A 回答 (5件)
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No.5
- 回答日時:
こんにちは。
No.3,4で回答した者です。
補足質問に対してお答えします。
1.合格点について。
大学入試と違い、正確な合格最低点は公表されないので分かりません。
先輩からは6割取れれば受かる、と聞きました。
点数、人数共にボーダーラインがあらかじめ決まっているわけでなく、発表直前に行われる教授会にて、どこで線引きするかを決めるそうです。
合格者数が定員に満たない年もあったそうです。
2.点数のウエイトについて。
これも公表されていないので、正確には分かりません。
いくつかの噂を総合すると、英語と専門のウエイトが高く、逆に一般科目は低いようです。
(これは試験を受ける側の希望的観測、とも考えられますが。)
大学入試でセンター試験の足きりがあるように、英語で足きりするという噂もありますが、よく分かりません。
3.試験時間について。
これは募集要項に載っているかも知れません。
英語:3問で1時間半
一般:5問で2時間半
専門:4問で2時間
1問あたり30分ということになります。
一般と専門は場合によっては時間が余りますが、英語は相当厳しいです。
4.TOEICなどの導入について。
今のところそのような話は聞きません。
今年から学部長が変わりましたが、特にそういった変更もなかったので、現学部長の任期中(3年間くらい?)はこのまま導入されないかと思います。
5.衛生について。(専門13番ですよね?)
勧めておいて無責任ですが、衛生に関してはよく分かりません。
内部生は衛生を取らない人が多いため、先輩や同期からあまり情報がありません。
平成17年度にいきなり化合物の説明問題が出ましたが、手元の授業プリントには載っていなかったような気がします。
その後今までの形式に戻ったことから、平成17年度の問題だけ例年と違う先生が担当されたのか、その年だけ配布した授業プリントから出題されたのかもしれません。
以前出題されたAmes試験やSREBP等は授業のレポートで調べた記憶があります。
その他、No.4でお答えしたキーワードに関する授業が一応あったので、可能であれば衛生もノート等を入手したほうが良いかもしれません。
6.分析について。
分析は内部生がよく取る科目で、かなり内部に有利かと思います。
授業プリントにほとんど全て載っていて、市販の参考書や問題集を使う人は全くといって良いほど見かけませんでした。
有機、生化、薬理と違い、外部生が市販の教科書を利用して太刀打ちできる気がしません。
良い本や勉強法があるのかも知れませんが、私は知りません。
衛生に関してビシッと答えられず、申し訳ありません。
代わりにといっては何ですが、物理化学について。
物化(5,6番だったと思います)は、外部出身の先輩に言わせると結構簡単だそうです。
物化は例年、生命物理化学教室、蛋白構造生物学教室、神経生物物理学教室の3教室が持ち回りで2問出題するといわれます。
3教室のHPと過去問を見れば分かりますが、それぞれNMRと量子化学、X線結晶解析とタンパク質の構造、電気生理と物理化学といった出題分野がほぼ決まっています。
前者2つは授業ノートからの出題もありますが、一般的な内容なので外部生にも対策しやすいと思います。
タンパク質の構造や電気生理等を含め、退官された桐野先生の著書【物理化学上・下】(共立出版)は授業範囲が網羅されており、オススメです。
どの科目も、授業ノートを入手できれば範囲を絞り込むことができ、入手しないのであればどこが問われても良いように網羅的な勉強をする、という戦略になります。
後者は当然時間がかかるので、主要な科目は早めにマスターすべきでしょう。
何か知りたいことがあればお答えします。
ここで焦って質問を考えなくても大丈夫ですよ。
今後も時々質問一覧に目を通すようにしますので、いつでも新しい質問を立ててください。(忙しい時期は1,2ヶ月回答できませんが、それでも良ければ)
健闘を祈ります。
早速のお返事ありがとうございます。本当に参考になる話ばかりで、また勉強に対するやる気も高めることができました。
今後は、院試に向けた勉強に励むとともに、将来どのような研究に携わりたいかについてよく考えて生きたいと思います。
授業ノート・プリントは、私は東大薬に直接の知り合いがいないため、同じく東大薬を目指す大学の友達に頼んでいるところです。彼曰く、入手できる、とのことでした。(ちなみに私は理科大薬です)
いつになるかわかりませんが、また質問を立てることがあると思いますので、そのときはよろしくお願いします。
最後にまたお礼を言わせてください。本当にありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
こんにちは。
No.3で回答した者です。
補足質問に対してお答えします。
教授の人事異動について。
3年ほど前に遺伝学教室の三浦先生、4年ほど前に細胞情報学教室の一條先生、5年ほど前に薬化学教室の大和田先生が着任しました。
http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~shomu/jinjiido.html
したがって、着任年度以前にこれらの研究室から出題はありません。
それ以降の一般生物、生化、有機などに、これらの研究室の先生が作成したと思われる問題があります。
