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仏教が日本伝統芸能である、能に与えた影響を教えてください。参考URLも教えてください。お願いします。

A 回答 (1件)

私もあまり詳しくありませんが、ひとつのアドバイスとして、まず、能の成立に対する影響と、内容に対する影響に分けて整理してはどうでしょうか。



そもそも、能に限らず芸能一般のルーツが宗教的なものであることはよく言われることです。観阿弥や世阿弥は、天の岩戸に隠れたアマテラスをこの世に呼び戻すために舞われた舞いを「神楽」として芸能の起源に位置付けているそうです。アマテラスという死者の怒りを鎮め、慰め、この世によみがえらせようとしたことが神話に説明される芸能の始まりだった、つまり芸能一般が鎮魂慰霊のためのものだった、ということです。
今の能は美的な面から鑑賞されるばかりですが、そもそも能は神仏と人間との間で祈り、畏れ、かしこみ、といった感情を担ってきたのです。

能の前身たる猿楽はこのような伝統のうえにありますが、特に呪師(しゅし)猿楽などというジャンルは仏教と関係が深く、修正会(しゅしょうえ)といった魔を払うための寺院の初春祈祷法要において、法力を参詣人にわかりやすく伝えるための半宗教的な芸能として盛んに演じられました。この中の芸能的側面が自律的に発達して能の成立に至っているのでしょう。
もっとさかのぼれば猿楽そのものが、散楽と呼ばれる外来の軽業・幻術・歌舞(奈良時代の寺院の法会で相当数演じられたという)の伝統を受けるものだそうです。
(このあたり、詳細は-五来重・宗教民俗集成「芸能の起源」角川書店-などを時間があれば参照してください)

能の内容については私も門外漢ですが、常識レベルで言えば「清経」や「隅田川」など、基本的に仏教的な無常感を帯びていたり憂き世観を持ったものが多いこと、「道成寺」「浮舟」「石橋」のように登場人物や設定に僧や寺院など仏教が大きく関連していること、は指摘できるのではないでしょうか。
特にニ場物の多くは霊が出てきてこの世と感応するわけですから、仏教的な感覚が一般に浸透していたことが影響しているのではないでしょうか。
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