が異なりますが、TEMでも光吸収でもガラスを使っています。

TEM用の試料を作るのはだいぶ手間取っていますが。

なぜNaClなのでしょうか? 論文の実験方法のところにヒントはありませんか? 差し支えなければ論文の情報(雑誌名、巻、ページ)をお教え下さい。

これはまったくの憶測ですが、TEM用の試料を作るためには試料をとても薄くする必要があります。

うちはガラスを削っているので、死ぬほど大変です。

金属などでTEM試料を作るときに、アルカリなどで金属を溶かして、極めて薄い部分を作ると聞いたことがあります。

NaClというのはひょっとして、水で一部溶かして、
極めて薄いTEM試料を作っているのかも。

残念ながらうちの試料にはNaClは使えませんが。

この回答への補足

回答ありがとうございます。TEMにNaClを使う理由は良くわかりました。ひとつ疑問に思ったのですが、それでは光吸収にNaClを使うのは無理なのでしょうか?
surface plasmon resonance in nanocrystalline silver in a ZnO matrix です。よろしくお願いします。

補足日時:2006/08/01 10:04
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