(正確に誰が出題したか、ということは内部生に対しても秘密です)
上のサイトでは転出に関する情報がありません。
院試と関連ある範囲では、数年前まで毒性学、無機化学を教えていた先生が他大へ移られたと聞きました。
それぞれ化学、薬理学の出題傾向に変化が現れていると思います。
去年、神経生物物理学教室の桐野先生が退官されました。
有機化学分野はあまり詳しくないですが、天然物化学教室の海老塚先生、有機合成化学教室の柴崎先生は5年以内に退官されるので、博士課程終了まで面倒をみてもらえません。
それ以外の教授陣はおそらく5年後まで変わらないと思います。
(受験教室の教授の年齢は重要ですので、御自身で必ず調査してください)
さらに多くの情報が必要でしたら、新たに質問を立ててください。
専門科目について。
基本的に3,4科目勉強する人が多いです。
生物系の内部生でよくあるパターンは、生化・薬理のセットです。
多くの人はこれらと分析を組み合わせるか、得意であれば動態、天然、物化をとります
(生化と薬理だけという猛者もたまにいますが)。
ここでポイントは、上に挙げた科目には内部生が優利なものが多いということです。
授業ノートを入手しない限り、外部生にとって生化と薬理以外は結構厳しいでしょう。
天然は詳しく知りませんが、授業プリントに載っている化合物や反応経路がそのまま出た年もあります。
教授が訳した【医薬品天然物化学】は指定教科書になっており、プリントと似た内容が載っていたと思いますが、全て読むのは大変です。
過去問とその本を照らし合わせ、本で勉強すればいける、と思ったら選択してください。
それに対し、東大薬学の衛生化学の授業は(関係者の方には失礼ですが)かなりお粗末です。
衛生だけは外部生が有利と聞きます。
ガン、内分泌攪乱物質、食品添加物、動脈硬化、糖尿病、公害などがキーワードで、語句説明が中心です。
他大でどのような衛生教育が行われているか知りませんが、外部生にとってはオイシイ科目かもしれません。
有機合成に抵抗感が無ければ、有機を選択するのも手です。
外部出身の生物系の先輩は、実際にボルハルトを使って有機を猛烈に勉強したそうです。
年々難しくなっているそうで、有機系内部生も解けないと思って生化に逃げた、という話もあります。
No.3でお答えしたように、ウォーレンなどで逆合成の練習をしっかりする必要があります。
医薬品の合成ルートをひたすら解説する授業があり、そこから出題されるものもあります。
シメチジンを全合成せよ、とか見たことがあります。
労力を考えると、生化と有機はどちらか一方に絞った方が良いかもしれません。
まとめると、外部生としては有機・生化・薬理・衛生あたりが良いかと思います。
勉強法について。
前回お答えしたように、細かい知識よりも体系的な理解が重要です。
そのために、生物ならthe Cellとか、とにかく一冊通して読み、自分なりに整理します。
これには、教科書に書いてあるのと違う視点を持つという姿勢が役立ちます。
本を開くと、DNA複製やアポトーシスに関わる分子が羅列されています。それを逐一覚えるのではなく(もちろんそれもある程度必要ですが)、「原核生物と真核生物のDNA複製における相違点は?」とか「アポトーシスとネクローシスの違いは?」といった視点で理解していく作業が大切です。
全体を通したポイントは、「生物学・化学と疾患・薬との関わり」です。
薬理なら作用機序だけでなく適用疾患や副作用、生物学なら遺伝病や具体的な生命現象と絡めて覚えると良いでしょう。
参考書は前回お答えした通りです。
有機化学や生物学など、教科書が分厚く時間のかかる科目は早い時期に取り掛かかり、問題演習に時間をかけるべきです。
因みに内部生は4年の7月頃から院試休みに入り、1ヶ月半ほど猛烈に勉強します。
英語について。
英問英答が不安というのは、英作文ができるか心配ということですか。
英語で要約か、自分の意見を英語で述べる、という形式がほとんどですが、これも読解と同様、東大入試用の問題集や東大後期の過去問・模試問題集で練習してみてはいかがでしょうか。
内部生は基本的に英語が出来る人が多く、単語帳や論文を読む以上の対策はあまりしないようです。
英語は外部との差がつきやすいところです。
最後に。
教室訪問にあたって、具体的な興味が定まっていない状態でも大丈夫ですよ。
色んな人から話を聞きながら決めるというのは、院試勉強を通じて一人で悶々と考えるよりも有効な気がします。
現在所属されている大学の先生や先輩方ともよく話し合うと良いでしょう。
私は研究室を決める際、とりあえずほぼ全教室の教授と面談しました。
是非、研究室に遊びに来てください。
長文お許しください。
追加で質問があればどうぞ。
少しでもお役に立てれば嬉しいです。
健闘を祈ります。
この回答への補足
こんにちは
頭の整理が終わったので、質問させていただきます。
知りたい点は以下の4つです。
(1)点数はどの程度とればよいのか
(2)どの科目(英語・教育・専門)がウエイトが高いのか
(3)試験時間はどのようになっているのか
(4)TOEIC・TOEFLについて、他の研究科では導入しているところもあるが、薬学研究科では導入の噂などがあるのか
以上です、よろしくお願いします。
また質問に値しないような疑問があるので、以下に書かせていただきます。
衛生の問題は確かに簡単だったのですが、去年・一昨年(今年の問題はまだ拝見していません)では急に難しくなった感があるのですが、なにか東大薬のなかで変化はあったのでしょうか?
また、分析はどのように勉強しているのでしょうか?いい参考本を挙げてられない点を見ますと、配布プリントなどがあるのでしょうか?
また今回も、色々と質問させていただきました、申し訳ありません。よろしくお願いします。
早速のお返事ありがとうございます。内部の方の意見を聞けるチャンスはあまり無いので質問したいのですが、頭の中で整理がついておりませんので、また明日改めて質問させていただきます。
研究室訪問は教授の貴重な話を聞けるチャンスでもありますのでしたいのは山々なのですが、何分知識不足ですので、最低でも、教授の話を十分に理解できる程度にはしてから、なるべく早い段階でと思っております。
最後にもう一度お礼をさせてください。
本当にありがとうございます。
No.3
- 回答日時:
こんにちは。
東大薬学部生物系研究室に所属する者です。
私は内部生ですが、他大出身の先輩の話を参考に、
圧倒的に不利と言われる外部生でも合格を狙える勉強法を提示することができると思います。
ですが、初めに説教じみたことを一つ。
自分は将来何をしたいのか?何に興味があるのか?なぜ東大薬学部に行きたいのか?
こういう事をじっくり考えることの方が、こんな時期から教科書を探したり東大対策の勉強を始めるよりよっぽど大事だと思いますよ。
貴方が以前した質問を見ましたが、今のところ分子生物学的な研究がしたいというだけで、特に興味の方向性が定まっているわけではなさそうですね。
分子生物学的研究は、大抵どこの大学の生物系研究室でもできます。
当然ですが、大学入試の偏差値と研究室のレベルは必ずしも一致しません。
そして東大の中でも理学、農学、工学、医学部で分子生物学的研究はできます。
「○○研究では世界トップレベルの実績」「○○分野の大御所教授がいる」あるいは単純に「この研究室のテーマに強く惹かれる」など、特定の研究室を志望する確固たる理由があって○○大学院を受ける、という流れが自然に思います。
貴方の志望動機は(少なくとも私にとって)不明瞭であり、東大対策云々以前によく考えた方が良いのでは?と心配になるわけです。
そのあたりは口述試験で確実に追及されます。
この研究がしたい、と具体的に答える外部生に対してさえ「その研究は他でもできるよ。何故うちなの?」と聞いたりするそうです。
それを考える上で極めて有効なのが、No.1様が仰るように、直接研究室を訪問することです。
教授のメアドはホームページに載っていますし、大抵の場合返信を頂けるでしょう(受験志望者のメールは無視すると公言する先生が1,2名いますが)。
テーマについてはもちろん、先生や先輩の雰囲気を知る、入試情報を得るなど、収穫は多いはずです。
教科書を探す前に、まずは研究室を訪ねて教授と直接面談することを強くお勧めします。
それでも東大薬学部でなくては駄目だ、とお考えなら、以下の勉強法を参考にして下さい。
まずは入試の現状を知って下さい。
http://www.u-tokyo.ac.jp/stu04/e02_01_j.html
外部生の合格率は50%を切ります。1/3くらいしか受からない年もあります。
このような差が生じる最大の要因は、やはり情報の不足だと思います。
試験問題は薬学部の先生が作成します。内部生はその先生の授業を受けており、先生が何を重要と考えているか、どこを問うかなど、定期試験を通じて熟知しています。過去問と解答例を代々受け継ぎ、先達による傾向分析が豊富に提供されます。
この情報量の差を埋めるのは容易ではありません。というか事実上不可能です。
多くの方は「過去問を手に入れろ」とアドバイスするでしょう。確かに有効です。
しかし、一度出た問題が再び出ることはめったにありません。
高々5年分の過去問で内部生の情報量に追いつけるかと言えば、おそらくノーです。
さらに、薬学部は教員の入れ替わりが比較的激しいです。
出題者が変わると問題傾向はがらりと変わります。
科目によっては、数年前の過去問が意味をなさない、というケースがあります。
そういう人事異動の情報も加味して、内部生は戦略を立てています。
では外部生はどうするか。
究極的には今の3年生(或いはなるべく年の近い先輩)に授業ノートや定期試験を見せてもらい、過去問をうまく分析して対策する、ということになります。
私が受けてきた薬学部の授業では、先生自作のプリントが用いられ、教科書に沿ってやるというものは一つもありませんでした。(この点は理学系のNo.2様と同じです)
特に有機化学と生物学はオリジナリティー溢れるプリントが多く、教授ごとに内容に偏りがあります。
それでも、教科書を用いてある程度対策することはできると思います。
まず有機化学は、【ジョーンズ】又は【ボルハルトショアー】が必須でしょう。
ほとんどの内部生が持っています。
一般科目の化学はそれらの上巻で十分です。
専門科目で有機化学をとるならそれらの上下に加え、【ウォーレン】くらいは必要です。
有機化学の他、大学教養レベルの無機化学、量子化学、化学反応論が出題されます。
生物学、生化学は【Molecular Biology of the Cell】又は【Molecular Cell Biology】が指定教科書です。
後者を好む先生も多いです。授業プリントで図が借用されたりします。
【ストライヤー生化学】も人気があります。
細かい分子名を覚えるより、体系的な理解が必要です。
また、○○するための実験を考案せよという問題が毎年あり、実験法と絡めて理解する必要があります。
薬理学は【NEW薬理学】又は【標準薬理学】です。
先輩は標準が多いですが、同期はほとんどNEWでした。
極端な話、この薬理はNEWを一冊丸暗記すれば解けない年はないでしょう。
オーソドックスな末梢神経薬と中枢神経薬がメインです。抗腫瘍薬は授業で扱っていないのでおそらく出ません。
薬物動態学は教授直筆?の【総合製剤学】又は【ファーマコキネティクス演習による理解】の前半部(線形コンパートメントモデル)が解ければ、内部生の平均レベルを遥かに超えたと思って良いです。
その他の試験科目(数学、物理学、物理化学、分析化学、衛生化学、天然物化学)は特におすすめの教科書はありません。
ついでに以前の質問にあった英語について。
薬学英語などというジャンルが存在するのか知りませんが、東大薬の英語試験は薬学的な内容では全くありません。
過去問を見れば分かると思いますが、医学薬学用語を覚える必要性は皆無です。
【大学受験用の単語帳】を一冊暗記し、【Nature】等の冒頭や短い記事に触れると良いでしょう。
読解問題の練習には、【東大入試過去問】や【東大模試問題集】を買って、英語5番をひたすら解くと良いかもしれません。問題の雰囲気は似ています。
解答時間が短いので、かなりの読解スピードが要求されます。
長くなってしまいました。お許しください。
何か知りたいことがあればお答えします。
教科書に関すること以外であれば、新たに質問を立ててください。
健闘を祈ります。
この回答への補足
これほど丁寧に書いていただき、うれしい限りです。まずお礼をさせてください。
あなたのご指摘のように、私は具体的な研究テーマも決めずに、東京大学大学院薬学研究科と決めてしまっています。これには、今現在でもどのような研究をしたいか決めかねていることと、現在通っている大学の院に進むには金銭的な面で難しいことがあります。
ただ、研究についてはこれからゆっくり調べていき、また院試の勉強を進めていくなかで見つけて行くつもりです。もし研究内容と合わないようであれば他の大学を受けることも考えています。
さて、「補足」に書いたのは質問がしたいからなのですが、回答が非常に丁寧に詳しく書かれているので、正直なところあまり見つかりません…
強いて言うならば、教授の人事異動に関することくらいで、何か情報があれば教えていただけるとうれしいです。
あとは漠然とした質問ですが、よい勉強方法、よい参考書などがあったらおしえてください。専門科目は有機、生化、薬理、薬剤、天然、衛生などにしようか考え中なのですが、東大の方は何科目分勉強しとくのでしょうか?
余談ですが、過去問はこの質問を書いた次の日に薬学図書館で8年分コピーしてきました。英語は一般科学のような内容で、難しい単語は無かったと思います。ただ英問英答はあまりやったことが無いのでどのように勉強していいのかわかりません…(東大の方はどのように勉強するのでしょうか?)薬理は簡単そうでしたが、有機は難しいなという感じでした…
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